《問題の肉》
日曜日に行われた、姪の結婚式の続き。
披露宴では席次表に従い
我々一家4人は正方形のテーブルに付いた。
座ったはいいが、このテーブル
ひどく小さい。
2人で向かい合わせに座って
お茶を飲むのがやっとのサイズに
4人分の皿がはみ出して置かれ
無理やり並べられたカトラリーやグラスで
隙間が無い。
うっかり身動きすると大惨事になりそう。
身長体重、共に大型の家族にとって拷問に等しい。
男どもからは、妹の陰謀説も出る。
しかし、いくら油断ならない女とはいえ
そこまで頭は回るまい、ということに落ち着き
若者相手のやっつけ商売的な式場を
憎む我々であった。
さて、いよいよ食事だ。
お腹が空いているので、何でもうまいぞ!
しかし、このけだるいマンネリ感は何だ?
4人で考えた末
このメンバーで顔を突き合わせるのは
家と同じだからという結論に達した。
やがてメインの肉料理。
飢えた我々は
牛フィレ肉のフォアグラなんちゃらかんちゃらに
いそいそとナイフを入れた‥。
肉が硬い。
それはいい。
メニューに和牛とは書いていない。
それより、肉を切るのに合わせて
テーブルが揺れまくる。
近い親族である我々は、末席が当然ではあるが
端っこの窓際は床が傾いているらしく
テーブルの足が安定しないのだ。
皿やグラスがひしめく中、ナイフを動かすたびに
地震みたいにガタガタ揺れるもんだから
危なっかしくてしょうがない。
「お待ち!」
私は肉を切る夫と息子達を制して提案した。
「向かい合って座ってるパパと兄ちゃんが
先に切ろう。
その間、ヨシキは私と一緒に
テーブルを持って支えるのよ!」
交代制の肉切りは妙案に思われたが
2人が同時に切ると
残りの2人では支えきれない。
そこで1人ずつ切っては
残りの3人がテーブルを持つ方式に変更。
「待って」
「次、誰?」
「そっと、そっと」
「大丈夫?ゆっくりね」
家族4人は絶妙のチームワークで
文字通り支え合い
硬い肉を乗り越えたのだった。
こういうのが、先で良い思い出になる。
日曜日に行われた、姪の結婚式の続き。
披露宴では席次表に従い
我々一家4人は正方形のテーブルに付いた。
座ったはいいが、このテーブル
ひどく小さい。
2人で向かい合わせに座って
お茶を飲むのがやっとのサイズに
4人分の皿がはみ出して置かれ
無理やり並べられたカトラリーやグラスで
隙間が無い。
うっかり身動きすると大惨事になりそう。
身長体重、共に大型の家族にとって拷問に等しい。
男どもからは、妹の陰謀説も出る。
しかし、いくら油断ならない女とはいえ
そこまで頭は回るまい、ということに落ち着き
若者相手のやっつけ商売的な式場を
憎む我々であった。
さて、いよいよ食事だ。
お腹が空いているので、何でもうまいぞ!
しかし、このけだるいマンネリ感は何だ?
4人で考えた末
このメンバーで顔を突き合わせるのは
家と同じだからという結論に達した。
やがてメインの肉料理。
飢えた我々は
牛フィレ肉のフォアグラなんちゃらかんちゃらに
いそいそとナイフを入れた‥。
肉が硬い。
それはいい。
メニューに和牛とは書いていない。
それより、肉を切るのに合わせて
テーブルが揺れまくる。
近い親族である我々は、末席が当然ではあるが
端っこの窓際は床が傾いているらしく
テーブルの足が安定しないのだ。
皿やグラスがひしめく中、ナイフを動かすたびに
地震みたいにガタガタ揺れるもんだから
危なっかしくてしょうがない。
「お待ち!」
私は肉を切る夫と息子達を制して提案した。
「向かい合って座ってるパパと兄ちゃんが
先に切ろう。
その間、ヨシキは私と一緒に
テーブルを持って支えるのよ!」
交代制の肉切りは妙案に思われたが
2人が同時に切ると
残りの2人では支えきれない。
そこで1人ずつ切っては
残りの3人がテーブルを持つ方式に変更。
「待って」
「次、誰?」
「そっと、そっと」
「大丈夫?ゆっくりね」
家族4人は絶妙のチームワークで
文字通り支え合い
硬い肉を乗り越えたのだった。
こういうのが、先で良い思い出になる。