子供の頃、実家の食卓にはカリフラワーが頻繁に登場した。
似たような形状のブロッコリーは
田舎の八百屋にまだ流通してなかった頃だ。
私はカリフラワーが好きで、よく食べた。
今と違って食の細い子供だったので、カリフラワーをモリモリ食べると
母はたいそう喜んだものである。
カリフラワーは、今でも好きだ。
幼少期の温かい記憶もさることながら
フラワーという優しい名前からして、好ましい。
寒い時期はカリフラワーの旬なので
真っ白でモコモコした姿を見ると
つい買ってサラダ、炒め物、グラタン…色々な調理法で食べている。
先日、仲良し同級生の4人が集まり
ファミレスで食事をしたことはお話しした。
何年かぶりに訪れたガストはメニューが様変わりしていて
大半がガッツリ系の食事になっているのに驚く。
実家の母サチコへの対応で、少々胃をやられている私は
今の自分でも食べられそうな物を見つけるのに苦労した。
穴が開くほどメニュー表を見つめても、それらしき物は発見できない。
思い出せば数年前
サチコを連れて市外のガストへ行ったことがある。
席に着いてメニューを見ていると
「食べる物が無い」
サチコが不機嫌にほざき始めたので、やむなく店を出た。
「ワガママ言いおって!」
当時の私は腹立たしく思ったが、今ならその気持ちがわかる。
皆を心配させると悪いので、無理だったら残せばいいやと思い
少食のモンちゃんと同じ
ハンバーグなどの盛り合わせを注文し、結局残した。
そのガスト、近頃のイチ推しはフレンチ風のコースらしい。
前菜、スープ、サラダ、ハンバーグなどのメインにデザート
ドリンクバーがついて2千円弱だそう。
客単価を上げるために努力してます…とでも言いたげに
そのコースメニューだけ、大仰にテーブルの上に立ててある。
「とても食べられない…」
そう思って却下しようとしたが、スープの部分を見て食いつく。
“カリフラワーのスープ”。
カリフラワーって、スープにできるらしい…
そういえば、どこかで食べたことがある…
確か、美味しかったような…
何より今の私の胃に、良さそうではないか…
以後、私の頭の中はカリフラワーのスープに支配された。
そして先日、ついにカリフラワーのスープを作成。
うちの冷蔵庫には、茹でたカリフラワーがあった。
前日の夕食でサラダにしたが、長男と私が少しつついただけで
ほとんど一房、残っているのだ。
もう少し小さく切り直してベーコンと共に炒め
バター醤油で味付けして昼に出すつもりだったが
これをスープにしてみようと思い立った。
作り方は簡単だ。
5人分の材料は
⚫︎タマネギ半分から1個
⚫︎茹でたカリフラワー半分から1房
⚫︎バター小さじ2杯程度
⚫︎コンソメスープの素2個
⚫︎牛乳200CC
⚫︎砂糖、塩、コショウそれぞれ少々
⚫︎仕上げに生クリームとパセリ少々
①細切りにしたタマネギを、バターでしんなりするまで炒める
②茹でたカリフラワーを小さめに切り、①のしんなりタマネギと一緒に
塩、コショウ、砂糖をそれぞれ少々加えて1〜2分炒める
③タマネギとカリフラワーに、水か湯をヒタヒタより少し多めに加え
コンソメ2個を入れて2〜3分煮たら、火を止めて冷ましておく
④冷めたらミキサーに入れ(熱々のままだと溢れるから)
30秒から1分ほどガ〜
水分が少なくて回りにくければ、水を少々加える
⑤ミキサーにかけた物を鍋に移し
牛乳200CCを加えて弱火で温め、味が薄ければ塩で整える
⑥火を止め、仕上げに生クリームをたらしてパセリを散らしたら完成
牛乳は豆乳でもよく、サッパリが好きな人は水を多めにするといい。
かすかな甘みのための砂糖
仕上げの生クリームやパセリは無くても大丈夫。
このやり方でカボチャ、アスパラガス、ブロッコリー
トマト、ジャガイモ、コーン、カブなど
残り野菜でさまざまなスープができる。
ミキサーを引っ張り出すのが難点といえば難点だが
うちはよく使うので、すぐに取り出せる食器棚に置いている。
ミキサーを気軽に使うようになると、レパートリーが広がる。
で、自作のカリフラワースープを食べてみたざんす。
これが、うまいのなんの!
旨味の出かたは、こないだ作ったカボチャスープの比ではない。
家族にも好評だった。