名古屋北部青年ユニオン  2012/8/13~

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契約を守るとクビになるブラック企業。

2013-12-11 | 労働ニュース
進化を邪魔する社長たち - (244) 契約を守るとクビになるブラック企業。生涯初めてクビを宣告された理由
今年のユーキャン新語・流行語大賞のトップテンのひとつに選ばれた「ブラック企業」。この秋に放送されたドラマ『ダンダリン』は労働基準監督署を舞台に、不当労働を強いる職場を役人が積極的に告発していました。しかし、かつての勤務先が労働規約を、一方的に従業員の不利になるよう改訂し、そのことを労働基準監督署に相談すると

「そういう会社は辞めた方がよいですね。ウチ(監督署)がはいって改善されても、犯人捜しが始まり、(その後)務めていられなくなりますよ」

と現実的なアドバイスをいただいたことを思い出します。「ブラック企業」という言葉のなかった時代の話しです。ブラック企業とはパワハラにセクハラ、長時間労働を強制し、残業代などの割増賃金を未払いする企業のことです。

先の相談をした会社員時代。新規事業の立ち上げで朝も昼もない日々が続きました。どうにも手が足りず、新婚だった妻を会社に呼び出し仕事を手伝わせます。それを見ていた同僚や上司が手伝うことはありません。営業マンは裁量労働制という契約で残業代はなく、もちろん、妻への賃金の支払いなどありません。

その現場を役員も見ていましたが、会社のスタンスは「勝手にやっていること」。新規事業といっても社命によるものではなく、わたしが勝手に受注してきた仕事に過ぎないという扱いです。そもそも営業方針がなければビジョンも戦略もない会社で、営業マンは各自の売上確保に汲々としており、他人の面倒などみない社風だったのですから当然です。

採算性が見込めるようになり手のひらを返し、事業化に向け肩書きも与えられましたが、それからの方がより勤務は過酷となりました。早朝深夜に土日の出社は当たり前で、交通事故に遭っても勤務していました。いまの基準に照らせば「ブラック企業」かもしれません。しかし「ブラック」と断ずることに躊躇うひとつの理由は、もっとブラックな企業に勤めていたことがあるからです。

あるソフト開発企業です。フレックスタイムの裁量労働で、能力次第で昇給も休日も思いのままという甘い言葉に誘われます。

半年前に入社していたA先輩と、所属部署の課長とが憎しみあっていることに気がついたのは入社から2時間後のことです。A先輩のだす企画を次々と否定するのが課長の仕事のようです。2週間後、先輩の席はなくなっていました。この課長は、自分の望む答え以外を受け付けず、かといって指示もヒントも示しません。部下の能力を斟酌もせず、使えない部下なら、首を切るためにいじめ抜きます。そして彼は社長の片腕。肩書きは課長ですが、社内ヒエラルキーのナンバーツーに君臨し、社内をパワハラで支配します。

ブラック企業の要件にある「長時間労働」も満たしていました。この会社における裁量労働制の解釈とは「肉体の限界まで働ける制度」。みな、終電まで退社しません。終電が早い路線の女性社員には羨望のまなざしが注がれます。しかも終電が終業時刻に影響するのは「女性」だけです。終電がなくなった男性社員は、会社から徒歩20分ほど離れたところにある借り上げたアパートの一室に移動します。複数設置された二段ベッドで寝られるのはベテラン社員で、下々のものは畳敷きに薄い毛布一枚で雑魚寝です。

ブラック企業がブラック足る由縁は、ブラック企業に適合した社員がいることです。彼らがブラック企業を支え、社風をよりブラック化していきます。みなが残業するのは、残業時間が賞与の査定基準となるからです。無能でも会社にいるだけで多くの賞与が貰える仕組みです。人の出入りが激しく、パワハラのターゲットは新人で、既存社員は安全地帯にいるので諫めるものは誰もいません。また、ベテランになるほど周囲に気づかれないように居眠りするテクニックを身につけており、終電まで「在社」することは苦にならないようです。会社も社員も自己利益の最大化を目指し、よりブラック化していく0.2です。残念ながらいまのIT企業でも散見します。

わたしのキャリアで唯一「クビ」を宣告されたのがこの会社。仕事に支障をきたさない程度に「裁量労働制」を裁量で実行し、たびたび会社を休んだことが理由です。休むたびに社長直々に「在社時間と愛社精神の関連性」について薫陶を受けます。理解力に乏しいわたしは同じ過ちを繰り返します。何度目かの注意の後に「我が社始まって以来のクビだ」と宣告されます。それはそうでしょう。家族も連絡先が分からなくなる本当の「蒸発」をしたり、パワハラで逃げ出したり、追い出されたりして、会社を去る社員ばかりなのですからわざわざクビを切る手間は不要です。ちなみに裁量労働と「契約」にあるので「懲戒」にすることは不可能。落としどころは「会社都合」でした。

この会社に比べれば、妻を手伝わせた会社など可愛いものです。なにもしてくれませんでしたがイジメはなく、在社時間を評価する仕組みもないので、遅くなっても帰宅できます。なにより、当時の上司は、仕事は手伝ってくれませんでしたが、帰り際にそっと近づき「奥さんと何か食べて」と些少の小遣いをくれました。在職期間中は彼のためにだけ働いたといっても過言ではありません。その心遣いが「ブラック」と呼ぶことを躊躇わせるもうひとつの理由です。

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職安求人票、現実と差 被災地で賃金不払い、短期解雇

2013-12-11 | ハローワークの求人票はウソだらけ?
東日本大震災に関する公共職業安定所の求人票が実際の労働条件と懸け離れ、仙台市近郊で働いた労働者が雇用トラブルに巻き込まれていた。労働者は「正規の職業紹介窓口は安心」と信じたが、仕事先で賃金を支払ってもらえず、短期間で解雇された。職安を「橋渡し役」として不適切な雇用が横行している構図が浮かぶ。
 東京都の外国人の40代男性が2011年6月、関東の職安で見つけた求人票には「被災地での家屋解体と整地、片付け」とあった。日給は8000~1万3000円。雇用期間は3カ月と記されていた。特記事項に「契約は最大で5年間まであります」とも記されていた。
 求人票を出したのは愛知県内の会社。男性は同社の社長と電話でやりとりし、履歴書と健康保険証のコピー、職安による紹介状を送った。
 3カ月後の9月上旬になって、会社から連絡があった。「仙台へ行って地元業者の指示に従ってほしい」
 新幹線で仙台市に向かうと、地元業者が迎えに来た。言われるがままに区役所で住所を変え、市内のアパートに住んだ。
 被災地で破損した家屋の基礎をスコップなどで壊す仕事に就いたが、働いたのはわずか2日間。社長に「あなたはクビだ。仕事中にたばこを吸ったり、携帯電話で話したりした」と告げられた。
 会社側は賃金の支給を拒み、男性側は都内の労働基準監督署に駆け込んだ。最終的に、会社から2日分の賃金など計約2万円が支払われた。
 男性から相談された労働者支援団体によると、会社は建設会社のような名称だが、実態は人材派遣業だという。
 男性は「勤務中に喫煙していないし、携帯電話で話をしていない」と強調。「5年間被災地で頑張るという強い気持ちがあった。こんなことはやめてほしい」と語る。
 日本人の妻は社長から「地元業者が仕事をキャンセルした」と聞いたが、「解雇の正当な理由はなかったとしか思えない」と憤る。

◎労働条件の監督権なく/求人票内容トラブル、司法判断も分かれる

 求人者は通常、各地の職安で賃金や就業時間などを示す。職安が受理して登録すると、求職者は各地の職安で求人票を見ることができる。
 男性の求人票には注意事項として「採用時の賃金・労働時間などの労働条件については事業主と再度確認してください」と記されていた。
 担当者は「求人者の示した内容に間違いがないかを確認し、受理することを徹底している。求人者にうそを言われたらどうしようもない。職安はサービス機関で、強い監督権はない」と話す。
 求人票の内容に関する裁判所の判断は分かれている。
 大阪高裁は1990年、「求職者は求人票の事項が雇用契約の内容になると考える。当事者間で異なる合意など特段の事情がない限り、雇用契約の内容になると解するのが相当だ」と指摘した。
 一方、東京高裁は83年、「募集事項はあくまで採用者側からの申し込みの誘引にすぎない。求人票に記された事項がそのまま労働条件になることを保証したものではない」と解釈した。
 東北の労働者支援団体によると、ある男性は震災後、職安で日当1万5000円の仕事を見つけた。8000円しか支払われず、職安に伝えると「うちは仕事の紹介をするだけ。事業主と相談してほしい」と言われたという。
 団体の担当者は「監督行政がしっかりしていないと、職安を介した震災関連の仕事で賃金などのトラブルが多発する」と危ぶむ。
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/12/20131210t13012.htm
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当組合でも名古屋地裁で係争が続いている、「求人票と違う雇用に」http://job.chunichi.co.jp/news/detail.php?nid=2154&ts=1386690063
職安の求人票と、実際働く会社との内容があまりにも違いすぎる苦情は、かなり多いようです。
NHKの調べでは6千件あまりが全国の職安に苦情が寄せられているとの報道がありました。
名古屋中職業安定所にも、求職者からの多くの苦情が寄せられ、その度に指導を行っている、との事です。

司法判断は、裁判長によっても異なる裏事情もあいまって判断が分かれるのは当然です。
法律は国民生活において公序良俗を保つためにあるのが本来の存在目的。
なのに詐欺師の片棒を担ぐツールになっている側面もあるわけです。
法治国家にあるまじき現状がまかり通り、司法に失望する人々も多くいる。
それは何かおかしいのではないでしょうか。
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会社に「ブラック企業」があれば、恋人には「ブラック彼氏」あり

2013-12-11 | 労働ニュース
「ブラック企業」「ブラック会社」なる言葉を知ったのは、私の場合、今から5年ほど前。その後書籍化され、映画にもなった「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」という2ちゃんねるのスレッドが話題になったときだった。

 それまで「ブラック企業」というと、暴力団など裏社会の組織がやっている会社のイメージ。スレッドのタイトルから、何も知らずにその手の会社に入社してしまった若者が、指詰めの現場を見ちゃって腰が抜けたとか、そんなヤクザコメディみたいな話を期待したのだが、読んでみたらぜんぜん違った。

 今言うブラック企業とは、社会に対してブラックなんじゃなくて、主に社員に対してブラックな会社のこと。このスレッドの主(スレッドで打ち明けている人)も、サービス残業で長時間労働を強いられてぼろぼろになったり、社内いじめを受けたり。

 同じ国で働く者として、涙なしには読めないシリアスな労働者の叫びが満載で、ヤクザコメディどころじゃなかったわけで。とにかくそんな過酷な労働条件で働かされて、もらえるものももらえない、そんな会社がいつのまにか「ブラック企業」と呼ばれるようになっていた。
不景気が長引くなかで、非正規雇用やサービス残業など、労働者が直面する問題点がつぎつぎ取りざたされたのと同時に、この言葉も世間に広く認知されるようになっていった。今では、大臣が会見で普通に使ったり、「ブラック企業根絶」を掲げた共産党の吉良佳子候補が参院選で当選したり。あんまりうれしくないけど、もはや押しも押されもしない日本語に育ってしまっている。

 と、同時に、派生語も登場。まず、対義語「ホワイト企業」。言わずもがな、ブラックの反対で、働く人が「いい会社」と言えるような企業のことを言う。それから、アルバイトをこき使う「ブラックバイト」や、そのパート版「ブラックパート」なんていうのもある。これ、よく考えると「アルバイトにとってのブラック企業」であり、「パートにとってのブラック企業」であり、要はどれも「ブラック企業」を指してるんだけど、まあいいか。

 その点、こっちは正しい用法。「ブラック彼氏」「ブラック彼女」だ。ブラック企業が、離職率が高い「使い捨て企業」と言い換えられることもあるように、相手に尽くすだけ尽くさせておいて、いざとなったら簡単に相手を捨ててしまう、ろくでもない恋愛相手のことを言うらしい。また、ブラック企業にパワハラやセクハラがつきもののように、DV彼やDV彼女もブラック彼氏、ブラック彼女に分類される。
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「正社員と同額の賞与」一部認定 パート訴訟で大分地裁 同等待遇の法的根拠は認めず

2013-12-11 | 労働ニュース
正社員と同じ業務内容にもかかわらず、パート労働者であるためにボーナスや休日の割り増し賃金が低いのは違法として、大分市の男性(50)が勤務先の運送会社(東京)に、差額分の支払いや慰謝料などを求めた訴訟の判決で、大分地裁は10日、請求の一部を認め会社に約325万円の支払いを命じた。

 判決で中平健裁判官は「業務内容は正社員と同じであり、賞与や休日の割り増し分の差別に合理的な理由はない」と判断した。原告側は差別的扱いを禁じたパート労働法を根拠に、正社員と同等の待遇も求めたが、判決は「同じ待遇にするべきだとする法規定はない」として退けた。

 判決によると、男性は2006年からパート労働法の対象となる「準社員」として、大分事業所で貨物自動車の運転手として勤務した。1日あたりの労働時間は正社員より1時間短い7時間だったが、業務内容は正社員と同じだった。
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/131210/cpb1312101906001-n1.htm
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