25日は、同級生の友人ユリちゃんの実家のお寺で料理を作った。
今月は6日に続いて二度目だ。
この数年、すっかりお寺の料理番と化したマミちゃん、モンちゃん、私の同級生3人組は
ユリちゃんの本音を知ってやる気を失い、月に一回しかやらないと決めた。
たまにお寺料理に関わる元公務員の梶田さんと我々をうまく使い分けていると知って
ゲンナリしたからだ。
しかし本当の理由は言わなかった。
我々の本心を知らないユリちゃんは、25日の予定を遠回しに、そして度々たずねる。
年末のこの日は本堂の大掃除で、檀家のおばちゃんやおじちゃんたちが来る。
ユリちゃんが最も神経を使う日だ。
ただでさえ忙しい年末に、朝っぱらから労働させたあげく
昼がコンビニ弁当では申し訳ないという気持ちはよくわかる。
田舎とコロナのため、昼間に料理を出す店が町内に一軒も無いのも知っている。
洋品店を経営するマミちゃんは、年末最後の営業日ということで最初から欠席。
けれども困ったことに、モンちゃんと私は空いている。
2人は悩んだ。
そりゃ年の瀬なんだからやることはたくさんあり、よそで料理を作るどころではない。
しかし、マミちゃんのように立派な理由を持たない我々には葛藤がある。
マミちゃんは、月1の決まりを撤回することに猛反対。
いったん決めたことを崩すと、また彼女のペースに巻き戻される恐れがあるからだ。
我々のような呑気者VSタカリのプロでは、プロの方が強いのは明白だった。
しかしその一方、用があると嘘をついて断るのも夢見が悪い。
考えた末、11月は梶田さんを動員したので我々にお呼びが無かったことを挙げ
先月分を今月2回やるということで、最後まで反対していたマミちゃんは落ち着いた。
年の最後に嘘をつくより、潔く労働して気持ちよく新年を迎えよう…
モンちゃんと私の意見は一致したのである。
メニューは前日まで決まらなかった。
大掃除やら庭の剪定やらで慌ただしかったのと
このところ、すっかりマミちゃん頼りだったので勘が鈍っていたからだ。
ちょうどクリスマスなので、豪華なメニューを期待されているのもわかっている。
しかし25日は、おばちゃんたちが台所へ湯を汲みに来るので流しが使えないことや
掃除はかったるいので午前中で早退する人が必ずいて
その人に料理を持たせるために段取りが大幅に狂うことも、去年の経験で知っている。
去年もやっぱり同じ日に、一人でやって泡を食った…
なんてことを思い出すにとどまり、メニューの決定は遅々として進まなかった。
が、いざ買い物に出るとどうにかなるもので、何とか決めることができた。
前回、品数削減で味をしめたのもあり、テキトー簡単料理の羅列さ。
マミちゃんがいないのでガス台の火は使い放題とわかっているが
一緒に行くモンちゃんは料理を作らないので時間に余裕が無い。
だから大半は朝、作って行った。
なにしろ早退組がいるので、あらかじめ仕上げておかないと
自分の首をしめることになるからだ。
去年は熱々の天丼を出したかったが
早退組のために早くから天ぷらを揚げるしかなかった。
その後は温め直す時間が取れず、会食の時には冷え切って残念だった。
今年は同じ過ちを繰り返したくないので
熱々にする必要の無い、普段作り慣れているものばかりを選んだ。
これほど準備をして望んだというのに、当日は去年よりもいっそう参加者が少なく
早退は1人、会食は総勢8人にとどまった。
この寺、大丈夫か?
スコッチエッグ

ハンバーグ種の中に、ゆで卵をしのばせてフライにしたポピュラーな洋食。
プチトマトの赤と大葉の緑で、ささやかにクリスマスを装う。
ハンバーグ種を作る時、玉ねぎのみじん切りは生でOK。
パン粉を牛乳や水などでふやかさず、つなぎの卵と生の玉ねぎの水分だけに頼り
固めに練るのがコツ。
あと、中に仕込むゆで卵には小麦粉をしっかりまぶして
周りに着せるハンバーグ種が脱げないようにしておくのと
卵の位置がわかるように、卵を仕込んだハンバーグ種を楕円形に成型しておくのが大事。
出来上がりを半分に切る時は、冷めてから切ると美しい。
切って生焼けだったら、レンジで温めれば大丈夫。
この日も生焼けだった。
とまあ、このように意外と面倒くさいが
コツさえ知れば、男や子供は確実にテンションの上がる一品。
ソースは広島名物お好みソースとケチャップに少量のカラシと蜂蜜を混ぜ
レンジで軽くチンしたもの。
ソースは温めると、酸味が飛んで美味しくなるのだ。
うっかり卵の黄身全体にかけてしまうと彩りが悪くなるので
黄身の部分を残してかけるのがミソ、いや、ソース。
別の容器にソースを取り置き、各自が自分でかけてもかまわないが
派手な彩りの料理に黒っぽい色を添えると色彩が引き締まり、見栄えがする。
中華丼のキクラゲみたいなものだ。
エビチリ

これも朝、家で作って行った。
超簡単なので、前にもお寺で出したことがある。
①白ネギを数本、みじん切りにする
②下処理をした海老に片栗粉を振りかけてサッと洗い、ザルで水分を切る
③キッチンペーパーで全体を抑え、できるだけ水分を取ったら
今度は片栗粉をしっかり全体にまぶし、油で軽く炒める
④みじん切りにした白ネギをたっぷり加えたら
市販のエビチリの素と、好みの量の豆板醤を加えて海老が赤くなるまで炒める
以上。
市販のエビチリの素は、甘いんじゃ。
だから豆板醤を足して辛くする。
皆さん、オリジナルと思って、ヒーハー言いながら喜んで召し上がる。
大根サラダ

①大根をおろし金で細くすりおろし、少量の塩でしんなりさせておく
②大根から水分が出たら軽くしぼり、油を切った小さいツナ缶、細く裂いたカニカマ
半分に切ったカイワレを混ぜたら胡椒、薄口醤油、マヨネーズで味つけ
以上。
こちらも大根の白、カニカマの赤、カイワレの緑でホワイトクリスマスを演出。
さっぱりしているので、いくらでも食べられる。
カニカマは、前回の手抜き料理のコメントでモモさんが話しておられたのを思い出し
赤色担当に任命した。
広島菜のおむすび

県内のどこのスーパーでも売っている広島名物、広島菜の漬物でまいたおむすび。
広島菜は、緑鮮やかな高菜みたいなものだ。
うちでは昼食に、このおむすびをよく作る。
①広島菜の漬物を買って、先の葉っぱの部分と茎の部分を切り分ける
②茎を粗めのみじん切りにして炊き上がったごはんに混ぜ、塩むすびにして葉っぱで巻く
以上。
おむすびは、おにぎり女王の異名を持つモンちゃんが作って
私が葉っぱを巻くという共同作業。
モンちゃんはこの夏、三角むすびは作れないと言っていた。
しかしあれ以来、ご主人の弁当を俵むすびから三角むすびに変えて練習したらしい。
見事マスターしていて、感心した。
ユリちゃんのご主人モクネン君の希望で、いつも会食前にはメニュー紹介をする。
「広島菜のおむすびを握ったのは、おにぎり女王のモンちゃんです」
そう言ったら
「え?オダギリジョー?」
モクネン君に聞き返され、一同は大いに笑った。
あと一品、酒かすを入れた豚汁も作ったが、時間が無くて撮影できなかった。
豚バラ、大根、人参、ごぼう、里芋、コンニャク、油揚げを入れたが
特に老人の好きな里芋は、大きめに切ってゴロゴロ入れた。
今回は、どの料理も好評だった。
特に広島菜のおむすびは珍しがられ、非常に喜ばれた。
お年寄りって、ベーシックなわかりやすい料理が嬉しいのよね。
今月は6日に続いて二度目だ。
この数年、すっかりお寺の料理番と化したマミちゃん、モンちゃん、私の同級生3人組は
ユリちゃんの本音を知ってやる気を失い、月に一回しかやらないと決めた。
たまにお寺料理に関わる元公務員の梶田さんと我々をうまく使い分けていると知って
ゲンナリしたからだ。
しかし本当の理由は言わなかった。
我々の本心を知らないユリちゃんは、25日の予定を遠回しに、そして度々たずねる。
年末のこの日は本堂の大掃除で、檀家のおばちゃんやおじちゃんたちが来る。
ユリちゃんが最も神経を使う日だ。
ただでさえ忙しい年末に、朝っぱらから労働させたあげく
昼がコンビニ弁当では申し訳ないという気持ちはよくわかる。
田舎とコロナのため、昼間に料理を出す店が町内に一軒も無いのも知っている。
洋品店を経営するマミちゃんは、年末最後の営業日ということで最初から欠席。
けれども困ったことに、モンちゃんと私は空いている。
2人は悩んだ。
そりゃ年の瀬なんだからやることはたくさんあり、よそで料理を作るどころではない。
しかし、マミちゃんのように立派な理由を持たない我々には葛藤がある。
マミちゃんは、月1の決まりを撤回することに猛反対。
いったん決めたことを崩すと、また彼女のペースに巻き戻される恐れがあるからだ。
我々のような呑気者VSタカリのプロでは、プロの方が強いのは明白だった。
しかしその一方、用があると嘘をついて断るのも夢見が悪い。
考えた末、11月は梶田さんを動員したので我々にお呼びが無かったことを挙げ
先月分を今月2回やるということで、最後まで反対していたマミちゃんは落ち着いた。
年の最後に嘘をつくより、潔く労働して気持ちよく新年を迎えよう…
モンちゃんと私の意見は一致したのである。
メニューは前日まで決まらなかった。
大掃除やら庭の剪定やらで慌ただしかったのと
このところ、すっかりマミちゃん頼りだったので勘が鈍っていたからだ。
ちょうどクリスマスなので、豪華なメニューを期待されているのもわかっている。
しかし25日は、おばちゃんたちが台所へ湯を汲みに来るので流しが使えないことや
掃除はかったるいので午前中で早退する人が必ずいて
その人に料理を持たせるために段取りが大幅に狂うことも、去年の経験で知っている。
去年もやっぱり同じ日に、一人でやって泡を食った…
なんてことを思い出すにとどまり、メニューの決定は遅々として進まなかった。
が、いざ買い物に出るとどうにかなるもので、何とか決めることができた。
前回、品数削減で味をしめたのもあり、テキトー簡単料理の羅列さ。
マミちゃんがいないのでガス台の火は使い放題とわかっているが
一緒に行くモンちゃんは料理を作らないので時間に余裕が無い。
だから大半は朝、作って行った。
なにしろ早退組がいるので、あらかじめ仕上げておかないと
自分の首をしめることになるからだ。
去年は熱々の天丼を出したかったが
早退組のために早くから天ぷらを揚げるしかなかった。
その後は温め直す時間が取れず、会食の時には冷え切って残念だった。
今年は同じ過ちを繰り返したくないので
熱々にする必要の無い、普段作り慣れているものばかりを選んだ。
これほど準備をして望んだというのに、当日は去年よりもいっそう参加者が少なく
早退は1人、会食は総勢8人にとどまった。
この寺、大丈夫か?
スコッチエッグ

ハンバーグ種の中に、ゆで卵をしのばせてフライにしたポピュラーな洋食。
プチトマトの赤と大葉の緑で、ささやかにクリスマスを装う。
ハンバーグ種を作る時、玉ねぎのみじん切りは生でOK。
パン粉を牛乳や水などでふやかさず、つなぎの卵と生の玉ねぎの水分だけに頼り
固めに練るのがコツ。
あと、中に仕込むゆで卵には小麦粉をしっかりまぶして
周りに着せるハンバーグ種が脱げないようにしておくのと
卵の位置がわかるように、卵を仕込んだハンバーグ種を楕円形に成型しておくのが大事。
出来上がりを半分に切る時は、冷めてから切ると美しい。
切って生焼けだったら、レンジで温めれば大丈夫。
この日も生焼けだった。
とまあ、このように意外と面倒くさいが
コツさえ知れば、男や子供は確実にテンションの上がる一品。
ソースは広島名物お好みソースとケチャップに少量のカラシと蜂蜜を混ぜ
レンジで軽くチンしたもの。
ソースは温めると、酸味が飛んで美味しくなるのだ。
うっかり卵の黄身全体にかけてしまうと彩りが悪くなるので
黄身の部分を残してかけるのがミソ、いや、ソース。
別の容器にソースを取り置き、各自が自分でかけてもかまわないが
派手な彩りの料理に黒っぽい色を添えると色彩が引き締まり、見栄えがする。
中華丼のキクラゲみたいなものだ。
エビチリ

これも朝、家で作って行った。
超簡単なので、前にもお寺で出したことがある。
①白ネギを数本、みじん切りにする
②下処理をした海老に片栗粉を振りかけてサッと洗い、ザルで水分を切る
③キッチンペーパーで全体を抑え、できるだけ水分を取ったら
今度は片栗粉をしっかり全体にまぶし、油で軽く炒める
④みじん切りにした白ネギをたっぷり加えたら
市販のエビチリの素と、好みの量の豆板醤を加えて海老が赤くなるまで炒める
以上。
市販のエビチリの素は、甘いんじゃ。
だから豆板醤を足して辛くする。
皆さん、オリジナルと思って、ヒーハー言いながら喜んで召し上がる。
大根サラダ

①大根をおろし金で細くすりおろし、少量の塩でしんなりさせておく
②大根から水分が出たら軽くしぼり、油を切った小さいツナ缶、細く裂いたカニカマ
半分に切ったカイワレを混ぜたら胡椒、薄口醤油、マヨネーズで味つけ
以上。
こちらも大根の白、カニカマの赤、カイワレの緑でホワイトクリスマスを演出。
さっぱりしているので、いくらでも食べられる。
カニカマは、前回の手抜き料理のコメントでモモさんが話しておられたのを思い出し
赤色担当に任命した。
広島菜のおむすび

県内のどこのスーパーでも売っている広島名物、広島菜の漬物でまいたおむすび。
広島菜は、緑鮮やかな高菜みたいなものだ。
うちでは昼食に、このおむすびをよく作る。
①広島菜の漬物を買って、先の葉っぱの部分と茎の部分を切り分ける
②茎を粗めのみじん切りにして炊き上がったごはんに混ぜ、塩むすびにして葉っぱで巻く
以上。
おむすびは、おにぎり女王の異名を持つモンちゃんが作って
私が葉っぱを巻くという共同作業。
モンちゃんはこの夏、三角むすびは作れないと言っていた。
しかしあれ以来、ご主人の弁当を俵むすびから三角むすびに変えて練習したらしい。
見事マスターしていて、感心した。
ユリちゃんのご主人モクネン君の希望で、いつも会食前にはメニュー紹介をする。
「広島菜のおむすびを握ったのは、おにぎり女王のモンちゃんです」
そう言ったら
「え?オダギリジョー?」
モクネン君に聞き返され、一同は大いに笑った。
あと一品、酒かすを入れた豚汁も作ったが、時間が無くて撮影できなかった。
豚バラ、大根、人参、ごぼう、里芋、コンニャク、油揚げを入れたが
特に老人の好きな里芋は、大きめに切ってゴロゴロ入れた。
今回は、どの料理も好評だった。
特に広島菜のおむすびは珍しがられ、非常に喜ばれた。
お年寄りって、ベーシックなわかりやすい料理が嬉しいのよね。