僕の元職場だった大阪府松原市役所に勤めている U君から、一昨日メールが来た。
ボランティア休暇を取り、岩手県に入って頑張っている、ということだった。
U君は、震災から3ヶ月が経つというのに、被災家屋のほとんどが、
人が住めるようにはなっておらず、瓦礫ばかりで原型が見えない状態で、
復旧が長引くほど被災者は戻らなくなり、町や村が消えてしまうのではないか…
と心配し、政府は、二重ローンなどに苦しむ被災者の人たち一人ひとりに、
救いの手を差し伸べなければ、町や村の再生は不可能なのではないか?
…との思いを、メールで送ってきた。 U君の言うとおりだと思う。
「個々の被災者にまで手が回らない」では済まされない政治の怠慢であろう。
内閣不信任案提出というカラ騒ぎのあと、今度は参院で問責決議がどうのこうのと、
政治家たちは相変わらず災害復旧そっちのけの政権争いに浮身をやつしている。
被災者の人たち一人ひとりの、まさに今の窮状を救うことが焦眉の急だというのに。
毎日、同じようなことばかり繰り返される「菅おろし」の政局報道にはうんざりだ。
その一方で、今日はこのニュースが気になった。
大阪市の生活保護の受給者が全国最多の15万人を突破した、というのである。
全国平均の受給率は1.57%なのに、大阪市の受給率は5.63%にも上っており、
大阪市民の18人に1人が生活保護受給者という異様な事態なのだ。
生活に困窮しておられる家庭への生活保護はむろん必要だけれど、
中には単に働かないだけの受給者もいるし、暴力団員が受給しているケースもあった。
かつて松原市役所にも、生活保護を受けながら、毎日のように市役所へやって来て、
行政の施策や職員の態度などに延々と文句つけ、時間つぶしをして帰る男がいた。
ねちねち・だらだらと市役所に居座っている暇があれば、働け、と言いたい。
この男は精神的な病気という医師の診断書をふりかざして、働かないのであった。
こんな男に税金を投じて生活を保護してやる必要など、どこにあるのかと、
違う部署で働いていた僕は、不思議で仕方がなかった。
本当に働く気があれば、生活保護に頼らなくてもやっていける人は多いはずだ。
それが、いったん受給者になったら、それに味をしめてしまい、自立しようとしない。
誤解を恐れずに言えば、そういう所帯が、かなりあるのではないか…と推測される。
大阪市のようにどんどん受給者が増えると、認定が甘いのでは、と思わざるを得ない。
生活保護費の負担割合は、国が4分の3で地方が4分の1である。
平松大阪市長は、今回のことに関して「生活保護費は国が全額負担すべきだ」
と会見で語ったが、まことにピント外れのお寒い発言と言わなければならない。
もし全額を国が負担するということになれば、どういうことになるか…?
市町村職員による生活保護の認定が、今以上に甘くなるのは目に見えている。
今でも国や地方の膨大なお金が、この生活保護費に注がれているのである。
ただでさえ逼迫する国の財政が、もはや立ち直れないほどの打撃を被るだろう。
震災の影響で、生活保護受給者は大阪市のみならず、全国的に増加しているという。
それならなおさらのこと、不正受給やそれに近い灰色受給を排除しなければならない。
被災地の人々が、どうにもならない窮地に陥っていることは、はっきりした事実だ。
働けるのに働こうとせず、生活保護という「特権」を手離さない「灰色」をしっかり見直し、
本当に困っている被災者救済のほうに財源を投入するのが筋というものだろう。
U君からメールをもらったあと、
「生活保護受給者がますます増加」 のニュースを見て、
どうも納得のいかない思いが、モヤモヤと胸の中にくすぶり続けている。