試用期間の後に契約社員として3回も更新され、正社員になれずーー。そんな境遇を嘆く新入社員の悩みが、ネットの掲示板に投稿された。
投稿者は、正社員として応募して、半年前に中途採用で入社。上司から「最初の3ヶ月は試用期間だ」と言われ、約束の期間が経過した。しかし、実務能力が足りないことなどを理由に、契約社員の更新を繰り返されているそうだ。投稿者は「能力低いけど使えないことはないからとりあえず契約社員として置いておこうみたいな感じがするんだよ」と語っている。
入社の時点で、正社員になる合意があったのかどうかは不明だが、もし正社員として採用すると合意して入社したのにもかかわらず、実際は契約社員として扱われてしまった場合、どんな法的問題があるのだろうか。竹花元弁護士に聞いた。
●「使用者側の事情で一方的に契約社員として扱うことはできない」
「正社員として採用すると合意した時点で、『内定』にいたっていると考えられます。内定が成立した時点で労働契約が成立します。
内定は、法的には『始期付解約権留保付労働契約』と考えられています。これは、『契約の効力が発生する時期が定められていて、かつ、その時期までは契約を解約する権利を留保している』という状態です」
竹花弁護士はこのように述べる。そうした留保がついているということは、雇った側が後から契約社員として扱うことも、問題ないということだろうか。
「そうではありません。内定時に『正社員として採用する』と合意していたのであれば、正社員としての労働契約が成立しているため、使用者側の事情で一方的に契約社員として扱うことは原則としてできません」
なぜだろうか。
「正社員から契約社員への転換は法的にみると、(1)正社員としての労働契約の終了、(2)契約社員としての労働契約の締結という、2つに分析できます。
(1)を使用者の一方的意思表示で行うことは、『解雇』にあたりますが、解雇は労働契約法16条により厳しい制限が課せられています。また、内定を使用者の一方的意思表示で取り消す『内定取り消し』の場合であっても、同様に労働契約法16条が適用されます。
相談のケースでは早めに『話が違う』ということを伝えて、約束どおりに正社員として扱うように求めるべきでしょう」
●実際に争いとなった場合は?
使用者側が応じない場合、そのような話をすることが難しい場合どうすればいいのか。
正社員採用のはずが、試用期間後「契約社員」として更新3回…そんなのアリ?
投稿者は、正社員として応募して、半年前に中途採用で入社。上司から「最初の3ヶ月は試用期間だ」と言われ、約束の期間が経過した。しかし、実務能力が足りないことなどを理由に、契約社員の更新を繰り返されているそうだ。投稿者は「能力低いけど使えないことはないからとりあえず契約社員として置いておこうみたいな感じがするんだよ」と語っている。
入社の時点で、正社員になる合意があったのかどうかは不明だが、もし正社員として採用すると合意して入社したのにもかかわらず、実際は契約社員として扱われてしまった場合、どんな法的問題があるのだろうか。竹花元弁護士に聞いた。
●「使用者側の事情で一方的に契約社員として扱うことはできない」
「正社員として採用すると合意した時点で、『内定』にいたっていると考えられます。内定が成立した時点で労働契約が成立します。
内定は、法的には『始期付解約権留保付労働契約』と考えられています。これは、『契約の効力が発生する時期が定められていて、かつ、その時期までは契約を解約する権利を留保している』という状態です」
竹花弁護士はこのように述べる。そうした留保がついているということは、雇った側が後から契約社員として扱うことも、問題ないということだろうか。
「そうではありません。内定時に『正社員として採用する』と合意していたのであれば、正社員としての労働契約が成立しているため、使用者側の事情で一方的に契約社員として扱うことは原則としてできません」
なぜだろうか。
「正社員から契約社員への転換は法的にみると、(1)正社員としての労働契約の終了、(2)契約社員としての労働契約の締結という、2つに分析できます。
(1)を使用者の一方的意思表示で行うことは、『解雇』にあたりますが、解雇は労働契約法16条により厳しい制限が課せられています。また、内定を使用者の一方的意思表示で取り消す『内定取り消し』の場合であっても、同様に労働契約法16条が適用されます。
相談のケースでは早めに『話が違う』ということを伝えて、約束どおりに正社員として扱うように求めるべきでしょう」
●実際に争いとなった場合は?
使用者側が応じない場合、そのような話をすることが難しい場合どうすればいいのか。
正社員採用のはずが、試用期間後「契約社員」として更新3回…そんなのアリ?