★さて、これが提言の全文です。
内閣総理大臣 菅義偉殿
内閣官房長官 加藤勝信殿
経済安全保障の強化を求める緊急提言
令和3年5月21日
日本の尊厳と国益を護る会(護る会)
差し迫った対処を要する日本の課題のひとつが、経済における安全保障にあることが明らかになっている。
まず憂慮すべき事案が頻発している。「LINEの情報漏洩」「東芝の経営不安」「中国企業テンセントによる楽天への出資」、さらに、JAXA ( 宇宙航空研究開発機構 ) や防衛産業をはじめ日本の200にのぼる研究機関、企業が中国軍のサイバー専門部隊『61419部隊』の指示などによるサイバー攻撃を受けていた犯罪事実が警視庁公安部の捜査で暴かれた。
これらは象徴的事案であり、背景には日の丸半導体のシェア急落に始まる日本の落日に対する政策の不足、遅れと、技術を守るセキュリティ政策の甘さがある。
また中国に依存する産業体制の危うさが、コロナ感染症 ( 武漢熱 ) によって明らかになった。マスクや医療用ガウンすら不足し、わが国サプライチェーンの脆弱性が露呈した。
今や、機微技術の保全、サプライチェーンの国内化、経済分野の包括的な情報管理、投資や研究資金の中国依存を克服することをはじめ、経済分野における安全保障体制について、法整備を含め早急に改善せねば国を危うくする段階に立ち至っている。
菅総理はバイデン米大統領と日米共同声明において経済安全保障に言及し、「日米両国は ( 中略 ) 半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携する」と述べたうえで「日米両国は、二国間、あるいはG7やWTOにおいて、知的財産権の侵害、強制技術移転、過剰生産能力問題、貿易歪曲的な産業補助金の利用を含む、非市場的及びその他の不公正な貿易慣行に対処するため引き続き協力していく」と強調し、中国の脅威を具体的に列挙し日米共同の対処を強く打ち出した。
この対米公約は世界への公約でもある。
よって護る会は政府に対し、経済安全保障体制の構築のため以下の諸点を強く求める。
【記】
1.日の丸半導体の再興を積極果敢に進め、世界経済の先行きの主導権を日本が確保する。
2.国民はLINE問題での教訓を汲み、通信アプリやITプラットフォーム ( 動作環境 ) において信頼できる国産ITインフラストラクチャ ( 社会基盤 ) の登場を望んでおり、官民連携によりこれを育成する。
3.データセンター ( IT機器を収容し運営する施設 ) の国内化を戦略的に推進する。そのためには電力についてCo2削減と両立する供給安定、コスト削減が不可欠であり、一定程度の原子力発電の再稼働、さらに高度化が不可欠である。
4.サプライチェーン ( 原材料調達から製造、販売までの包括的な供給網 ) の国内化と多角化を進め、中国依存からの脱却を図る。政府の調達改革を含め、サプライチェーンを二度と海外依存にしない万全の対策をとる。自治体にも積極的に呼び掛ける。
5.インバウンド ( 外国人の訪日旅行 ) 頼みの経済構造は不正常な投機も招いている現実を直視し、依存を脱し、観光業においても内需重視に転換する。
6.国産ワクチンの開発製造体制を確立する。感染症は今後も発生が懸念され、ワクチンは国民の生命に直結する戦略物資であって、ワクチンの外国依存は国民の生命を外国に依存することに等しい。ワクチンを新たに国家安全保障のフロジェクトとして位置づけ、研究開発および製造の体制を確立するとともに、平時においても生産設備が維持できるよう国の責任においてワクチンを買い上げる制度を構築する。
7.機微技術や個人情報等を有する国内企業や大学、研究機関について、研究資金の提供から被買収に至るまで外国からの影響を排除できるよう、すでに一定の効果を発揮している改正外為法に加え、さらに効果的な投資ルールを確立する。
また、日本版CIFIUS ( 対日投資委員会 ) といった審査機関を創没し、規制の実効性を確保する。
8.官民の人事交流を進めるため、セキュリティ・クリアランス ( 秘密に関わる従事者の適格性確認 ) と秘密保持義務を強化する。
9.経済安全保障の専門部署を充実強化し、国家安全保障局経済班、内閣情報調査局、公安調査庁等の連携強化による ( 1 ) 情報の収集と分析 ( 2 ) 情報保全 ( 3 ) 情報戦略の立案―について能力向上を図る。
10.国家安全保障戦略 ( NSS ) の見直しにおいて、経済安全保障を確実に組み込む。
11.中小企業が中国資本に買収され、技術力の流出を招いたあとに企業が潰される現状を規制する。
12.研究者・技術者の引き抜きによる技術流出を総合的に防止する観点から、機微技術や戦略物資の研究開発あるいは製造に携わる研究者、技術者の現況把握をOBを含め新たに行う。さらに、わが国における研究者、技術者の処遇改善、活躍の場の確保に努める。
13.JAXAへの中国軍によるサイバー攻撃が警察当局によって確認され、あるいは米国の石油パイプラインへのサイバー攻撃も起きている。先進技術を持つ機関、防衛産業、企業、及び重要インフラが攻撃に晒されないよう、政府の機能を包括的に統合し、また官民が連携することによる総合サイバー防御体制の樹立と高度化を急ぐ。
14.孔子学院に対し政府が正確な実態把握を行い、大学の自治を確保しつつ注視を強める。
15.ジェノサイドの証言が相次ぐウイグルにおける強制労働の結果を、日本が利用しない体制を整え、国内生産への切り替えを進める
16.自由主義社会の連携によって経済力、技術力を高め、中国を筆頭に安全保障上の懸念がある国への機微技術、戦略物資の流出を防ぐための仕組みが必要となっている。まず、最優先の課題として、対中国版「ココム」 ( 輸出統制委員会 ) の創設を検討する。
17.日本学術会議が国内の防衛技術研究を禁じる一方で、中国との防衛技術の共同研究を推進してきた事実が存在し、それらを積極的に自己改革する案も出ない現状に鑑み、日本学術会議への政府の関与を停止し、別途、科学技術安全保障会議 ( 仮称 ) の創設を検討する。
( ※ 護る会は、自由民主党衆参両院議員66名でつくる。代表・青山繁晴参議院議員 )
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内閣総理大臣 菅義偉殿
内閣官房長官 加藤勝信殿
経済安全保障の強化を求める緊急提言
令和3年5月21日
日本の尊厳と国益を護る会(護る会)
差し迫った対処を要する日本の課題のひとつが、経済における安全保障にあることが明らかになっている。
まず憂慮すべき事案が頻発している。「LINEの情報漏洩」「東芝の経営不安」「中国企業テンセントによる楽天への出資」、さらに、JAXA ( 宇宙航空研究開発機構 ) や防衛産業をはじめ日本の200にのぼる研究機関、企業が中国軍のサイバー専門部隊『61419部隊』の指示などによるサイバー攻撃を受けていた犯罪事実が警視庁公安部の捜査で暴かれた。
これらは象徴的事案であり、背景には日の丸半導体のシェア急落に始まる日本の落日に対する政策の不足、遅れと、技術を守るセキュリティ政策の甘さがある。
また中国に依存する産業体制の危うさが、コロナ感染症 ( 武漢熱 ) によって明らかになった。マスクや医療用ガウンすら不足し、わが国サプライチェーンの脆弱性が露呈した。
今や、機微技術の保全、サプライチェーンの国内化、経済分野の包括的な情報管理、投資や研究資金の中国依存を克服することをはじめ、経済分野における安全保障体制について、法整備を含め早急に改善せねば国を危うくする段階に立ち至っている。
菅総理はバイデン米大統領と日米共同声明において経済安全保障に言及し、「日米両国は ( 中略 ) 半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携する」と述べたうえで「日米両国は、二国間、あるいはG7やWTOにおいて、知的財産権の侵害、強制技術移転、過剰生産能力問題、貿易歪曲的な産業補助金の利用を含む、非市場的及びその他の不公正な貿易慣行に対処するため引き続き協力していく」と強調し、中国の脅威を具体的に列挙し日米共同の対処を強く打ち出した。
この対米公約は世界への公約でもある。
よって護る会は政府に対し、経済安全保障体制の構築のため以下の諸点を強く求める。
【記】
1.日の丸半導体の再興を積極果敢に進め、世界経済の先行きの主導権を日本が確保する。
2.国民はLINE問題での教訓を汲み、通信アプリやITプラットフォーム ( 動作環境 ) において信頼できる国産ITインフラストラクチャ ( 社会基盤 ) の登場を望んでおり、官民連携によりこれを育成する。
3.データセンター ( IT機器を収容し運営する施設 ) の国内化を戦略的に推進する。そのためには電力についてCo2削減と両立する供給安定、コスト削減が不可欠であり、一定程度の原子力発電の再稼働、さらに高度化が不可欠である。
4.サプライチェーン ( 原材料調達から製造、販売までの包括的な供給網 ) の国内化と多角化を進め、中国依存からの脱却を図る。政府の調達改革を含め、サプライチェーンを二度と海外依存にしない万全の対策をとる。自治体にも積極的に呼び掛ける。
5.インバウンド ( 外国人の訪日旅行 ) 頼みの経済構造は不正常な投機も招いている現実を直視し、依存を脱し、観光業においても内需重視に転換する。
6.国産ワクチンの開発製造体制を確立する。感染症は今後も発生が懸念され、ワクチンは国民の生命に直結する戦略物資であって、ワクチンの外国依存は国民の生命を外国に依存することに等しい。ワクチンを新たに国家安全保障のフロジェクトとして位置づけ、研究開発および製造の体制を確立するとともに、平時においても生産設備が維持できるよう国の責任においてワクチンを買い上げる制度を構築する。
7.機微技術や個人情報等を有する国内企業や大学、研究機関について、研究資金の提供から被買収に至るまで外国からの影響を排除できるよう、すでに一定の効果を発揮している改正外為法に加え、さらに効果的な投資ルールを確立する。
また、日本版CIFIUS ( 対日投資委員会 ) といった審査機関を創没し、規制の実効性を確保する。
8.官民の人事交流を進めるため、セキュリティ・クリアランス ( 秘密に関わる従事者の適格性確認 ) と秘密保持義務を強化する。
9.経済安全保障の専門部署を充実強化し、国家安全保障局経済班、内閣情報調査局、公安調査庁等の連携強化による ( 1 ) 情報の収集と分析 ( 2 ) 情報保全 ( 3 ) 情報戦略の立案―について能力向上を図る。
10.国家安全保障戦略 ( NSS ) の見直しにおいて、経済安全保障を確実に組み込む。
11.中小企業が中国資本に買収され、技術力の流出を招いたあとに企業が潰される現状を規制する。
12.研究者・技術者の引き抜きによる技術流出を総合的に防止する観点から、機微技術や戦略物資の研究開発あるいは製造に携わる研究者、技術者の現況把握をOBを含め新たに行う。さらに、わが国における研究者、技術者の処遇改善、活躍の場の確保に努める。
13.JAXAへの中国軍によるサイバー攻撃が警察当局によって確認され、あるいは米国の石油パイプラインへのサイバー攻撃も起きている。先進技術を持つ機関、防衛産業、企業、及び重要インフラが攻撃に晒されないよう、政府の機能を包括的に統合し、また官民が連携することによる総合サイバー防御体制の樹立と高度化を急ぐ。
14.孔子学院に対し政府が正確な実態把握を行い、大学の自治を確保しつつ注視を強める。
15.ジェノサイドの証言が相次ぐウイグルにおける強制労働の結果を、日本が利用しない体制を整え、国内生産への切り替えを進める
16.自由主義社会の連携によって経済力、技術力を高め、中国を筆頭に安全保障上の懸念がある国への機微技術、戦略物資の流出を防ぐための仕組みが必要となっている。まず、最優先の課題として、対中国版「ココム」 ( 輸出統制委員会 ) の創設を検討する。
17.日本学術会議が国内の防衛技術研究を禁じる一方で、中国との防衛技術の共同研究を推進してきた事実が存在し、それらを積極的に自己改革する案も出ない現状に鑑み、日本学術会議への政府の関与を停止し、別途、科学技術安全保障会議 ( 仮称 ) の創設を検討する。
( ※ 護る会は、自由民主党衆参両院議員66名でつくる。代表・青山繁晴参議院議員 )
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