「明日があるさ」という歌を聴いた時、僕は「吉本興業の強さ」を痛感した。当時、大崎洋社長が芸人6000人を率いる「ある種、大阪でしかあり得ない芸能事務所・吉本興業」。その特徴は、「板」、つまり「なんばグランド花月」を始めとする劇場を持っている事。テレビやラジオの仕事のとは別に「劇場のマイクの前」に立ち続けている芸人達には「連帯感」が自然と生まれる。吉本新喜劇の大ベテランで、伝説の漫才師・横山エンタツの息子・花紀京から、今の吉本興業の代表的な「漫才師」である「ダウンタウン」まで、「明日があるさ」という歌を一緒に歌える事は、そこにとても大切な「関係性」があるのである。これは、もう普通の芸能事務所では勝てない。漫才コンビの「霜降り明星」せいやがABC朝日放送テレビの「探偵!ナイトスクープ」の新探偵に決まった。彼に課された最初の依頼。「人間は『逆立ち』しても、ウンコができるか?」である。朝日放送の会議室には、青いビニールシートが敷かれ、たくさんの食べ物と飲み物が用意されている。依頼者とせいやと番組構成作家が5人くらい並んで、食べ続け、飲み続ける。ウンコが出そうになったら、「逆立ち」をし、トライ。重力に逆立っての「ウンコを出す作業」はなかなか成功しない。観ているこっちまで、緊張し、興奮してくる。やがて、やがて、せいやが強い便意を催す。「これ、いけるかもしれん!」勢い良く、壁に向かって「逆立ち」をするせいや。全裸のせいやの「ケツの穴」から、ウンコが顔を出す。そして、勢い良く、大量のウンコが青いビニールシートに飛び散る。その場にいた依頼者も構成作家も撮影しているスタッフも拍手。その興奮は最高まで高まる。僕たち夫婦もテレビ画面に向かって、拍手をする。腹を抱えて笑う。嫁と笑い転げる。関西人に生まれて来て良かったなぁーと、チョー実感する瞬間だ。関東地区で、テレビ朝日は「探偵!ナイトスクープ」を放送していない。放送しているのは、「テレビ神奈川」。偉い!関東で大々的に放送したら、クレームの嵐で、番組の存続にも関わるだろう。全員とは言わないが、「ネット民」の多くが、拒否感を示し、番組をバッシングするかも。関西人にとっては、「ほっといてくれ!」という気持ちである。僕らの密かな楽しみなんだと。誰でもウンコするやろと。コンプライアンスの問題では無い。「人間の五感」を大切にする事が今の日本にとって、必要な事なんじゃ無いかな。
奈良の山奥出身で、女優の尾野真千子は沖縄に魅せられて、今、仕事以外の時は「沖縄・今帰仁村」で、居酒屋を夫と共に経営している。
「昭和居酒屋 北山食堂」である。午後5時になると、沖縄の人々は仕事を止め、みんなで飲み始める。
飲む為に、働いている。その感覚が尾野真千子はたまらなく好きだと言う。
「人として生きている実感」を感じる事。忘れてはいけない。
そして、関西人が大好きな「いちびり」の精神が必要。間違い無く、これは大切だと。