とんかつ大将 SYK119S [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
松竹映画 コアラブックス |
1952年公開の川島雄三監督・佐野周二主演の人情ドラマ。
ストーリーは、アマゾンの解説をちょっと拝借して・・・
長屋住まいの青年医師、荒木勇作(佐野周二)は、「とんかつ大将」と呼ばれ長屋の住民たちに親しまれていた。
ある日、同じ長屋に住む老人が車にぶつけられ、その車の主・真弓(津島恵子)が金で解決しようとするのを勇作がやりこめる。
その夜、飲み屋「一直」の女主人・菊江(角梨枝子)の弟・周二が喧嘩でケガをして病院にかつぎ込まれると、そこの院長の真弓だった。
慣れない手術にてこずる真弓にかわって勇作が手術を成功させる。この件をきっかけに、真弓と菊江は勇作に惹かれていく・・・。
いや~、脚本が良くて、どんどん引き込まれていきました。
戦後というのが、お話の背景に色濃くあります。
また、デパートのおもちゃ売り場の様子や、居酒屋の様子、街の様子なども当時のことが
よくわかって勉強になります。
お金持ちの御嬢さんと居酒屋の女将さんが、喧嘩する場面があるんですけど、言葉遣い
とか物腰が美しいんですね。ケンカして凄んでいるのに、優雅なんです。
昔、つまり、60年前くらいの日本人と今の日本人は全くの別人種です。
女優さんだからということもちょっとあるかもしれませんが、それにしても、
映画では庶民の様子とかけ離れているはずはないですから、
庶民もちゃんと恥を知っていたということを示すものですね。
それでも、これは、いわゆる「てよだわ言葉」です。
明治時代以降に定着した、一般的な女性語です。これも明治期には
文化人に、はしたない言葉だと攻撃された言葉です。
でも、僕にはこのてよだわ言葉の喧嘩がとても優雅に聞こえました。
芥川龍之介とか尾崎紅葉が、現代人が話すのを聴いたらきっと卒倒するでしょうねえ。