Naoの誰でもわかる!英語の話

英語を勉強している人へ、面白い、ためになる話し、知識・情報などを、誰もがわかるように書いていきます。

「素朴な疑問~聞こえない~」(No.1/Part2)

2005-08-26 | Weblog
ではでは、前回の続きです。「なぜ聞こえないか?」について。僕は多くの英語学習者を教えてきましたし、また、見てもきました。そこでいつも気付くのは、日本人の英語の発音が日本語の発音にあまりにも強く影響を受けているということです。理由は別の機会に話したいと思いますが、実際の問題として、きわめて多くの人達は英語の音を忠実にまねしようとはしていない、あるいは、それができていないのです。ここで簡単に日本語と英語の「感覚的違い」について話したいと思います。

日本語の音はあるアメリカ人いわく、「マシーンガンのように響く」そうです。「マシーンガンのように…?」つまり、50音を結合してできた単語をならべて言葉を作るわけですから、そこら中に母音があり、その母音が次から次へと聞き手を襲う(?)わけです。母音は声帯を震わせて作る音、つまり、有声音なので強く響き、聞き手の鼓膜に衝撃(?)を与えます。それが次から次へと出てくるわけですから、日本語を知らない人にとっては、その音は「ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ…」といった調子で聞こえるわけです。

では、日本人にとって英語はどう響くのか?少なくても僕にとっては「ダ、ダダダダン、ダ、ダン、ダン、ダダダダン、ダ、ダン、ダン…」みたいな感じかな?さあ、皆さんはこのようなリズムを意識して英語の音、文章を再生してますか?ひょっとして「ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ…」調で言ってません?つまり、平坦な発音してませんか?それをいつもしていたら「英語の脳」はできませんよ。

簡単に言えば、抑揚のついた「英語らしい」発音を心がけているかということです。リスニングについて言えば、脳が日本語のような平坦な音「ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ…」しか認識できないようにプログラミングされていれば、いきなり、強弱があり、抑揚のある、流れるような音が来ても、そのところどころの平坦な音と同じ音程の部分についてはその音を認識できるかも知れませんが、それより上あるいは下の音程についてはついていくことができず、その音を認識することができないのです。結果、「わからない」という判断をします。

では、具体的に「聞こえるようになる」ためのアドバイス。まずはできるだけ多くの英語を聞いて、その抑揚、強弱のある音・音調を、英語と即座に認識する脳を作ること!まずは意味はわからなくてもいいです。ともかくも英語の音を脳に認識させることです。次に、あるいはそれと同時進行で、自分で英文を英語らしく言う練習をすること。そのためにはテープ、あるいはビデオ等を使って、聞いた英語を「ネイティブと同じスピードで言う」練習をすることです。だぶらせるようにすると自分の音との違いがよくわかります。

ともかくも同じスピードで言う練習をすることで、英音の持ついろいろな特徴を実感できます。この練習はまず単語から始めて、それから少しづつ長い英文に取り組むようにしましょう。この際、意味のある文脈がある方がいいので、英語の教材(?)は実際の会話が収録されたもの、例えば、インタビューや講演が収録されたテープ(アルク出版の「English Journal」等)や映画のビデオ・CDで英語の字幕が出るもの等を使うことを薦めます。

さて、英語が「聞こえる」ようになるための方策、第一回(前・後半)でした。いかがでしたか?これからもこのテーマについては続編を書きますので、乞う御期待(?)してくださいね。それでは今日はこの辺で。Byedie! (N.N.)(C)2005

「素朴な疑問~聞こえない~」(No.1/Part 1)

2005-08-26 | Weblog
「英語は長い間勉強してきたのにネイティブが何を言っているのかわからない…」そんな声、よく聞きますね。でも、どうしてなんでしょう?それにはいろいろな理由が考えられますが、まずは日本語と英語の音声学上の違いを多少(あんまり知ってもややこしいだけなので)知っておくことが大事です。

英語と日本語の一番大きな音声上の違い。それは日本語が母音(基本的には、あ、い、う、え、お(単純に言えば)の5つ)と簡単な子音でできた50の音節 (Japanese syllabary) の組み合わせでできた単語を使って言葉ができているのに比べて、英語は多くの子音、あるいは、その固まりと、二重母音(ai等)を含めて15の母音が複雑に結合してできた単語で言葉ができている点が一つ。

そして、英語の単語にはいわゆるアクセント(accent)があり、音節(母音一つ、あるいは母音一つと子音の結合でできる固まり)の中核となる母音が強勢(stress)を受ける。つまり、強く発音される。母音が複数ある(複数の音節でできている)場合は、そのうちの一つに第一強勢(primary stress)があり、単語によっては第二強勢(secondary stress)もある。そしてそれ以外のところは無強勢となる。

簡単に言うと、英語の単語は強弱のある音でできているということ。しかも!です。その単語の音は別の単語とくっつく時に同化作用(assimilation)([but I]が[barai]に聞こえる等)が起こり、一つの単語ではわかったものが、複数の単語がくっついた時には何か知らない音の固まりに聞こえる…。あるいは、ある音が消える(reduction)([going]が[goin']と発音される等)ということが起こり短縮形([does not]が[doesn']になる等)を作る。また、全体に抑揚(イントネーション)がある。

ともかく、「英語ってやつは、なんだか知らないが、音が上がったり、下がったり、また、強く発音されるものがあるかと思うと蚊が鳴くように小さく発音されるものがあったりと、音の変化が多すぎる!」って、思いません?だから、「わからない!聞こえない!」って。

僕も最初はそうでした。「ふ~…わからん…」そんな言葉、よく使いました。じゃあ、どうしてわかるようになったのか?音声学でやるようないろいろなルール(上記した「同化作用」等)を理解したから?う~ん、違いますね~。それらは大学や大学院で勉強しましたけど、そんなルール知ってるからって即座に音を理解するのにはまったく役に立ちません。「じゃあ、どうやって!」…答えは簡単です。自分もネイティブの音をまねて単語を発音する、文章を読む、話してみる、そうすればいいのです。「そんなことはやってるよ」ってですか?そうかな~?

ちょっと長くなるので今日はこれまで。Part 2はできるだけ早く出しますのでお楽しみに。では、See you very soon! (N.N.)(C)2005