前記事『手袋』のコメント欄で
黒うささんと、ウグイス中の食事計画について話した。
そこで私のやり方をご紹介しようと思う。
ウグイスは軽やかに飛び回り、美しい声でさえずるものである。
美しくさえずるためには、身軽が信条。
姑仕えをしているウグイスなんて、聞いたことない。
ゼロではないかもしれないが
それは働き者で気が利く姑という例外だけだと思う。
うちにそんな便利な姑はいない。
嫁が家を空けることを憎み、放っておかれることを恨み
自分のために働かないことを怒るお婆さんなら一人いる。
私の選挙対策は、この婆をどう誤魔化して一週間を乗り切るか。
これに尽きるのだ。
特に食べることは厄介。
豆腐一丁切ってみようかという気も無く
嫁が忙しそうだから何か役に立てないかと考える習慣も無く
気が向いて何かを温めた場合
ほぼ100%の高確率で火を消し忘れる義母ヨシコに協力を頼むなど
もってのほかなのはわかっている。
自動で火が消えても、その頃には鍋が焦げつき、作った物はパーだ。
そのかたわら、ひどい偏食で欲しい物だけ食べたがる。
さらに毎日娘がやって来て、母親の処遇に目を光らせる。
もう慣れたが、この娘にそそのかされる格好で
「かわいそうなワタシ」を演じるヨシコを相手にするのは
選挙中、大変消耗するのである。
しかし対策はある。
彼女の大好物を準備する。
漬物、塩昆布、梅干し、ひしお(塩辛い味噌)、らっきょう
ふりかけ、海苔の佃煮‥。
口では血圧のため、糖尿のためと言いながら
その食べっぷりがあまりにすさまじいため
体に良くない物にかけるゼニが惜しくて
セーブしている「ご飯の友」を解禁し、好きなだけ与える。
これらがあれば、おかずなんていらないのだ。
それから食後の楽しみ、コーヒー牛乳も解禁。
冷蔵庫にたっぷり並べる。
うるさく言う者がいないのだから、彼女は私の留守を喜ぶはず。
健診の数値なんか、知るものか。
あとは家族全体のために
朝、味噌汁、豚汁、けんちん汁を日替わりで作り
卵焼きやウインナーなんかを大皿に盛り、オードブルを装う。
そして昼、男どもには極力外食してもらう。
問題は夜。
今回の選挙期間中は、息子たちの夜勤が続く。
豪雨災害の復旧工事のために他の仕事が遅れており
交通量の少ない夜間にやらなければ間に合わない。
昼は寝ている者がいるので、「夜も外でお食べ」とは言いにくく
困った時には料理をしてくれる長男も、今回はあてにはならない。
ちなみに息子たちからは
「家の近くでワーワー言うな」と釘を刺されている。
とりあえず、いつ起きても何か食べる物があるようにするべく
おでん、カレー、シチュー、ハヤシライス
この「煮込み四天王」にご登場願う。
これらは翌日も食べられるというオマケつきなので、本当に助かる。
作り方だが、前の晩にコトコト煮込んで仕上げるなんて
呑気なことはしない。
そんなことをしていたら、寝る時間が減ってしまう。
おでんは味をつけて、沸騰したら火を止め、フタをして終了。
翌日、温め直せばすぐ食べられる。
フタをして放置する、この一晩が味付けを引き受けてくれるのだ。
煮崩れず、薄味かつ上品で、しっかりダシの味がしみて非常に良い。
この方法は、近所にあるお寺の奥さんに教えてもらった。
お寺の奥さんというのは行事食のプロが多いので、得るものが大きい。
「いえ、私は真っ黒になるほど煮込んだ方が好き」
とおっしゃる人は、それから以降、好きなだけ煮込んだらいい。
コクが欲しい人は味付けの時、私にとって伝家の宝刀
ヒガシマル・ラーメンスープの素を一袋か二袋、入れてみ。
オリジナルを装える、良いおでんになる。
カレー、シチュー、ハヤシライスも
食材を炒めて湯を入れ、沸騰させたらフタをして一晩放置。
夜が肉を柔らかくしてくれる。
翌日、市販の素を入れて温めれば、すぐ完成だ。
ただし、これらを作る時には注意が必要。
作る人の頭は、長く煮込むのを前提にしているから
うっかりして、湯をたくさん入れやすい。
これが失敗の元になる。
水分は後でいくらでも調整できるので
最初は材料がかぶる程度にとどめていただきたい。
とはいえ、手作りにこだわるつもりは無い。
煮込みばかりじゃ飽きるので
親しいお好み焼き屋と中華料理屋から、テイクアウトもする予定。
注文と持ち帰りは、夫が担当する。
スーパーの惣菜も、私より夫の方が組み合わせのセンスがあるので
彼の担当。
何でセンスがあるかって?
昔取ったキネヅカというやつよ。
愛人と駆け落ちしたら、たいていの女は最初にカレーを作る。
カレーしか作れないくせに、カレーが得意だと豪語する。
それが他人の亭主と寝られる女というものだ。
それからおっかなびっくり、シチューやハヤシライスになって
最後に頑張って丼ものや天ぷらを作り
少ないレパートリーが終わると
二人で買い物に出かけて惣菜を買い漁るようになるのだ。
よって夫は、こういう物を選ぶ目が肥えている‥
と私は思っており、全幅の信頼を寄せている。
がむしゃらに作るより、これら外注の方が家族は喜ぶはず。
日頃食べさせていないので、珍しがるからだ。
私も祭り、彼らも祭り‥
無理をせず、この精神で行かなければ、ウグイスより家事で死ぬ。
テキトーが一番だ。
黒うささんと、ウグイス中の食事計画について話した。
そこで私のやり方をご紹介しようと思う。
ウグイスは軽やかに飛び回り、美しい声でさえずるものである。
美しくさえずるためには、身軽が信条。
姑仕えをしているウグイスなんて、聞いたことない。
ゼロではないかもしれないが
それは働き者で気が利く姑という例外だけだと思う。
うちにそんな便利な姑はいない。
嫁が家を空けることを憎み、放っておかれることを恨み
自分のために働かないことを怒るお婆さんなら一人いる。
私の選挙対策は、この婆をどう誤魔化して一週間を乗り切るか。
これに尽きるのだ。
特に食べることは厄介。
豆腐一丁切ってみようかという気も無く
嫁が忙しそうだから何か役に立てないかと考える習慣も無く
気が向いて何かを温めた場合
ほぼ100%の高確率で火を消し忘れる義母ヨシコに協力を頼むなど
もってのほかなのはわかっている。
自動で火が消えても、その頃には鍋が焦げつき、作った物はパーだ。
そのかたわら、ひどい偏食で欲しい物だけ食べたがる。
さらに毎日娘がやって来て、母親の処遇に目を光らせる。
もう慣れたが、この娘にそそのかされる格好で
「かわいそうなワタシ」を演じるヨシコを相手にするのは
選挙中、大変消耗するのである。
しかし対策はある。
彼女の大好物を準備する。
漬物、塩昆布、梅干し、ひしお(塩辛い味噌)、らっきょう
ふりかけ、海苔の佃煮‥。
口では血圧のため、糖尿のためと言いながら
その食べっぷりがあまりにすさまじいため
体に良くない物にかけるゼニが惜しくて
セーブしている「ご飯の友」を解禁し、好きなだけ与える。
これらがあれば、おかずなんていらないのだ。
それから食後の楽しみ、コーヒー牛乳も解禁。
冷蔵庫にたっぷり並べる。
うるさく言う者がいないのだから、彼女は私の留守を喜ぶはず。
健診の数値なんか、知るものか。
あとは家族全体のために
朝、味噌汁、豚汁、けんちん汁を日替わりで作り
卵焼きやウインナーなんかを大皿に盛り、オードブルを装う。
そして昼、男どもには極力外食してもらう。
問題は夜。
今回の選挙期間中は、息子たちの夜勤が続く。
豪雨災害の復旧工事のために他の仕事が遅れており
交通量の少ない夜間にやらなければ間に合わない。
昼は寝ている者がいるので、「夜も外でお食べ」とは言いにくく
困った時には料理をしてくれる長男も、今回はあてにはならない。
ちなみに息子たちからは
「家の近くでワーワー言うな」と釘を刺されている。
とりあえず、いつ起きても何か食べる物があるようにするべく
おでん、カレー、シチュー、ハヤシライス
この「煮込み四天王」にご登場願う。
これらは翌日も食べられるというオマケつきなので、本当に助かる。
作り方だが、前の晩にコトコト煮込んで仕上げるなんて
呑気なことはしない。
そんなことをしていたら、寝る時間が減ってしまう。
おでんは味をつけて、沸騰したら火を止め、フタをして終了。
翌日、温め直せばすぐ食べられる。
フタをして放置する、この一晩が味付けを引き受けてくれるのだ。
煮崩れず、薄味かつ上品で、しっかりダシの味がしみて非常に良い。
この方法は、近所にあるお寺の奥さんに教えてもらった。
お寺の奥さんというのは行事食のプロが多いので、得るものが大きい。
「いえ、私は真っ黒になるほど煮込んだ方が好き」
とおっしゃる人は、それから以降、好きなだけ煮込んだらいい。
コクが欲しい人は味付けの時、私にとって伝家の宝刀
ヒガシマル・ラーメンスープの素を一袋か二袋、入れてみ。
オリジナルを装える、良いおでんになる。
カレー、シチュー、ハヤシライスも
食材を炒めて湯を入れ、沸騰させたらフタをして一晩放置。
夜が肉を柔らかくしてくれる。
翌日、市販の素を入れて温めれば、すぐ完成だ。
ただし、これらを作る時には注意が必要。
作る人の頭は、長く煮込むのを前提にしているから
うっかりして、湯をたくさん入れやすい。
これが失敗の元になる。
水分は後でいくらでも調整できるので
最初は材料がかぶる程度にとどめていただきたい。
とはいえ、手作りにこだわるつもりは無い。
煮込みばかりじゃ飽きるので
親しいお好み焼き屋と中華料理屋から、テイクアウトもする予定。
注文と持ち帰りは、夫が担当する。
スーパーの惣菜も、私より夫の方が組み合わせのセンスがあるので
彼の担当。
何でセンスがあるかって?
昔取ったキネヅカというやつよ。
愛人と駆け落ちしたら、たいていの女は最初にカレーを作る。
カレーしか作れないくせに、カレーが得意だと豪語する。
それが他人の亭主と寝られる女というものだ。
それからおっかなびっくり、シチューやハヤシライスになって
最後に頑張って丼ものや天ぷらを作り
少ないレパートリーが終わると
二人で買い物に出かけて惣菜を買い漁るようになるのだ。
よって夫は、こういう物を選ぶ目が肥えている‥
と私は思っており、全幅の信頼を寄せている。
がむしゃらに作るより、これら外注の方が家族は喜ぶはず。
日頃食べさせていないので、珍しがるからだ。
私も祭り、彼らも祭り‥
無理をせず、この精神で行かなければ、ウグイスより家事で死ぬ。
テキトーが一番だ。