題名通りの本。実に軽快でユーモアに満ちた語りだが、実に深刻な文明の脆弱を示して終わる。不恰好なトースターは我らの社会の一人が物流も経済も拒絶して多少の道具を使うことを許すとして、簡単と思う電化製品を作る行為が途方もない回り道であることを予想しない者はいないだろう。
まさかそんな著者がマルクスの『経済学・哲学草稿』を引用するとは思わなかった。我々は労働以外のところで欲求を満たす。独力でトースターを作ってみたいという欲求は無数の疎外された労働ー外的なー労働を経ずには満たされず、たとえトースターが完成したとしても、供給される電気は自分で労働して生じさせた訳ではない。鉄学草稿としてはよくやった。ニッケルはインチキだったし、プラスチックは反則だった。
まさかそんな著者がマルクスの『経済学・哲学草稿』を引用するとは思わなかった。我々は労働以外のところで欲求を満たす。独力でトースターを作ってみたいという欲求は無数の疎外された労働ー外的なー労働を経ずには満たされず、たとえトースターが完成したとしても、供給される電気は自分で労働して生じさせた訳ではない。鉄学草稿としてはよくやった。ニッケルはインチキだったし、プラスチックは反則だった。