物欲王

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Nikon Ai AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)

2006-10-08 20:11:36 | 写真/カメラ
Nikon F6を購入してから1ヶ月と経たないある日、僕は量販店のカメラ売り場にいました。

Nikon F6には200ページ近いマニュアルが付属しますが、そのほとんどはGタイプないしはDタイプのAFレンズを持っている人向けの記述になっています。もちろん伝統のFマウントですからMFレンズを取り付けて使うことが出来ますし、何とレンズ情報を登録しておきさえすればRGBマルチパターン測光までもMFレンズで活用できるようになっています。でもこれだけでは不十分なのです。せめて1本くらいAFレンズを持たないことには恐らくF6の持つ機能の半分も使ったことにはならないのではないでしょうか。フィルムカメラとしてリリースされた最後のF一桁モデルへの冒涜とも言えるかも知れません。ということで早速カメラ売り場に直行です。

いざレンズのショーケースを目の前にすると一口にAFレンズと言ってもいろいろな種類があり目移りしてしまうものです。すでに何本かのMFレンズは持っているし、これからAFレンズ一筋で行こうとも特に考えていないので、最初で最後の一本になっても良いように所謂標準ズームレンズを試してみることにしました。ただズームレンズというと画質が悪いイメージがあるので、最悪使い物にならなかった際にどこかで売却する場合も想定し、Nikon純正品の中からAF-S VR Zoom Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6G (IF) Ai AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF) AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G (IF) を候補としてピックアップしました。

いずれも魅力的なレンズで、AF-S VR Zoom Nikkor ED 24-120mm F3.5-5.6G (IF) は3本の中でも一番新しいレンズであり、VR機能搭載により暗い場所でも安心してシャッターが切れそうです。Ai AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)は多少古いレンズではあるものの、AFレンズでありながら絞りリングもついているAiレンズなのでこれまで使ってきたMFレンズに近い操作性が期待できそうです。しかも単焦点レンズにはかなわないものの全域でF2.8~4という比較的明るい開放値を持っているのが魅力的です。AF-S Zoom Nikkor 24-85mm F3.5-4.5G (IF)はというと、前掲の2本に比べると比較的安価な価格設定でありながら超音波モータとEDレンズを採用しており、NikonのWebページに掲載されているMTF曲線を見るに、価格が上のAi AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)よりも綺麗に写るのではという期待すらさせてくれます。しかも僕が候補にあげた3本のレンズの中では一番軽く、ただでさえ重いF6に取り付けることを考えると最適であるかにも思えてきました。

店頭で悶々とすること数十分。結局僕がレジに持っていったのはAi AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)でした。一瞬他の2本に心が傾いたのは事実ですが、絞りリングがないのが致命的でしたね。やはりMFレンズに近い操作性で、ズームレンズでありながら一番開放値の優れたAi AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)こそ僕にはお似合いです。

フィルム何本分かの写真を撮ってみましたが、思っていた程ズームレンズの画質は悪くありませんでした。流石に単焦点レンズに比べると背景が雑に写っているような気がしますが、僕のように単なる気分転換目的で1枚としてまともな写真が撮れない素人にとっては十分な写りです。たった1本のレンズで24mmから85mmまでの画角がカバーされるので5本程度の単焦点レンズを持ち歩くことを考えれば多少レンズが重いことも苦になりません。

しかし唯一後悔していることもあります。Ai AF Nikkor 24-85mm F2.8-4D (IF)に限った話ではありませんが、F6はAiレンズ以外では絞りリングを使って撮影時の絞りを決めることが出来ないのです。(要はボディー側でのみ設定可能だということ) これって仕様上の欠陥じゃないですかNikonさん! わざわざ絞りリングのついたDタイプのAFレンズを買ってしまった僕は何なの?

# 決して悪いレンズじゃないので絞りリングにこだわらなければ良いだけの話ではありますが>自分。

貧乏なくせに1ヶ月で40万円近くカメラに投資してしまった僕は、F6でAFレンズの絞りリングは使えなかったという悲しみを家人に打ち明けることも出来ず、その気持ちを一人心の奥底にしまっておくことにしました。


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