以前にもこのブログで書いた通り、邦楽の楽しみ方は何と言ってもその「詞」にあります。コード進行やそのアレンジ、曲の持つ雰囲気から引き込まれる洋楽やジャズと違い、音と詞がダイレクトに身体にしみ込んで感じられるのは、日本人に生まれた以上、邦楽だけですから…ね。
メロディとその詞の内容が優しく調和しているアーティストの音楽はホントに素晴しく、まさに心に届く音楽…という言葉がぴったり。30年以上にわたって日常を常に音楽と共に過ごしてきた私にとって、そんなアーティストとの出会いは沢山ありましたが、「優しさ」という点では、空気公団がやっぱり一番かな…。
妻との共通意見として、映画でいえば「珈琲時光」の雰囲気と同じ空気感を醸し出しているバンドが空気公団。9年前のアルバム「融」に収録された「夕暮れ電車に飛び乗れ」という曲の詞の内容は、「思い出の中の愛しい人を想いつつも、新たな道を歩き出す自分」を唄った、ホントに優しい歌なんだけど、私にとってはその思い出の人が、ちょうど「ねこた」に重ねて感じられて、より一層この曲の深い部分を心に感じる詞となっています。サビの部分の「君は景色の中に残っているみたい」という部分は、ねこたがお星様になって2年以上が経過した今でも、日常の中でよく感じる感覚で、ウチ中のいたるところで景色とあわせてねこたの面影を見ている私にとって、強く共感出来る詞だといえます。
歌の中の主人公は、新たな道を歩むために「次の駅で降りてみようか」と締めくくっていますが、私の場合は「ねこた電車」に乗りながら、「シフォンマロン電車」にもまたがって乗っている…という感じでしょうか。(笑)
ちなみに今日はお昼からほんの1時間程、長男の合唱コンクールを観に、市民ホールに出かけてきました。以前ブログで「もう中学生になったので、長男の中学の行事には参加しない」と書いていましたが、今日は私が行かないと妻も行けない(クルマの免許がないので)ので特別。(笑)中学生の合唱の課題曲の詞ってのも、じっくり聞いているとステキな内容なんですよね。やっぱり日本語ってホントに素晴しい。
今日の写真は、5年前のオフィスの打ち合わせテーブルの下。このブログをスタートした頃に写した写真です。今でも変わらずテーブルと椅子は同じ場所にありますが、そこにねこたの姿はありません。