ああ、皆様はきっと、こう思っていらっしゃるわ。
「みりこんのやつ、更新が無いけど、これは多分選挙だな」
そんで、お優しい皆様はウグイス話を楽しみにしながら
待ってくださってるんだわ。
ごめんなさい‥違うの。
風邪を引いちまったのよ。
まず夫の姉カンジワ・ルイーゼが風邪を引いた。
老人ホームの厨房で働くルイーゼは、この数年、毎年風邪を引いている。
63才の身体に、5時起きの勤務はこたえるのだろう。
それはかまわないけど、この人、毎日うちへ来るじゃん。
ゴンゴン、ケンケンと身震いするような咳をしつつ日参して
義母ヨシコに感染。
ヨシコは寝込み、それを看病した私にも感染した。
毎年、このコースだ。
老人ホーム由来の風邪というのは
正直なところ気持ちがいいものではない。
老人を次々とむしばみながら、抗生物質をものともせず生き残った菌は
感染力も症状も強烈な気がしてしまう。
その菌をルイーゼが持ち込んだと思うと、気色の悪さと怒りは倍増する。
いかにも母親を気にかけるそぶりを見せながら
感染したらその大事な母親が苦しむという考えには至らない。
昔から慣れているとはいえ‥この浅はかがアレら母娘の特徴とはいえ‥
いつも情けない。
私も命が惜しいもんで、ここ数年、改善策を考えているが
名案というのは浮かばないものだ。
「治るまで来るな」
本人に厳しく言い渡すのが一番いいのはわかっている。
しかし、都合の悪いことは聞こえないのが彼女の耳。
渾身の思いで伝えたところで、馬耳東風なのは経験で知っている。
そこで今年は、ヨシコを責めることにした。
「何でこんなにひどい風邪を引いたのかしらん」
大好きな病気になって有頂天のヨシコが
そううそぶいた機を逃さず、私は言った。
「原因は、お義姉さんが持ち込んだ菌じゃが!」
一瞬、黙ったヨシコ、少し間を置いてから平然と言った。
「あら?何言ってんの?
こすずは花粉症よ?風邪じゃないよ?知らなかったの?
この風邪はね、隣の奥さんから感染ったんよ」
そうだった‥この婆さんはすり替え名人だった。
風邪はヨシコと私だけでなく、夫や息子たちにも拡がり
私はかなり腹を立てていたので食い下がった。
「うちはお義母さん一人を除いて、皆、働いてんのよ。
遊んでる人は寝てりゃいいけど、働く者には死活問題よ。
こっちは人数が多いんじゃけん、ナンボ毎日来たくても
常識を守ってもらわんと困るわ!」
熱で頭がボ〜ッとしていたのもあって、かなり突っ込んで言った。
ヨシコ、さすがにドッキリした様子だったが
この人の頭も熱でボ〜ッとしているもんだから、すぐに忘却のかなた。
もっと言ってやればよかった。
一家全滅、前後不覚、息も絶え絶えの日々は続いた。
その間、虫の息だったルイーゼの舅が亡くなる。
行かないわけにはいかない。
もうヤケじゃ!
亡くなった夜、お通夜、葬儀と3日続けて通った。
夜の田舎はひどく寒く、我ら一家の症状はさらに重篤化。
しかし寝込んではいられない。
夫と息子たちは仕事だ。
年末に向けた繁忙期、休んではいられない。
そのサポートと事務をしながら、家事を行う私も同じく。
毎日が日曜日のヨシコだけが病人をひけらかし
上げ膳下げ膳で療養中だ。
普段の私はタラタラしているのに、こういう時に限って用事が出てくるもので
行事、講習、来客と、連日何かがある。
弱った身体を引きずるようにしてこなし、やっと一段落した。
さあ!休むぞ!と誓いを新たにした矢先
同級生の友人けいちゃんのお母さんが亡くなって通夜、葬儀。
この時、私の流した涙は友人の母を悼むものではない。
初めて肉親を失い、嘆く友人を見てもらい泣きしたのでもない。
ひとえに身体の辛さであった。
というわけで、やっと元気になりました。
選挙も終わったので、少しずつウグイス日記に取りかかる所存です。
ご心配をおかけいたしました。
「みりこんのやつ、更新が無いけど、これは多分選挙だな」
そんで、お優しい皆様はウグイス話を楽しみにしながら
待ってくださってるんだわ。
ごめんなさい‥違うの。
風邪を引いちまったのよ。
まず夫の姉カンジワ・ルイーゼが風邪を引いた。
老人ホームの厨房で働くルイーゼは、この数年、毎年風邪を引いている。
63才の身体に、5時起きの勤務はこたえるのだろう。
それはかまわないけど、この人、毎日うちへ来るじゃん。
ゴンゴン、ケンケンと身震いするような咳をしつつ日参して
義母ヨシコに感染。
ヨシコは寝込み、それを看病した私にも感染した。
毎年、このコースだ。
老人ホーム由来の風邪というのは
正直なところ気持ちがいいものではない。
老人を次々とむしばみながら、抗生物質をものともせず生き残った菌は
感染力も症状も強烈な気がしてしまう。
その菌をルイーゼが持ち込んだと思うと、気色の悪さと怒りは倍増する。
いかにも母親を気にかけるそぶりを見せながら
感染したらその大事な母親が苦しむという考えには至らない。
昔から慣れているとはいえ‥この浅はかがアレら母娘の特徴とはいえ‥
いつも情けない。
私も命が惜しいもんで、ここ数年、改善策を考えているが
名案というのは浮かばないものだ。
「治るまで来るな」
本人に厳しく言い渡すのが一番いいのはわかっている。
しかし、都合の悪いことは聞こえないのが彼女の耳。
渾身の思いで伝えたところで、馬耳東風なのは経験で知っている。
そこで今年は、ヨシコを責めることにした。
「何でこんなにひどい風邪を引いたのかしらん」
大好きな病気になって有頂天のヨシコが
そううそぶいた機を逃さず、私は言った。
「原因は、お義姉さんが持ち込んだ菌じゃが!」
一瞬、黙ったヨシコ、少し間を置いてから平然と言った。
「あら?何言ってんの?
こすずは花粉症よ?風邪じゃないよ?知らなかったの?
この風邪はね、隣の奥さんから感染ったんよ」
そうだった‥この婆さんはすり替え名人だった。
風邪はヨシコと私だけでなく、夫や息子たちにも拡がり
私はかなり腹を立てていたので食い下がった。
「うちはお義母さん一人を除いて、皆、働いてんのよ。
遊んでる人は寝てりゃいいけど、働く者には死活問題よ。
こっちは人数が多いんじゃけん、ナンボ毎日来たくても
常識を守ってもらわんと困るわ!」
熱で頭がボ〜ッとしていたのもあって、かなり突っ込んで言った。
ヨシコ、さすがにドッキリした様子だったが
この人の頭も熱でボ〜ッとしているもんだから、すぐに忘却のかなた。
もっと言ってやればよかった。
一家全滅、前後不覚、息も絶え絶えの日々は続いた。
その間、虫の息だったルイーゼの舅が亡くなる。
行かないわけにはいかない。
もうヤケじゃ!
亡くなった夜、お通夜、葬儀と3日続けて通った。
夜の田舎はひどく寒く、我ら一家の症状はさらに重篤化。
しかし寝込んではいられない。
夫と息子たちは仕事だ。
年末に向けた繁忙期、休んではいられない。
そのサポートと事務をしながら、家事を行う私も同じく。
毎日が日曜日のヨシコだけが病人をひけらかし
上げ膳下げ膳で療養中だ。
普段の私はタラタラしているのに、こういう時に限って用事が出てくるもので
行事、講習、来客と、連日何かがある。
弱った身体を引きずるようにしてこなし、やっと一段落した。
さあ!休むぞ!と誓いを新たにした矢先
同級生の友人けいちゃんのお母さんが亡くなって通夜、葬儀。
この時、私の流した涙は友人の母を悼むものではない。
初めて肉親を失い、嘆く友人を見てもらい泣きしたのでもない。
ひとえに身体の辛さであった。
というわけで、やっと元気になりました。
選挙も終わったので、少しずつウグイス日記に取りかかる所存です。
ご心配をおかけいたしました。