羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

時代の変化

2007年07月06日 15時31分10秒 | Weblog
 前期・後期ともに、授業は13回あって、最後の日はテストに当てている。
 昨日は、学生からの希望もあって「呼吸」を取り上げた。
 一回聞いただけでは、頭に入らないが、それでも臆せず取り上げることにしている。
 野口三千三先生は、藝大では70名くらいの人数で授業をなさっておられたという。
 その人数では、「呼吸」について講義し実技を行うには無理がある、ということで途中から取り上げることをお止めになったらしい。
 幸いなことに私が担当しているクラスは24名限定なので、一人一人の目を見ながら授業ができる。

 今回は、呼吸法のうち「腹式呼吸」と「胸式呼吸」を仰向けになりながら、順番をかえて次々順々にまわすやり方をはじめて学生にも試してもらった。
 腹式呼吸に関しては、上手に出来ている学生がほとんどだったからそこまで発展させることが出来た。

 難しいといいながらも、いい線まで出来ている学生が多かった。
 ここでいえることは、世の中の流れが、たとえば「スローライフ」だとか「ロハス」だとか、新しい生き方の価値観が定着しようだ。とりわけこの授業を受けてみようと希望する学生は、こうした言葉を聞いたことがあり、関心をもっている学生も混じっている。

 今日の朝日新聞朝刊に「脱出する英国人」と題して、本国での「生活の質」に満足できないア人々が海外に移住する話が載っていた。人口6千万、移住が550万人という見出しまでついている。
 競争社会に嫌気がさした人々が、ゆとりある「スローライフ」を求めて流出するらしい。第二の人生を踏み出す退職者だけでなく中間層の人々も含まれているそうだ。
 移住先は、オーストラリアがダントツ。続いてスペイン・フランス・ニュージーランド・米国・カナダ・オランダ、さすがにアラブ首長国連邦やドイツ・南アフリカと続くと、大英帝国が七つの海に出て行った歴史を思い出す。出て行く理由がかつての大英帝国を築く時代とは異なってはいるのだろうけど。

 日本でも田舎暮らしが一つの流行り現象になっているようだが、もともとその土地に住んでいる方々と軋轢が生じて、歓迎できないという話も聞いたことがある。移住する人によってさまざまだろうから、このことだけで一概に判断するのは危険だ。しかし、予想はたつ。

 どのような暮らしをするのか。どのような価値観をもつのか。選択肢が増えた分だけ新たな難しい問題を引き起こすこともありえる。 
 生きるということは、本来ダイナミックなことなのだ、などと高みの見物のような発言をするとお叱りを受けそうだ。

 話を戻そう。
 授業が終わるころになると、からだも柔らかくなって、気持ちよさを知り、ただゆらゆら揺するだけでなく、ハードな動きもあることを経験して、通年でやりたいという気持ちを持ってくれる。せっかくわかりかけたのに終わってしまうなんて、というわけだ。
 野口体操の扉の前に立っただけでもいいではありませんか。
 
 しかし、時代が変わった。
 時代につれて、若者も変わっていく。
 年寄りだって、昔とは違う!

 まだまだ老後を考えるわけにはいかない自分は幸せなのだろうか?
 でも、55歳を過ぎたら遺書をしたためなさい、と言う人もいる。
 これもまだまだだ。
 
 話がずいぶん遠くに行ってしまった。
 ゴメンナサイ
 
コメント
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