今月の16日は同級生ユリちゃんの実家のお寺で、また料理を作った。
この日は、“施餓鬼供養(せがきくよう)”。
お寺にとっては大きな行事で、毎年行われる。
餓鬼に施すと書くからには、地獄でお腹を空かせ
餓鬼と化した亡者を供養するのかと思っていたけど
それだけではなく、全ての人間が多かれ少なかれ持っている
心の飢えや渇きを満たす目的もあるそう。
飢えや渇きより、台所の灼熱地獄をどうにかしてもらいたい私。
お経じゃどうにもならんわねぇ…と思っていたら、お盆はずっと雨じゃんか。
16日も朝から降ったりやんだりで涼しく、私の心は満たされた。
去年もそうだったが、この日は檀家さんが墓参りがてら行事に参加するため
家族連れもいて人数が多い。
だからちょっと気合いを入れて…と言いたいところだが
持ち帰りの折り詰めを減らせばいいだけなので、いつも通りだもんね。
洗い場担当のモンちゃんは仕事で欠席だけど、マミちゃんと2人で余裕よ!
しかし当日、お寺へ行ってみて、自分の見通しが甘かったと思い知る。
いつも通りの10時半に到着すると、台所が地獄絵図。
流しや調理台は洗い物の山、作業台も床も荷物置き場と化して歩くのもままならず
持ち込んだ料理を置くスペースも無い。
行事の時は、煮物や酢の物などの精進料理で構成されたミニチュアのお膳を3セット
仏前に捧げる習わしがある。
それを作るユリちゃんたちが、早朝に台所を使うこと…
檀家さんの供え物が届くので、それら現物や箱の類が台所に散乱していること…
言うなれば、ユリ寺のシステムをうっかり忘れていたのだ。
まず片付けから始めなければ、米を研ぐスペースすら無い。
「行事の準備を手伝ってくださる人が年々減って
私と義姉しか手が無いから片付ける時間が無くて…」
ユリちゃんはしきりに弁明するが
我々に片付けさせようと放置していたのは、今までの経験から明白。
だんだんひどくなってる。
台所はメチャクチャでも、ユリちゃんお得意の生け花は
今朝、生けたらしき新鮮を保ったままに飾ってある矛盾もお決まり。
人のことは言えないけど、片付けや掃除が苦手な人は得意分野に逃げるものさ。
片付けるのはかまわないが、会食は12時開始と決まっている。
間に合うのか?
私の担当分は、ほとんど家で作ってきたが
マミちゃんはお寺でかぼちゃコロッケを揚げるつもりだったので
揚げに専念してもらい、カバーに回る。
あと何分…時間を逆算しながら走り回る、このスリル。
病院の厨房時代を彷彿とさせられて、燃えるわ〜!
どうにか間に合った今回の会食は、総勢21人。
お祭の日を除き、ユリ寺でこの人数はお初じゃないかしらん。
この日は家族でお参りに来て、そのまま残る人が多かったのだ。
テーブルの全貌
思わぬ盛況に、ユリちゃん夫婦も嬉しそう。
座る席が無くなったので私とマミちゃんは別室で隔離状態だけど
このご時世に、知らんぞ、あんたら。
「うちらの功績も、ちょっとはあると思う」
「ほんま、ほんま、あの料理見たら帰られんよ」
我々は、密かに話すのだった。
みりこん作、冷やしソウメン汁
6月のお祭にも作ったが、この日も作ると決めていた。
前回、マミちゃん作のスープカレーを装ったトマトカレーは
ユリちゃんたちには大好評だったが、老人には厳しかったらしい。
その時、檀家最年長の85才のおばあちゃんが
「次はソウメンでいいからね」
と私に耳打ちしたので、ソウメンは外せなかったのである。
ソウメンは大きな鉢に盛ると楽だが、コロナのご時世柄、自粛して個別。
トッピングの錦糸卵、干し椎茸の甘辛煮、ミョウガ、大葉、カマボコは家で切って持参し
現地でソウメンだけ茹でた。
出汁は現地でヤマキ麺つゆ2倍希釈を水で4倍に薄め、アルミ鍋に入れておく。
その中へビニール袋に入れた氷をドボン。
こうして冷やしておいたものを、出す直前にかけた。
上はマミちゃん作、キュウリとトマトの中華風サラダ。
ドレッシングに入れた豆板醤がミソだそう。
みりこん作、鶏むね肉のチーズピカタ。
これは病院のメニュー。
安いし、疲労回復の成分が入っているそうなので鶏むね肉は今、ブーム。
一応、作り方をご紹介しておこう。
①ピカタ液を作る
・溶き卵テキトーに刻みパセリと粉チーズをガバッと入れ
薄口醤油でテキトーに味付け
(多過ぎて参考にならんだろうが、目安として…
この日は鶏むね肉8枚に卵7個、パセリひと束、粉チーズ1本弱、薄口醤油100CC)
②皮を除いたむね肉を1.5センチほどの厚さにスライスして
塩コショウと小麦粉をまぶす
③むね肉を一枚ずつピカタ液にくぐらては
熱して油をひいたフライパンに置き、両面がキツネ色になるまで焼く
以上。
肉をフライパンにあんまりたくさん並べると
隣とくっついて見苦しい仕上がりになるので、ほどほどの距離を保つのと
焼き過ぎないことがコツかしら。
柔らかくてジューシーで、やみつきになるかもよ。
みりこん作、ヤズ(ハマチの小さいの)の南蛮漬
例のごとく、長男の獲物。
甘酢に八角とシナモンを少し入れて、中華風を装う。
偏食で肉が食べられない兄貴の弟子のために用意したが
参加者に魚が大好物の中学生男子がいて、大半がその子のお腹に。
同じく鮎の甘露煮
例のごとく、次男の獲物。
いつもの炭焼きが面倒だったので、圧力鍋で煮た。
天然鮎が初めての参加者が多く、取り合いになっていた。
この日に限って少ししか作らなかったので申し訳なかったが、ま、いいか。
同じく春雨サラダ
もどした春雨に、ハム、キクラゲ、キュウリ、人参、錦糸卵、すりゴマを入れ
酢、砂糖、胡麻油、醤油で味付け。
錦糸卵は、ソウメン汁に使うのを流用した。
それはさておき、ソウメンがあるのに春雨。
去年も鯛ソウメンなのに皿うどんを作ったものだ。
わたしゃアホか。
でもやっちゃう。
作りたい物のひらめきは、止められないのさ。
マミちゃん作、かぼちゃコロッケ
前に作ってくれた時は本当にかぼちゃだけだったが
今回は玉ねぎと合挽き肉が入っている。
丸くて可愛らしくて、しかも美味しいと皆さんに好評。
私は数が足りなかったので、食べられなかった。
撮影しそびれたが、マミちゃんはかぼちゃの冷製スープも作っていて
これも好評だった。
紙コップに入れた、オレンジ色も鮮やかなスープにパセリを散らし
生クリームを数滴たらす、お店仕様。
こういう所に手を抜かないのがマミちゃんだ。
主食は、おむすび
番外…これ、な〜んだ?
ドライデーツ(乾燥させたナツメヤシの実)を使った
飲まない人には箸休め、飲む人にはおつまみ。
アンコのような甘味のドライデーツにクリームチーズの塩味が絶妙で
ワインにピッタリ。
デキる女を装いたいスケベ心にも、ピッタリ。
作り方は、料理というより簡単な工作。
①スーパーで、種抜き乾燥デーツを買う
②種が抜いてあるからには、種を抜き取った切れ目があるわけで
そこを探して実を縦に開く
③固形のクリームチーズを4センチの長さの棒状に切り、開いたところに横たえて埋め込む
④テキトーな大きさに切ったクルミをクリームチーズの上に押し込む
以上。
デーツは広島人にとって、馴染み深い木の実。
広島の県民食であるお好み焼きに多く使われる、オタフクお好みソースの甘味には
デーツが使われているからだ。
今は知らないが、うちの子が小学生の時は
製造元のオタフクソースから全児童に、デーツのプレゼントがあった。
一人に数粒ずつだけど、奪って食べていたものだ。
アカヌケ部門はいつもマミちゃんにお任せなので、私もたまには変わった物を…
と思って作ったが、事前に試食したユリちゃんが気に入ってしまい
みんなに出すなと言うので、出さなかった。
これはユリちゃんと兄嫁さんと、例の芸術家のアニキの3人に分割され
闇へと葬られたのである。
さて、この日は会食が終わると、皆さんサッサとお帰りになった。
いっそ人数が多ければ、デザートだのおやつだのと言っていられないため
引き際がいいのだ。
涼しかったこともあって、非常に楽ちんだった。
この日は、“施餓鬼供養(せがきくよう)”。
お寺にとっては大きな行事で、毎年行われる。
餓鬼に施すと書くからには、地獄でお腹を空かせ
餓鬼と化した亡者を供養するのかと思っていたけど
それだけではなく、全ての人間が多かれ少なかれ持っている
心の飢えや渇きを満たす目的もあるそう。
飢えや渇きより、台所の灼熱地獄をどうにかしてもらいたい私。
お経じゃどうにもならんわねぇ…と思っていたら、お盆はずっと雨じゃんか。
16日も朝から降ったりやんだりで涼しく、私の心は満たされた。
去年もそうだったが、この日は檀家さんが墓参りがてら行事に参加するため
家族連れもいて人数が多い。
だからちょっと気合いを入れて…と言いたいところだが
持ち帰りの折り詰めを減らせばいいだけなので、いつも通りだもんね。
洗い場担当のモンちゃんは仕事で欠席だけど、マミちゃんと2人で余裕よ!
しかし当日、お寺へ行ってみて、自分の見通しが甘かったと思い知る。
いつも通りの10時半に到着すると、台所が地獄絵図。
流しや調理台は洗い物の山、作業台も床も荷物置き場と化して歩くのもままならず
持ち込んだ料理を置くスペースも無い。
行事の時は、煮物や酢の物などの精進料理で構成されたミニチュアのお膳を3セット
仏前に捧げる習わしがある。
それを作るユリちゃんたちが、早朝に台所を使うこと…
檀家さんの供え物が届くので、それら現物や箱の類が台所に散乱していること…
言うなれば、ユリ寺のシステムをうっかり忘れていたのだ。
まず片付けから始めなければ、米を研ぐスペースすら無い。
「行事の準備を手伝ってくださる人が年々減って
私と義姉しか手が無いから片付ける時間が無くて…」
ユリちゃんはしきりに弁明するが
我々に片付けさせようと放置していたのは、今までの経験から明白。
だんだんひどくなってる。
台所はメチャクチャでも、ユリちゃんお得意の生け花は
今朝、生けたらしき新鮮を保ったままに飾ってある矛盾もお決まり。
人のことは言えないけど、片付けや掃除が苦手な人は得意分野に逃げるものさ。
片付けるのはかまわないが、会食は12時開始と決まっている。
間に合うのか?
私の担当分は、ほとんど家で作ってきたが
マミちゃんはお寺でかぼちゃコロッケを揚げるつもりだったので
揚げに専念してもらい、カバーに回る。
あと何分…時間を逆算しながら走り回る、このスリル。
病院の厨房時代を彷彿とさせられて、燃えるわ〜!
どうにか間に合った今回の会食は、総勢21人。
お祭の日を除き、ユリ寺でこの人数はお初じゃないかしらん。
この日は家族でお参りに来て、そのまま残る人が多かったのだ。
テーブルの全貌
思わぬ盛況に、ユリちゃん夫婦も嬉しそう。
座る席が無くなったので私とマミちゃんは別室で隔離状態だけど
このご時世に、知らんぞ、あんたら。
「うちらの功績も、ちょっとはあると思う」
「ほんま、ほんま、あの料理見たら帰られんよ」
我々は、密かに話すのだった。
みりこん作、冷やしソウメン汁
6月のお祭にも作ったが、この日も作ると決めていた。
前回、マミちゃん作のスープカレーを装ったトマトカレーは
ユリちゃんたちには大好評だったが、老人には厳しかったらしい。
その時、檀家最年長の85才のおばあちゃんが
「次はソウメンでいいからね」
と私に耳打ちしたので、ソウメンは外せなかったのである。
ソウメンは大きな鉢に盛ると楽だが、コロナのご時世柄、自粛して個別。
トッピングの錦糸卵、干し椎茸の甘辛煮、ミョウガ、大葉、カマボコは家で切って持参し
現地でソウメンだけ茹でた。
出汁は現地でヤマキ麺つゆ2倍希釈を水で4倍に薄め、アルミ鍋に入れておく。
その中へビニール袋に入れた氷をドボン。
こうして冷やしておいたものを、出す直前にかけた。
上はマミちゃん作、キュウリとトマトの中華風サラダ。
ドレッシングに入れた豆板醤がミソだそう。
みりこん作、鶏むね肉のチーズピカタ。
これは病院のメニュー。
安いし、疲労回復の成分が入っているそうなので鶏むね肉は今、ブーム。
一応、作り方をご紹介しておこう。
①ピカタ液を作る
・溶き卵テキトーに刻みパセリと粉チーズをガバッと入れ
薄口醤油でテキトーに味付け
(多過ぎて参考にならんだろうが、目安として…
この日は鶏むね肉8枚に卵7個、パセリひと束、粉チーズ1本弱、薄口醤油100CC)
②皮を除いたむね肉を1.5センチほどの厚さにスライスして
塩コショウと小麦粉をまぶす
③むね肉を一枚ずつピカタ液にくぐらては
熱して油をひいたフライパンに置き、両面がキツネ色になるまで焼く
以上。
肉をフライパンにあんまりたくさん並べると
隣とくっついて見苦しい仕上がりになるので、ほどほどの距離を保つのと
焼き過ぎないことがコツかしら。
柔らかくてジューシーで、やみつきになるかもよ。
みりこん作、ヤズ(ハマチの小さいの)の南蛮漬
例のごとく、長男の獲物。
甘酢に八角とシナモンを少し入れて、中華風を装う。
偏食で肉が食べられない兄貴の弟子のために用意したが
参加者に魚が大好物の中学生男子がいて、大半がその子のお腹に。
同じく鮎の甘露煮
例のごとく、次男の獲物。
いつもの炭焼きが面倒だったので、圧力鍋で煮た。
天然鮎が初めての参加者が多く、取り合いになっていた。
この日に限って少ししか作らなかったので申し訳なかったが、ま、いいか。
同じく春雨サラダ
もどした春雨に、ハム、キクラゲ、キュウリ、人参、錦糸卵、すりゴマを入れ
酢、砂糖、胡麻油、醤油で味付け。
錦糸卵は、ソウメン汁に使うのを流用した。
それはさておき、ソウメンがあるのに春雨。
去年も鯛ソウメンなのに皿うどんを作ったものだ。
わたしゃアホか。
でもやっちゃう。
作りたい物のひらめきは、止められないのさ。
マミちゃん作、かぼちゃコロッケ
前に作ってくれた時は本当にかぼちゃだけだったが
今回は玉ねぎと合挽き肉が入っている。
丸くて可愛らしくて、しかも美味しいと皆さんに好評。
私は数が足りなかったので、食べられなかった。
撮影しそびれたが、マミちゃんはかぼちゃの冷製スープも作っていて
これも好評だった。
紙コップに入れた、オレンジ色も鮮やかなスープにパセリを散らし
生クリームを数滴たらす、お店仕様。
こういう所に手を抜かないのがマミちゃんだ。
主食は、おむすび
番外…これ、な〜んだ?
ドライデーツ(乾燥させたナツメヤシの実)を使った
飲まない人には箸休め、飲む人にはおつまみ。
アンコのような甘味のドライデーツにクリームチーズの塩味が絶妙で
ワインにピッタリ。
デキる女を装いたいスケベ心にも、ピッタリ。
作り方は、料理というより簡単な工作。
①スーパーで、種抜き乾燥デーツを買う
②種が抜いてあるからには、種を抜き取った切れ目があるわけで
そこを探して実を縦に開く
③固形のクリームチーズを4センチの長さの棒状に切り、開いたところに横たえて埋め込む
④テキトーな大きさに切ったクルミをクリームチーズの上に押し込む
以上。
デーツは広島人にとって、馴染み深い木の実。
広島の県民食であるお好み焼きに多く使われる、オタフクお好みソースの甘味には
デーツが使われているからだ。
今は知らないが、うちの子が小学生の時は
製造元のオタフクソースから全児童に、デーツのプレゼントがあった。
一人に数粒ずつだけど、奪って食べていたものだ。
アカヌケ部門はいつもマミちゃんにお任せなので、私もたまには変わった物を…
と思って作ったが、事前に試食したユリちゃんが気に入ってしまい
みんなに出すなと言うので、出さなかった。
これはユリちゃんと兄嫁さんと、例の芸術家のアニキの3人に分割され
闇へと葬られたのである。
さて、この日は会食が終わると、皆さんサッサとお帰りになった。
いっそ人数が多ければ、デザートだのおやつだのと言っていられないため
引き際がいいのだ。
涼しかったこともあって、非常に楽ちんだった。