日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 助次 Suketsugu-KoAoe Tachi

2018-07-19 | 太刀
太刀 助次


太刀 助次

 鎌倉時代中期以前の古色溢れた青江の作を古青江、それ以降の作を青江と呼び分けている。以前は、南北朝時代中頃より時代の下がる作を末青江と分類していたが、現在は、古青江と青江の二類のみ。何しろ、青江鍛冶は南北朝時代後期には姿を消してしまう。時代の下がる青江の作品を見たことがない。備前鍛冶の衰退が吉井川の氾濫に起因したように、高梁川の氾濫で鍛冶場を移したのであろうか、最近の水害から、ふと、そんな思いがよぎる。
 さて、前回紹介した助次の太刀の続き。この太刀の地鉄をみると、南北朝時代の詰み澄んだ青江鍛冶の作風とはかなり異なっていることがわかる。杢を交えた板目肌の揺れたようなところは青江の特徴だが、頗る古調で、映りは淡く乱れ、鯰肌のような景色はない。板目や杢目の肌間が小板目状に詰んでおり、淡い地景が交じって肌立つ様子も古調。刃文は小沸出来の不定形な互の目が交じった小乱調に逆ごころの小足が入り、時代の下がる匂口の締まった直刃や火炎状の逆丁子とは異なる構成。帽子は浅く乱れ込んで返る。鎌倉初期の青江助次である。□










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