コメント欄の常連というか、もはや10年超えのファミリーであるモモさんが
私の今のファッションに対する想いを教えてと言ってくださった。
訪問してくださるかたが、どんなことに興味を持っておられるかがわかるため
ネタを振っていただけるのはありがたい。
お洒落は大好きなテーマなので、次に予定していた辛気臭い記事をさっさとやめた。
田舎の庶民レベルながら、これまで自分はファッションを楽しんできたと思っている。
高級ブランドのご自慢やご披露は裕福な人にお任せするとして
庶民には庶民なりの楽しみ方があるものだ。
「30年後に写真を見ても、おかしくない物を着るように」
オーソドックスを重んじる実家のコンセプトはこれだった。
しかし結婚して束縛が無くなると、やりたい放題。
やがて、来るわけないわい、とタカをくくっていた30年後が訪れ
おかしくて笑っちゃう写真がたくさんある。
そんな私も、はや62才。
勤めていた頃は新年会や忘年会、歓送迎会、旅行に出張、接待その他
気張ってお洒落をするチャンスもあったが
仕事を辞めてからはテキトー方面に一直線。
外出の際はコーデの良し悪しや季節の先取りよりも
まず涼しいか、または暖かいかをクヨクヨと検討する始末だ。
今じゃトップスは、同級生の友人マミちゃんが経営する洋品店
ボトム、つまりパンツだかズボンは生協の宅配で済ませることが多い。
落ちたものよ…我ながら、そう思う。
とはいえマミちゃんの店には、わりと有名なメーカー、“コムサ”を始め
派手じゃないけど何だかお洒落で、着心地の良い物が揃っていて
彼女のセンスが私には好ましい。
問題は、ターゲットが年配女性のため、股下が短くてパンツが買えないことだ。
仕入先に問い合わせてもらっても、製造してないと言われる。
その点、生協の宅配は股下の選べるパンツがある。
合う丈を探して歩くより、手っ取り早い。
これから先もこの方針で行くと思っていたら
昨年の夏、マミちゃんの店のパンツに革命が起きた。
彼女の店はワコールも扱っていて、注文販売をしている。
そのワコールのジーンズ風パンツに、トール(長身用)丈が出たのだ。
このパンツは以前、マミちゃんの店のマネキンがはいていたのを試着したことがある。
パッと見は本物のジーンズみたいなのに
ステッチもボタンもポケットもシワも、ぜ〜んぶ絵。
その面白さもさることながら、優しい肌触りとウエストゴムの楽な着心地
加えて細く見せる秀逸なラインはしっかり印象に残っていた。
もちろん私には短くてステテコみたいだったので、買えはしない。
それがこのたびトール丈が出たというんだから、さっそく2本買う。
今風の土管のような型と、ストレート型。

生地がひんやりと涼しくて、夏は最高だった。
ただし普通丈には冬用の裏起毛があるけど、トール丈に冬物は無い。
だから冬は、相変わらずの生協のパンツだ。
それから私のファッションに欠かせないアイテムは、スカーフやマフラーの類い。
年を取ると喉を守りたくなるのもあるが、差し色の役目をさせたり
さりげない自己主張に便利というのもある。
何をまとえど変わり映えしない年令、姑の扶養、目前に迫る年金生活。
もはや、衣装にうつつを抜かしている場合じゃない。
着道楽は、現役の人やお金持ちがやったらいいのだ。
その点、マフラーやスカーフは比較的安価でありながら効果が大きい。
隅に置けないアイテムなので、真剣に選ぶ。
この年になるとカシミヤもブランド品も人並みに持ってはいるけど
私にとって大事なのは、値段じゃないの。
とにかく色なの。
自分が楽しくなる、綺麗な色彩。

これは何年も前、おば服専門店で買ったマフラー。
2千円しなかったと思う。
素材は化繊なので、家で何十回洗ったか知れない。
古い物をお目にかけて申し訳ないが、一番使いやすい。
これを巻いていたら、どこへ行っても「素敵」、「可愛い」と言われる。
素敵や可愛いが私でなく、マフラーに向けられているとわかっていても嬉しいものだ。
このマフラーに、マミちゃんの店で買った薄手のダウンジャケットを羽織る。
ダウンは、マフラーと同色の紫。
マフラーの色に合わせて、取り寄せてもらった。
アクセントカラーのターコイズブルーが映えると思ったからだ。
服よりマフラー優先の私よ。
この紫セットにインナーは淡いグレー、パンツは白のストレート。
今、気に入っている冬のスタイル。
同じ色合いの紫のマフラーは他にも持っていて、黄緑や白の上着に合わせることもある。
思い切った色のマフラーだと、洋服が何色でもけっこう合う。
スパッとした気持ちのいい色合わせが好きだ。
黒っぽい物が嫌いなわけじゃないけど、暗いじゃん。
黒を極力着ないようにすると、楽しい色彩を選ぶようになり
パステルカラーが似合わないので原色になる。
結果、それを派手と呼ぶが、もはや還暦超えの私に文句をつける者はいない。
で、原色の洋服で履く靴のひとつが、これ。

着る物やマフラーが可愛い時は、足元を可愛くなくするのが私の主義。
どこかで辛口にしないと、乙女趣味に見えるような気がするのだ。
大柄の乙女趣味はイタい。
オバさんだと、もっとイタい。
それを防ぎたい一心である。
この靴は、マミちゃんの店で注文販売しているアジーレというメーカーのもの。
黒や茶色のおとなし系から花柄や豹柄の賑やか系まで
素材や色柄、デザインに様々な種類がある。
一度買ったらすごく楽だったので、一昨年あたりからこれに凝り始め
新作が出たら注文している。
可愛くない服の時に履く花柄なんて、凝っていてすごく可愛い。
しかし値段のほうは、あんまり可愛くない。
一足、2万円から3万円弱。
年を取ったら転倒防止のために足元が大事というけど
まさか自分もハイヒールよりこっちが良くなるとはね。
実はこの靴、嫌われている。
カタログで注文する時、一緒にいたユリちゃんは叫んだ。
「ギャ!これにするの?怖い!」
お寺の人なので、爬虫類に嫌悪感があるのだ。
本物じゃない、プリントだと言っても聞きゃあしない。
だからイタズラ心が芽生えて、注文した。
その後、メーカーからマミちゃんに何度も確認があったという。
「本当にこれでいいんですか?」
年配者が中心のマミちゃんの店で、こんな物を注文するお客はいないからだ。
メーカーから電話があるたびに、マミちゃんは私に確認する。
「本当にこれでいいの?なんか、すごくワイルドよ?大丈夫?」
私はそのたびに、答える。
「これでいい、これがいい」
靴でもバッグでも、爬虫類の柄は原色の洋服に合わせやすいので選んだはずだが
ここまで来ると、もう意地しかない。
で、届いたのを履いたらパンツに隠れて靴先しか見えないため
さほど奇異ではないように思うが、脱いだらやっぱり怪獣っぽい。
ユリちゃんが嫌うので彼女がいる時は履けない、場所を選ぶ不便な靴である。
あ、パンツのことを話したついでに、ひんしゅく覚悟でお話しするけど
もう一方のパンツは、トラタニという国産メーカーと出会って長い。
最初は生協のカタログで見つけ、気まぐれで注文したが
下着にまつわる各種の不満やストレスは全て解消された。
これには長年愛用していたワのつく有名メーカーも、かなわない。
見た目はダサいが、庶民の私が知る限りでは最高。
しかし最近、コロナの影響ということでカタログに載らなくなった。
ストックが無くなる前に再開して欲しいと願っている。
というわけで田舎主婦でありながら、はなはだおこがましいが
洋服でなくマフラーからスタートする逆転の発想や甘辛の調節など
私のファッションに関する想いをお話ししてみた。
あれこれ買わなくてもお洒落は楽しいよ!という気持ちが伝われば、幸いである。
私の今のファッションに対する想いを教えてと言ってくださった。
訪問してくださるかたが、どんなことに興味を持っておられるかがわかるため
ネタを振っていただけるのはありがたい。
お洒落は大好きなテーマなので、次に予定していた辛気臭い記事をさっさとやめた。
田舎の庶民レベルながら、これまで自分はファッションを楽しんできたと思っている。
高級ブランドのご自慢やご披露は裕福な人にお任せするとして
庶民には庶民なりの楽しみ方があるものだ。
「30年後に写真を見ても、おかしくない物を着るように」
オーソドックスを重んじる実家のコンセプトはこれだった。
しかし結婚して束縛が無くなると、やりたい放題。
やがて、来るわけないわい、とタカをくくっていた30年後が訪れ
おかしくて笑っちゃう写真がたくさんある。
そんな私も、はや62才。
勤めていた頃は新年会や忘年会、歓送迎会、旅行に出張、接待その他
気張ってお洒落をするチャンスもあったが
仕事を辞めてからはテキトー方面に一直線。
外出の際はコーデの良し悪しや季節の先取りよりも
まず涼しいか、または暖かいかをクヨクヨと検討する始末だ。
今じゃトップスは、同級生の友人マミちゃんが経営する洋品店
ボトム、つまりパンツだかズボンは生協の宅配で済ませることが多い。
落ちたものよ…我ながら、そう思う。
とはいえマミちゃんの店には、わりと有名なメーカー、“コムサ”を始め
派手じゃないけど何だかお洒落で、着心地の良い物が揃っていて
彼女のセンスが私には好ましい。
問題は、ターゲットが年配女性のため、股下が短くてパンツが買えないことだ。
仕入先に問い合わせてもらっても、製造してないと言われる。
その点、生協の宅配は股下の選べるパンツがある。
合う丈を探して歩くより、手っ取り早い。
これから先もこの方針で行くと思っていたら
昨年の夏、マミちゃんの店のパンツに革命が起きた。
彼女の店はワコールも扱っていて、注文販売をしている。
そのワコールのジーンズ風パンツに、トール(長身用)丈が出たのだ。
このパンツは以前、マミちゃんの店のマネキンがはいていたのを試着したことがある。
パッと見は本物のジーンズみたいなのに
ステッチもボタンもポケットもシワも、ぜ〜んぶ絵。
その面白さもさることながら、優しい肌触りとウエストゴムの楽な着心地
加えて細く見せる秀逸なラインはしっかり印象に残っていた。
もちろん私には短くてステテコみたいだったので、買えはしない。
それがこのたびトール丈が出たというんだから、さっそく2本買う。
今風の土管のような型と、ストレート型。

生地がひんやりと涼しくて、夏は最高だった。
ただし普通丈には冬用の裏起毛があるけど、トール丈に冬物は無い。
だから冬は、相変わらずの生協のパンツだ。
それから私のファッションに欠かせないアイテムは、スカーフやマフラーの類い。
年を取ると喉を守りたくなるのもあるが、差し色の役目をさせたり
さりげない自己主張に便利というのもある。
何をまとえど変わり映えしない年令、姑の扶養、目前に迫る年金生活。
もはや、衣装にうつつを抜かしている場合じゃない。
着道楽は、現役の人やお金持ちがやったらいいのだ。
その点、マフラーやスカーフは比較的安価でありながら効果が大きい。
隅に置けないアイテムなので、真剣に選ぶ。
この年になるとカシミヤもブランド品も人並みに持ってはいるけど
私にとって大事なのは、値段じゃないの。
とにかく色なの。
自分が楽しくなる、綺麗な色彩。

これは何年も前、おば服専門店で買ったマフラー。
2千円しなかったと思う。
素材は化繊なので、家で何十回洗ったか知れない。
古い物をお目にかけて申し訳ないが、一番使いやすい。
これを巻いていたら、どこへ行っても「素敵」、「可愛い」と言われる。
素敵や可愛いが私でなく、マフラーに向けられているとわかっていても嬉しいものだ。
このマフラーに、マミちゃんの店で買った薄手のダウンジャケットを羽織る。
ダウンは、マフラーと同色の紫。
マフラーの色に合わせて、取り寄せてもらった。
アクセントカラーのターコイズブルーが映えると思ったからだ。
服よりマフラー優先の私よ。
この紫セットにインナーは淡いグレー、パンツは白のストレート。
今、気に入っている冬のスタイル。
同じ色合いの紫のマフラーは他にも持っていて、黄緑や白の上着に合わせることもある。
思い切った色のマフラーだと、洋服が何色でもけっこう合う。
スパッとした気持ちのいい色合わせが好きだ。
黒っぽい物が嫌いなわけじゃないけど、暗いじゃん。
黒を極力着ないようにすると、楽しい色彩を選ぶようになり
パステルカラーが似合わないので原色になる。
結果、それを派手と呼ぶが、もはや還暦超えの私に文句をつける者はいない。
で、原色の洋服で履く靴のひとつが、これ。

着る物やマフラーが可愛い時は、足元を可愛くなくするのが私の主義。
どこかで辛口にしないと、乙女趣味に見えるような気がするのだ。
大柄の乙女趣味はイタい。
オバさんだと、もっとイタい。
それを防ぎたい一心である。
この靴は、マミちゃんの店で注文販売しているアジーレというメーカーのもの。
黒や茶色のおとなし系から花柄や豹柄の賑やか系まで
素材や色柄、デザインに様々な種類がある。
一度買ったらすごく楽だったので、一昨年あたりからこれに凝り始め
新作が出たら注文している。
可愛くない服の時に履く花柄なんて、凝っていてすごく可愛い。
しかし値段のほうは、あんまり可愛くない。
一足、2万円から3万円弱。
年を取ったら転倒防止のために足元が大事というけど
まさか自分もハイヒールよりこっちが良くなるとはね。
実はこの靴、嫌われている。
カタログで注文する時、一緒にいたユリちゃんは叫んだ。
「ギャ!これにするの?怖い!」
お寺の人なので、爬虫類に嫌悪感があるのだ。
本物じゃない、プリントだと言っても聞きゃあしない。
だからイタズラ心が芽生えて、注文した。
その後、メーカーからマミちゃんに何度も確認があったという。
「本当にこれでいいんですか?」
年配者が中心のマミちゃんの店で、こんな物を注文するお客はいないからだ。
メーカーから電話があるたびに、マミちゃんは私に確認する。
「本当にこれでいいの?なんか、すごくワイルドよ?大丈夫?」
私はそのたびに、答える。
「これでいい、これがいい」
靴でもバッグでも、爬虫類の柄は原色の洋服に合わせやすいので選んだはずだが
ここまで来ると、もう意地しかない。
で、届いたのを履いたらパンツに隠れて靴先しか見えないため
さほど奇異ではないように思うが、脱いだらやっぱり怪獣っぽい。
ユリちゃんが嫌うので彼女がいる時は履けない、場所を選ぶ不便な靴である。
あ、パンツのことを話したついでに、ひんしゅく覚悟でお話しするけど
もう一方のパンツは、トラタニという国産メーカーと出会って長い。
最初は生協のカタログで見つけ、気まぐれで注文したが
下着にまつわる各種の不満やストレスは全て解消された。
これには長年愛用していたワのつく有名メーカーも、かなわない。
見た目はダサいが、庶民の私が知る限りでは最高。
しかし最近、コロナの影響ということでカタログに載らなくなった。
ストックが無くなる前に再開して欲しいと願っている。
というわけで田舎主婦でありながら、はなはだおこがましいが
洋服でなくマフラーからスタートする逆転の発想や甘辛の調節など
私のファッションに関する想いをお話ししてみた。
あれこれ買わなくてもお洒落は楽しいよ!という気持ちが伝われば、幸いである。