見てくれ部門に続き、出勤部門も
使う側と使われる側の意識に
大きな差がある。
悩める若者の出勤時間は、ギリギリが多い。
遅刻する度胸は無いが、不満は表現したい‥
自分の難儀の対価としては少ないと感じる給料で
こき使われる時間は1分でも惜しい‥
早く行ったら、苦しみが早く始まるだけ‥
ギリギリ出勤について
若者なりにもっともな理由を並べるが
どれも反抗心から生まれている。
悩める若者は、ささやかな反抗心を表現する
デモンストレーションとして軽く考えているが
周囲の受け止め方は異なる。
上司や同僚は、人の出勤時間を
ちゃんとチェックしているものだ。
ささやかな反抗心と引き換えに、失うものは多い。
仕事に悩む若者がいるぐらいだから
同僚の仕事も同じようにきつい。
同僚だって、あんまり行きたくない。
遠くても、身体がしんどくても
我慢して出てくるのに
自分より遅く来るやつがいる。
ひそかに注目するのは当然である。
交代制の仕事であれば、もっと注目する。
次が来ないと、自分の仕事に終わりが見えない。
来るのはわかってはいるが
顔を見なければ、ホッとする瞬間は訪れない。
交代要員の訪れは
解放が近いことを知らせる嬉しい合図なのだ。
日々同僚を待たせ、その心をすさませていることを
ギリギリに出勤する者は知らない。
和だの円満だのを望みながら
自ら叩き潰しているのがギリギリ出勤である。
上司は、もっと注目している。
挨拶を交わした直後は
ひそかに壁か腕の時計を見ているものだ。
上司にとって部下の出勤時間は
心象及び勤怠評価の上で、重要な物差しである。
残業は、いくら頑張っても物差しにならない。
わずかでも残業代が発生するからだ。
残業の規制は年々厳しくなっており
人件費削減の面においても
残業を奨励する企業は今や皆無。
近年では残業の多い社員は、能力を疑われる。
それだけなら本人の問題だが
残業の多い部下を持つ上司も
人件費削減に非協力的という罪により
部下の知らない所で上から管理能力を問われて
ガミガミ言われている。
部下の時間外勤務の集計なんぞ
見たくもないのが本音だ。
時間外勤務の対象にならない出勤時間に
目が行くのは当然である。
残業が当たり前の職場や
サービス残業ばかりの職場もあるが
残業に焦点を当てて頑張ったつもりになり
見返りが少ないと苦しむより
もう10分早く出勤する方が
世間の風を柔らかくするには効率が良い。
さらに、部下には無能に見える上司でも
経験だけは長い。
来るのが遅い者は、使えないか、続かないか
会社や自分に反抗心を持っているか
いずれにしても可愛げが無いことを
上司は経験で知っている。
例外を探してくれる物好きな上司は
滅多にいない。
その上、仕事というのは
始業時間や交代時間の直前に
よく事件が起きるものだ。
機械の故障、クレーム、急な段取り変更
出勤途中の誰かの事故‥
早めに出勤している者が協力し合って
急変の対策にあたることは、ままある。
労働基準法があるので誰も言いはしないが
始業前は一人でも多くの人数が欲しいのが
使う側の本音である。
一同が協力してピンチを乗り切った後
寝ぼけ面でやって来て何もしなかった。
もしくは出遅れて事情がつかめず
何もできなかった者の姿を周囲は忘れない。
仕事にゃなかなか来ないのに
飲み食いの席には早々とご登場‥
しかも会社から経費が出る時だけで
あとさきゃ欠席ときたもんだ‥
使う側は、よく見ているものだ。
そのような子を引き立ててやろうとは
誰も思わない。
こうして悩める若者は
能力発揮や親睦のチャンスを自ら失い続け
あてにされない人になっていく。
「あてにされると損よ」
そう言う大人もいる。
悩める若者は、これを聞いて揺れ
「もっともだ」とうなづく。
しかし、こと仕事においてこれを言う人で
有能な人物を私は見たことがない。
あてにされた経験が無いから言うのだ。
やり甲斐とは、あてにされることである。
仕事は、あてにされてナンボだ。
あてにされた見返りを求めるから、辛くなる。
給料をもらうだけでなく
会社に優しさや思いやりまでもらいたがり
与えられないから悩む。
会社が欲しい物を与えてくれないと泣くより
会社が本当に欲しがっているものを
自分から先に与えるのが
苦しみから脱出する近道だ。
まず10分早く出勤するところから
始めてもらいたい。
会社の欲しがるものは
通常、社則には書かれていない事柄である。
(続く)
使う側と使われる側の意識に
大きな差がある。
悩める若者の出勤時間は、ギリギリが多い。
遅刻する度胸は無いが、不満は表現したい‥
自分の難儀の対価としては少ないと感じる給料で
こき使われる時間は1分でも惜しい‥
早く行ったら、苦しみが早く始まるだけ‥
ギリギリ出勤について
若者なりにもっともな理由を並べるが
どれも反抗心から生まれている。
悩める若者は、ささやかな反抗心を表現する
デモンストレーションとして軽く考えているが
周囲の受け止め方は異なる。
上司や同僚は、人の出勤時間を
ちゃんとチェックしているものだ。
ささやかな反抗心と引き換えに、失うものは多い。
仕事に悩む若者がいるぐらいだから
同僚の仕事も同じようにきつい。
同僚だって、あんまり行きたくない。
遠くても、身体がしんどくても
我慢して出てくるのに
自分より遅く来るやつがいる。
ひそかに注目するのは当然である。
交代制の仕事であれば、もっと注目する。
次が来ないと、自分の仕事に終わりが見えない。
来るのはわかってはいるが
顔を見なければ、ホッとする瞬間は訪れない。
交代要員の訪れは
解放が近いことを知らせる嬉しい合図なのだ。
日々同僚を待たせ、その心をすさませていることを
ギリギリに出勤する者は知らない。
和だの円満だのを望みながら
自ら叩き潰しているのがギリギリ出勤である。
上司は、もっと注目している。
挨拶を交わした直後は
ひそかに壁か腕の時計を見ているものだ。
上司にとって部下の出勤時間は
心象及び勤怠評価の上で、重要な物差しである。
残業は、いくら頑張っても物差しにならない。
わずかでも残業代が発生するからだ。
残業の規制は年々厳しくなっており
人件費削減の面においても
残業を奨励する企業は今や皆無。
近年では残業の多い社員は、能力を疑われる。
それだけなら本人の問題だが
残業の多い部下を持つ上司も
人件費削減に非協力的という罪により
部下の知らない所で上から管理能力を問われて
ガミガミ言われている。
部下の時間外勤務の集計なんぞ
見たくもないのが本音だ。
時間外勤務の対象にならない出勤時間に
目が行くのは当然である。
残業が当たり前の職場や
サービス残業ばかりの職場もあるが
残業に焦点を当てて頑張ったつもりになり
見返りが少ないと苦しむより
もう10分早く出勤する方が
世間の風を柔らかくするには効率が良い。
さらに、部下には無能に見える上司でも
経験だけは長い。
来るのが遅い者は、使えないか、続かないか
会社や自分に反抗心を持っているか
いずれにしても可愛げが無いことを
上司は経験で知っている。
例外を探してくれる物好きな上司は
滅多にいない。
その上、仕事というのは
始業時間や交代時間の直前に
よく事件が起きるものだ。
機械の故障、クレーム、急な段取り変更
出勤途中の誰かの事故‥
早めに出勤している者が協力し合って
急変の対策にあたることは、ままある。
労働基準法があるので誰も言いはしないが
始業前は一人でも多くの人数が欲しいのが
使う側の本音である。
一同が協力してピンチを乗り切った後
寝ぼけ面でやって来て何もしなかった。
もしくは出遅れて事情がつかめず
何もできなかった者の姿を周囲は忘れない。
仕事にゃなかなか来ないのに
飲み食いの席には早々とご登場‥
しかも会社から経費が出る時だけで
あとさきゃ欠席ときたもんだ‥
使う側は、よく見ているものだ。
そのような子を引き立ててやろうとは
誰も思わない。
こうして悩める若者は
能力発揮や親睦のチャンスを自ら失い続け
あてにされない人になっていく。
「あてにされると損よ」
そう言う大人もいる。
悩める若者は、これを聞いて揺れ
「もっともだ」とうなづく。
しかし、こと仕事においてこれを言う人で
有能な人物を私は見たことがない。
あてにされた経験が無いから言うのだ。
やり甲斐とは、あてにされることである。
仕事は、あてにされてナンボだ。
あてにされた見返りを求めるから、辛くなる。
給料をもらうだけでなく
会社に優しさや思いやりまでもらいたがり
与えられないから悩む。
会社が欲しい物を与えてくれないと泣くより
会社が本当に欲しがっているものを
自分から先に与えるのが
苦しみから脱出する近道だ。
まず10分早く出勤するところから
始めてもらいたい。
会社の欲しがるものは
通常、社則には書かれていない事柄である。
(続く)