幸運なことにLUMIX S9を借りることができたので、同機のいろいろな機能を試しつつ、半年くらい前から愛用しているG100Dと比べてみることにしました。
まず、試してみた機能はハイブリッドズーム機能です。手短に言うと、クロップズームがカメラレンズのズームリングと物理的に連動する機能で、望遠ズームレンズをズーミングすると、その操作と連動して実焦点距離の最大3倍強の焦点距離まで電子ズームが掛かります。
例えば噴水の前に立ち、LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6をS9につけた状態で20mmの画角で撮った写真(20mm、2,400万画素)が、このような風景だとして、この立ち位置からハイブリッドズームを掛けていきます。
(24mm、1,200万画素)
(28mm、1,200万画素)
(35mm、1,200万画素)
(51mm、600万画素)
(85mm、200万画素)
(105mm、200万画素)
(135mm、200万画素)
(187mm、200万画素)
画像サイズの縮小を最小まで許可する設定にすれば、物理焦点距離の3倍以上までズームすることが可能です。なお、画質を優先でハイブリッドズームを物理焦点距離の1.4倍程度に抑える設定も可能です。200万画素強の画質でも、Webに掲載するレベルであれば十分使い道はあると思うので、こういう機能は楽しいし、便利ですね。
次にLUMIX S9とG100Dの画質を、いわゆる「JPEG撮って出し」比べてみました。
こちらがG100Dで撮影した建物の一部。
こちらが同じ場所でS9の通常撮影で撮った画像です。上掲の画像はいずれも写真の一部切り取りなので、なかなか確認頂くことが難しいかも知れませんが、流石にS9の方は屋上のフェンスの「網」や、手前にある樹木の葉を良き精緻に表現してくれています。
さらにこちらはS9の手持ちハイレゾモード(9,600万画素)で撮影した画像です。流石に1億画素に迫る画像のため、フェンス最上段の網まで綺麗に見て取れます。
もう少し拡大してみると、
(G100D、通常撮影)
(S9、通常撮影)
(S9、手持ちハイレゾモード)
RAWが12ビット出力であることからS9に対して否定的な人をYoutube等で時折見掛けますが、(上掲の画像では分かりづらいと思いますが)S9はG100Dよりも解像感があり、JPEGでもかなり個性が出ると感じました。
G100Dではスマホとの連携にLUMIX Syncというアプリを使いますが、S9はLUMIX Labという別のアプリを使います。LUMIX Syncと比べるとストレスなく使えました。
LUMIX S9に欠点があるとしたら、やはりそのサイズでしょうね。フルフレームのカメラとしてはかなり小さいのですが、いかんせんフルフレーム用のレンズは大きく、同じくらいの画角が取れるキットレンズを装着した状態で、G100Dと比べると上の画像くらいサイズ差が出てしまいます。G100Dユーザの僕からすると、S9はあまりに重かったので、右側にストラップをつけてS9本体を手で持つことを途中から諦め、S9のボディの左側にストラップをつけて、左手でレンズの鏡筒部分を持ちながら持ち歩くようにしていたくらいです。(以外にレンズを掴んで「ペットボトルを持ち運ぶ感覚」で持つと扱いやすい)
画質も良く、新機能満載で楽しく写真が撮れるS9ですが、気軽にスナップショットを撮るカメラとしてはG100Dに分があるかも知れません。(そもそも画質重視なら素直にS5IIに行ってしまった方が良い気もしますし...)
写真を撮る楽しさを優先するのか、写真を撮る快適さを優先するのかで選択肢は変わってきましょう。
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