うぃるの最期、カイヌシは安楽死を選びました。
だから うぃるを送り出したのは、病院でした。
そのお話は「うぃる、最期の日までの事*last*」に記しています。
うぃるに「死」を悟られたくないからこそ、
それまでの日常を、通院風景を演出する為に、
カイヌシは うぃると2人だけで病院へ向かいました。
コギ父は、せがるんと…お留守番です。
この不思議な体験はこんな背景がベースです。
コギ父はリビングでTVを点けながら、
待っていたといいます。
*
亡骸に変わった…うぃる箱を抱え、
帰宅直後…コギ父が開口一番に言います。
「何時頃、旅立ったのか」…と。
え…。…と思いつつ。
正直、悟られない様に送り出す事に、
S先生もカイヌシも必死で…
「何時何分ご臨終です。」
みたいな余裕はなかった…し、
穏やかな最期の事で頭がいっぱいだった…。
(というか、すっかり忘れていた…)←おい!
え…と、
エンゼルケアをして頂いて、お会計して…
車取りに行って、乗せて…だから…(頭の中で逆算)
戻ってきたのが、あぁ、この時間かぁ。
「40分前くらいじゃないかなぁ。」
「じゃぁ…間違いないや。」
コギ父、いつになく難しい顔をしている…。
リビングで、テレビの音に紛れて…
チーン、チーンチン!
かすかな、おりんの音に似た音が響いたのだそうだ。
※おりん←仏具にある、鳴らす器。
正確には、グラスを棒で叩いたような音にも似ていたそうだ。
初めは、TVの音かと確認したが…違う。
その後も、チーン…チーン…と、何度か。
何かが当たって鳴っているのかとも疑ったが、
この家に仏壇はないので、おりんも無い。
音の出るようなものもない。
季節的に、風鈴の線も疑ったが、
ずっと、闘病で籠って暮らしていて、
ここで風鈴の音すら聞いた事はなかった。
方角的には、うぃるの大好きだった窓の方から。
コギ父は、少し霊感がある…らしい。
過去、数々メッセージ的な不思議体験をしている男。
(カイヌシはその系の能力は持ち合わせていない)
「やっぱり、うぃるだったんだろうか…」
…と、二人でその時は、話していたのでした。
*
急でしたが、うぃるは当日の夕方、
荼毘に付して頂きました。
訪問して焼いてくれる業者さんを今回も利用していて、
車が到着する30分前に連絡がくる形です。
電話を受けて、お花を切りそろえ…
準備も万端、「そろそろ出発だよ。」…と、
うぃるの亡骸に語り掛けたその時でした。
チーン… チン…チーン!
丁度、私の背後(うぃるの好きだった窓)辺りから聞こえます。
ちなみに、その窓の横には、
ななみや、もりしや、うっちーのお骨を置いている棚があります。
この時、コギ父はトイレに居たので、
走って行って…「この音」と確認すると…
また、チーン…チンチーン!!!…と、
今度は少し力強く…!
2人で顔を見合わせたのでした。
高く澄んだ、綺麗な凛としたその音は、
何だかとても うぃるらしくて。
うぃるを音で表現したら、きっとこんな音…
そんな、印象的な音色でした。
ここで9年間…暮らしてきて、
後にも先にも、この音を聞いた事はありません。
うぃるが「じゃね」
…と伝えたかったのだと、2人で思う事にしたのでした。
そう。
「西の魔女が死んだ」作品的に表現するならば、
ウィルノ タマシイ ダッシュツ セイコウ
そんなところだったのかも…と!
皆で、毛まみれで、
ぎゅうぎゅうで暮らした時間を忘れないよ。
これからも…ずっとね。
うぃる、愛しい時間をありがとね
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