羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

おおつごもりに……懐

2007年12月31日 19時19分53秒 | Weblog
 2007年もいよいよ5時間を切った。
 一年間、いろいろなことがあったのだが、結構忘れていることの方が多い。
 無事に一年過ごすことが出来て、ありがたいと思う歳になった。

 さて、昨日のうちに料理は済ませてあった。
 今日は、朝から夕方まで掃除に明け暮れた。
 最後の仕上げに、自室のカレンダーをかけなおそうと、佐治さんから早々にいただいてあった「白川静 漢字暦」を取り出した。
 まず、今年の分をはずし、来年のカレンダーを開いた。
 1月の前に写真が大きく載っている。
 いただいた時にも目を通したはずだった。しかし、押し迫ったこの時期に再読したからだろうか。読むうちに、文字が滲む。
 七十年連れ添った奥様のご臨終に際して、白川さんが記された歌日記から抜粋された歌に胸が締め付けられてしまった。
 ここに、いくつかを書かせていただきたい。

  五十年を君は旅することもなし
        我れ留守居せん遊べ遊べ遊べ

  立ち去らば千代に別るる心地して
        この室中(へやぬち)を出でがてにすも

  一坪の小さき墓なり
        相寄りて居るによろしと共にえらびし

  意識絶えて今はの言(こと)は聞かざりし
        また逢はむ日に懇ろに言へ

 ひたすらに学問する夫を支えた妻。留守居に明け暮れたその思いはいかばかりか。家にいても心はいつも文字学の徒として書斎にこもる夫。
 日々、淡々と流れる。
 
 本日、したたる涙をぬぐうこともせず、新しいカレンダーを長押(なげし)にかけた。

 なにはともあれ ゆく年 くる年 よき新年を!
コメント
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