曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

「真田丸」第1回「船出」の感想

2016-01-11 11:24:58 | 大河ドラマ


昨日から始まったNHK大河ドラマ「真田丸」第一回を見た。どこまで続けられるか分からないが、これから毎週なるべく遅れないように感想を書いていこうと思う。

三谷幸喜脚本の大河「新選組!」も全部見たが、新選組本格始動までの青臭いドラマが長すぎて、新選組が一番輝いていた山場の池田屋事件が短かったり(確か一話)するなどペース配分が下手くそな作品だった。

「真田丸」は子役を使った幼少期などはなく、いきなり成人から始まった。「新選組!」も成人からだったが、最初の二人で徳川軍を偵察に行って見つかって逃げるシーンが「新選組!」冒頭の黒船見物シーンに似ていて(たぶん意図的に似せている)、若干不安な立ち上がり。簡単に馬を奪われた徳川軍間抜けすぎだし。

堺雅人が顔芸する。役作りとしては「リーガルハイ」の古美門研介に近い。真田幸村(信繁)の世間のイメージは、知勇兼備のきりっとしたイケメンだと思う。堺雅人は黙っていればイケメンだが、顔芸をやり出すとどうなのか。三谷幸喜は新しい幸村像を創ろうとしているのだろうか。幸村は現代に伝わる情報が少ない武将だから、ある程度は自由にやれるし。

心配していた大泉洋は、逆に抑えた演技。ちょっと頼りない雰囲気はいつも通りだが、僕の中の真田信幸のイメージ(優秀だが地味)から大きく外れてない。昔の「真田太平記」で信幸役だった渡瀬恒彦と顔立ちが似ていなくもない、というのもある。

親父の真田昌幸は「真田太平記」で幸村を演じた草刈正雄。これはいい配役。ちょっと声が枯れてて聞き取りにくいが。

その昌幸、初回から飛ばす。力強く断言しておいて瞬時に落とす。

「この真田安房守がいる限り武田家は安泰」
  ↓
「武田家はもうダメだ。織田家の勢いは長篠の時より凄い」

「(俺が縄張りした)新府城が一番安全」
  ↓
「新府城は捨てる。未完成だから危険」

「富士山や浅間山が噴火でもしない限り武田家は安泰」
  ↓
浅間山が48年ぶりに大噴火
さすがの昌幸も呆然www
信繁「まあ火山だから火を噴くこともあります…」

どこまで本当のことを言ってるのか分からない怪しさは、秀吉をして最強の謀略家と言わしめた謀将・真田昌幸のイメージに合ってたと思う。「真田太平記」の昌幸役・丹波哲郎に優るとも劣らないとぼけっぷり。これは期待できそう。

割りと裏切りそうもない俳優(榎木孝明)の穴山梅雪もあっさり裏切り、裏切る度胸もなさそうな俳優(温水洋一)の小山田信茂も裏切った。裏切りと嘘ばっかりの信用できない戦国時代のルールを十分に示した第一回だった。三谷作品では、映画「清須会議」のノリに近いかも。この方向性を最後まで維持していってほしい。

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