304人が犠牲になった韓国の旅客船セウォル号沈没事故から1年を迎えた16日、遺族らは韓国政府が船体引き揚げを確約していないとして、ソウル郊外の安山で午後に予定されていた追悼式への出席を拒否、式典は急きょ中止となった。朴槿恵大統領はこれに先立ち「可能な限り早期に船体を引き揚げたい」との国民向け談話を発表したが、遺族の政府に対する不信感は拭えず、韓国社会で事故をめぐる混乱が収拾していないことが浮き彫りになった。事故1年に合わせ各地で追悼行事が行われたが、多くの生徒が犠牲となった高校のある安山での追悼式は約5千人が参加する最大規模の行事だった。