米国に行くにはこれが一番安い方法でした。

客船でなく貨客船で荷を積んだり、アジアの移民する方々と一緒の船です。
もちろん、一等船室などは豪華で裕福な方々の場になっており、二等船室利用の方は入れませんでした。
でも、食事はフルコースありテーブルの前にはたくさんのグラスやフォークやナイフが並んでいました。
この船は「プレジデント クリーブランド号」で、私はエンジンルーム近くの二等船室の一番安い大部屋で二段ベットです。共同のシャワー室です。寄港地はハワイです。
それなりに、船旅も楽しめました。
サンフランシスコについて、その日から宛の無い旅がスタートしました。
3か月かけて北米一周のバスの旅です。今、同じことをやれと大金を積まれても断ります!若いさゆえ出来た旅だったのでしょう。オークランドと言う街で、アパートを借りて学校とバイトもしていました。延べ1年ちょっとです。
休学して行ったので、とりあえず卒業するために帰国しましたが、再び戻ることはありませんでした。
さて、何故ダンスを始めようかと思ったかです。女房が地域の付き合いでダンスを始めていました。
男性が少ないので、スキューバダイビングを辞めて陸に上がってダンスやらない?と誘われたからです。

ちょうど50歳前のことです。退職したら客船に乗りダンスが出来たら格好いいだろうなぁ~と思っていました。

*客船と船内はネットより拝借しています。
するとダンスを一応に踊れるには10年かかるよ。とある方に言われました。
それなら、今から始めなければと市のダンス連盟がに所属するあるサークルに顔を出して見たのです。
たまたま入会したサークルが競技志向でした。


入会して3カ月目に、5級戦に出場しないかとのことでした。
当時は決まったステップだけで、見よう見まねで踊っていたのです。
たまたま、初めて出場した試合で3位だったのです。ダンスを知らない私が無謀な出場としか言えません。
ランクは6・5・4・3・2・1・D・C・B・A・SA級になっています。
その他にも年齢別などもあります。
コロナ禍前まではB級まで行きました。

当時、私も知らなかったのですが、ダンスには競技ダンスと社交ダンスがあります。
競技ダンスとはダンスを単に踊りを楽しむだけでなく華麗に美を競うスポーツです。
競う、ということがとても重要になり、その辺がパーティーなどの社交ダンスとは大きく異なります。
大きな違いは、「スポーツ」であり、「競技」であると言うことです。
今では総じて社交ダンスと言われ、生涯スポーツとして親しまれています。
私のランクではダンスの正式種目にはスタンダード(燕尾服)が4種目とラテン4種目の計8種目なります。
上級者ですともう一つずつ増えて、クイックステップとジャイブがそれぞれに加わり10ダンスになります。
また、市のサークルの多くはみなさんにダンスを楽しんでいただくために、複数のカップルによるフォーメーション種目があります。

何故か、ある新聞にパチリされました。「加齢(華麗)に踊る参加者たち」とあります。
パソコンは良く使う字を覚えていますね。最初に加齢が出てきてしまいます。
ここからが、ダンスの世界に入り込んでいくのです。


以前はダンス愛好者も多く、一つのランクで100組を超えることもありました。
したがって、一つの競技会で800~1000組くらい集まることもありました。


5人か7人のジャッジが背番号を見て上手な方にチェックを入れます。
その合計点で、次に進めるかどうかになります。
一次予選・二次予選・三次予選・(四次予選)・準決勝・決勝と駒を進めるシクミです。

ある会場の控室です。空いているような場所も無いくらいで、隙間に陣取っては着替えます。

この会場のジャッジはみなさんプロです。


こんな大勢の中で決勝まで行けるのは、大体10分の1も無いのでしょう。
ある大会のシニアⅣB級スタンダードです。

準決勝でしたが背番号は228番で、9点入ってUPしました。*UPとは次の駒に進めると言う意味です。

228番で決勝戦で戦うことになりました。
結果は・・・。下位からコールされます。おそらく5位くらいだと思っていました。
3位になってもコールされません。もしかしたら2位?と思いました。

コールは一番最後で、この時はたまたま優勝できたのです。たまたまです。

やはり、何でもどんなランクでも優勝は一組だけですので、うれしいものです。
さて、試合会場での話と勝つための秘訣です。
先ずは自分が何の種目で何時ころからスタートするかをしっかりと把握して置く必要があります。

場所によっては、2面を使ったりでどちらの面で踊るかの確認も必要です。
例えば何級戦の3次予選とか掲示されたりコールされます。
自分の思いで、アぁ~負けた!と考えずに、必ず結果表を見ることです。もしかしたらUPしているかも知れません。
コールされてもその時、フロアーに出れないと失格になります。よくある出来事です。

次に文字通り競技ですので、勝つためにはいろいろなことを考えてフロアーに出ます。
フロアーの大きさによって、踊る組数が異なりますが12組~14組くらいが踊って競い合うのです。
競技ダンスを審査するに当たって、その基準となるものに以下の3つが主として挙げられます。
ポスチャー(ポイズ)…リーダー(男性)とパートナー(女性)が組んだ時のシルエットや床にまっすぐ立つ事など踊り手の格好を見るものです。
リズム…いかにその曲のリズムにのって踊っているかという事が重要です。
ムーブメント…その種目らしさをどれ程その動きに表現出来ているかという事です。

そんなことは百も承知ですが、それがフロアーに立つと出来ないのが実情です。
激しく動き回っている時に、ぶつかりそうになる時は自然な形で避けなければなりません。
ぶつかったりすれば、ジャッジは他の競技者に目を向けてしまいます。何しろジャッジが見てくれてチェックを入れてくれなければ話になりません。


それには勝つための心構えや秘訣?も必要です。
凄く上手であれば、踊れば自然に目が行きチェックが入るのでしょう。
しかし、私たちぐらいですと、出番やその前にジャッジがどこにいるのか?を確認します。
ジャッジはほとんどの方が、最初は大勢が踊り出すところを見ています。しかし、ぶつかる可能性は大です。
ジャッジは集団の中から比較して、上手な方をチェックすれば簡単です。
また、左から右へ顔を向けるジャッジも多いのです。
それには、どこからスタートすればジャッジの目線に入るかなども考えます。
背の高い方(容姿端麗なカップル)や若い方、前回点数の良かった方のそばでは踊らないようにしています。
比較論ですから二つ並んでいれば良い方に点が入ります。

*始めたころの画像でした。
決勝戦(決勝戦でなくても)になると、みなさん上手に踊っていますが、普通に上手な踊りだけではチェックは入りません。
やはり、その中でも目立つ踊りでないと(笑顔やスピードもです)。曲によってですが、苦しくても笑顔で踊っていたら、そんなに苦しいなら早く落としてやろう?と思われるも知れません。
ある意味では駆け引きとメンタルなスポーツなのでしょう。


それにはプロのレッスンも必要になるのでしょう。
正確に、しっかりとした踊りを教えてくれるはずです。
予習より復習が大事だと思います。(私はサボり癖が身についています)


いろいろと勝つための能書きを言っていますが、現実はそんなに甘いもではありませんね。
トロフィーなどを持って帰れる方は極一部です。(ほとんどが下向き加減で荷物を片付けます)
だから、この歳になっても勝負の世界は面白いのでしょう。



振り返れば、ダンス習い始めた頃が懐かしくも思えます。
いまや、爺さんと婆さんカップルの健康のための生涯スポーツとしてのダンスになってきました。
最後はいつもご紹介している好きな画像です。優勝した時のものでした。
明日も、市のダンス連盟のパーティーがありますので、写真係と踊ってきます。
来週の日曜日には本式の試合に4年ぶりに行って来ます。
Hiro