神事に仕える日本人には清めが必要なのだ。「綱を締めるたびに体が清められる感じがした。気も引き締まり、今までの土俵生活とまったく違った」稀勢の里
保江邦夫さんは、今上天皇が祝之神事(はふりのしんじ)という御神事をお受けになったきっかけとなった最大の功労者で、立役者。祝之神事は、皇太子即位の際に行われる儀式のことで、天皇霊と深く繋がり、現人神(あらひとがみ)としての御力をさらに強く授かるためのものです。
霊力に大変優れていた花山(かざん)天皇、その子孫、白川家によって執り行われる祝之神事は、伯家神道(はっけしんとう)=白川神道という神道の流派が行います。大正天皇、昭和天皇、平成天皇はこれを受けられておらず、本物の伯家神道は途絶えたかと思われていました。
それを類まれなる霊力で再興させた中臣鎌足。その時代からの神事の記録を持つ京都のとある神社、白川家には跡取りがおらず、巫女様の80代半ばのおばあちゃんが当時の後継者でした。令和が始まる少し前ですね。
そこで後継者として白羽の矢が立ったのが保江邦夫さんでした。彼はその頃、物理学者としてラジオ出演するなど有名だった博士。白川家では、いざという時には、宇宙の真理をよく求めている者を選ぶようにと言い伝えられていました。この巫女様が、当時は「白い着物の謎の集団」と怪しがる保江邦夫さんにコンタクトを取り続けます。