私がフリーのイラストレーターとして活動を始めたのは1991年。そしてMacを使ってイラストを描き始めて、今のタッチに落ち着いたのが、それから5年後の1996年頃でした。
つまり当然のように最初の5年間は、すべてイラストは手描き原稿で、納品もクルマで届けられる範囲…ということで、活動の中心はほぼ京都オンリー。現在のように100%データで制作するスタイルが定着し、取引先も90%以上が東京、納品もメールでさらりと…という状況からすると、信じられないような懐かしくアナログな環境です。
完全なる駆け出しの若手だった最初の手描き時代には、今のようにタッチも定着していなくて、いろんな画材を使って、いろんな絵を描いていましたが、一番手に馴染んで使いやすかったのが、以前に紹介したロットリングのペンと、COPICのマーカーでした。
このCOPICのマーカーは、Macでの今のタッチがすっかり定着した後にも、それ以前からずっと続いていた雑誌の連載のためにだけ、毎月一度使用していた…という想い出の品。この連載は10年近く続いていましたが、その間あまり買い替えることなく、インクがもった…という優れものでもありました。
さすがに今では「手描きのオファー」は受けていないため、活躍の場がなかったのですが、最近次男がよく勝手に持ち出して、自作のイラストの着色に使用しております。(笑)この歳からプロ用のマーカーを使いこなすとはなかなかのモノです。