以前「団地さん」という本を紹介した時にも書きましたが、何故か私は60年代の団地に惹かれます。京都市内という古い街で育ったこともあって、近所に団地もなく、子供の頃、実際に団地に住んだこともなければ、「友達の家としての団地」にも触れたことさえありません。なのに何故かとても懐かしさを感じてしまう…そんな不思議な存在が私にとっての団地です。
その郷愁の気持ちを決定づけたのは、20数年前に観た「団地への招待」という啓蒙映画であることも以前書いた通り。以来、いろんな書籍や映像等で懐かしい団地の探求をしている私ですが、先日京都に帰って恵文社に寄った時に、またまた素敵な団地の本を見つけてしまいました。
この本には「団地の子どもたち」というタイトル通り、当時とにかく近代的だった団地の建物を背景に、生き生きと遊び回る子供達の様子が、いかにも懐かしい彩りのカラー写真とモノクロ写真でたっぷりと掲載されています。写真のあちこちで素敵な表情を見せている子供達は、まさに我々と同年代の子供達。昭和40年代という独特の空気を、どの写真からも濃厚に感じることが出来る、我々世代にはたまらない内容です。
実際に団地に住んだことがない私でさえ、これだけ懐かしい気持ちになれるんだから、当時、団地で暮らしていた人が見たら、もっと素敵な気持ちになれるんでしょうね。懐かしいもの好き、昭和好きにはまさにハズせない一冊です。