母屋や自宅の庭木は長い付き合いのある造園業社にお願いしていました。今年になって松などが扱える庭師もいなく(少なく)なり、ちょっと無理とのことで出来ないとの連絡が入りました。今の時代ですので、いわゆる庭師が高齢化などで少なくなったのでしょう。
手入れを予定していた木々もぼさ木(枝も伸び放題)になってしまいました。五葉松や桜のソメイヨシノも母が寝室から見える位置に植えましたが、その母も施設でお世話になっています。
この実家の庭は私がデザインしたもので、松の向きや空池(水が無い池)、石灯篭などの置く位置(方向)も考えたものです。
玄関先の一坪庭や他の庭とは異なって準和風の庭です。石灯篭の向きも丸い穴が空いているのは東太陽を表し、三ケ月の穴は月なので西に向けています。これは昔、方位を示す道標としての意味もありました。
知り合いを何軒かあたりましたが、やはり松などを扱える庭師は少ないようです。今の造園業の多くは役所などから依頼される街路樹の手入れが精一杯なのでしょう。またその方が儲かる?のかも知れません。
最終的に、元職場仲間の石さんが経営する(株)大沢ガーデンに依頼しました。心良く引き受けてくれましたが、だいぶ仕事も詰まっていて先になるようです。
しかし、依頼してすぐに息子さんである専務さん(株式会社)が来て、庭木の手入れする本数を計算して、その場で見積もり金額を提示してくれました。今の会社組織のやり方なのでしょう。
天候や仕事量で予定より遅れましたが、先日から入っていただきました。みなさん職人と言うより社員としての立場で、それなりに造園学を勉強いる方々です。初日は5名の社員が来られました。3日間の作業です。手順などを親方(専務)が指示しています。
今までは、年に2回ほど入れていましたが、最近はこの時期1回にしました。なかなかこれだけの庭仕事は少ないかと思います。
そう、道志では庭師は少ないかも知れません。山師が杉や檜の枝払いをしたり、チェンソーなどで伐採するのが中心なのでしょう。庭師は主として剪定ばさみや刈込ばさみです。
一番は五葉松の剪定がどこまで出来るかです。さらに桜(ソメイヨシノ)、実の付けない柿木などもかなり伸びています。
長男の専務さん先頭に剪定に入り込みました。私(こちら)もそれなりに庭師に対する扱い方や腕見るのも理解しているつもりです。
しかし、今の時代、会社組織ですと週休二日制で、上から目線での指導は難しいようです。親方がオイこらとは教えられない大変さもあるのでしょう。以前の造園屋さんは裸一貫で立ち上げましたので、職人には厳しく怒鳴りまくっていました。(これも安全を確認するためや職人魂をを教え込んでいたのでしょう)
松も風通しの良いように形や剪定ができてきました。周りの庭木の刈込をどこまでするかなど指示したり社員の意見も伺います。
玄関先にも門かぶりの高木となった松があります。この剪定は大変かと思います。
作業内容も山師は山の仕事で、庭師とは異なります。
はじめてこの造園屋さんに依頼するので、どこまでできるのかもありました。
一末の不安もありましたが上出来です。しいて言えば誰が親方(責任者)となって全体をいかに見るか(把握するか)です。
私はいろいろと経験があって、どんな仕事でもやはり責任者は全体を把握して仕事を進めるよう教育や指導などを全国を回って行ってきました。企業でお手伝いしている時は300以上の事業所の所長クラスを本社に集め、客先の考え方や安全管理、責任者としての心構えや考え方などをお話ししたこともあります。全国へ出張して、各事業所・営業所・支店などでも、そのような目線で注意・指導してきた立場でした。
特に、技術はもちろんですが、安全管理は第一優先としていました。この日も一日目の仕事を終えて、社員は現場から離れて(帰社)されました。
安全管理は山師も同様だと思います。間違えれば重大な事故にも発展するのでしょう。
ハシゴや片づけ状況を見て一言注意する必要があるなと思いました。
このことをブログにアップするかは躊躇しました。しかし、すべて良いだけでは私のブログになりません。
仕事は上手で良かった!とすれば会社も喜んでくれたかと思いますが、あえて社員(会社)のために注意したいと思い、友人の社長である石さんに電話しました。
無造作にハシゴが置かれています。場所はここでも良いですかと女房に断ったとのことですが、この置き方だと安全ではありません。社員は安心だと思ったのでしょう。この時代、いつ何が発生するか分かりません。例えば地震などもです。
私は庭の砂地に、ハシゴを置いてそれぞれをヒモでまとめて倒れないようにしたのです。もし地震が発生してもここなら安全に通行も出来るのでしょう。
小さな石灯篭の頭石も落ちています。残念ながら仕事が終わった時の片付けや掃き掃除もしていませんでした。酷な言い方ですが、他の仕事でこのような状況だと、次は頼まれないかも知れません。私が経験した仕事は数千万円から数億円の改修工事などがほとんどでした。数十億円の建設工事ももちろんです。たかが10万円の仕事でも同様だと思います。
仕事はいつでも安全第一であって、安心だけで終わってはならないものです。安全でないのに安心と思うことが一番危険であり、会社の存亡にも関わります。心を鬼にしてご注意申し上げました。
これらも誰かが言わないと社員の方は気づかないのかも知れません。
次の日に現場の責任者(専務さん)が来て、深く頭を下げていましたが、余程友人の石さん(社長)が社員に強く注意されたのでしょう。逆に言い過ぎたかと申し訳なく思いました。スミマセン専務!
その後仕事も順調に進み、昨日の夕刻には終えました。松も丁寧に剪定されています。
剪定や刈込みも満足しています。技術のある集団(社員たち)と感じました。
庭も玄関も完璧にスッキリしました。
庭も箒の掃く目が付いて、仕事が終えたことが分かります。専務さんが丁重にご挨拶されて帰社されました。
まぁ~、いろいろと技術以外の経験も必要なのでしょう。良くやってくれました。この満足げな職人(社員)の笑顔で分かります。このような準和風庭も少なくなったかと思いますが、社員研修の場としてもご利用ください。
うるさい依頼人でしたが、他の目線でご注意・ご意見申し上げましたが、何かの参考になって頂ければ幸いに思っています。安全と安心は異なるものです。
次回も庭の剪定などよろしくお願いいたします!
明日は久しぶりに道志に入る予定です。ブルーベリーの剪定や土留め壁の改修が待っています。ただの別荘管理です。
Hiro