公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1 」 

2015-08-08 23:28:15 | 今読んでる本
イスラエルを批判できる資格を持つのはイスラエル人だけである。このシリーズは米国におけるイスラエル・ロビーの過剰な権力を告発しているが、これほどのイスラエル批判を米国内で出版したり記事にしたりすることができないという告白事実自体が米国民主主義システムの深刻な腐食を表している。この本の存在形態自体が告発である。当時、相当の衝撃を中東研究者に与えたと思われる。

「キリスト教の西洋で、ユダヤ人が受けた苦難の歴史である。特に悲劇的なホロコーストの経験である。・・・・だがイスラエルの建国は新たな犯罪を創りだした。ほとんど罪のない第三者であるパレスチナ人がこれに巻き込まれたのだ。」


ユダヤ人は苦難の歴史があっただろう。しかしそれは基督教社会という狭い世界の話で、全世界から市民として扱われずにユダヤ人が追放されていた歴史ではない。思い出すのはアラファト議長にむかってテロリストと言ったテレビ朝日の女性キャスターK悦子、無知というか、メディアの刷り込みがひどいというか、パレスチナ=テロリストと反射的に反応するように映像を見せつけられている。




イスラエルの国民が本当のユダヤ人かどうかはともかく、米国内のユダヤ人は明らかに有力な影響力をもエスニック・グループであるが、しかし。そういうグループはバスク人にも中国人にも朝鮮人にもある。そしてどのグループもユダヤ人のやり方を恥ずかしげもなく真似している。米国民がすでに自らの歴史で作り上げた壁、人種差別、WASPを超えて社会的地位を得るにはこうしたロビー活動(真に実力のある者にとってはロビー活動との軋轢を避ける妥協)が不可欠になっている。母国のためにロビー活動をするというのも富を得たものの美徳として受け入れられている。【私の基準ではこのような富者は完全な非国民、場合によっては外患誘致者である】米国政府、とくに大統領が中立の見解を示すだけでは不足なのだ。ジミー・カータがどれほど彼らにとって反イスラエルで、ロビー活動で無能な政治家として沈められたかも描かれている。しかし最も恐ろしい事実は、こういう批判ができるのはイスラエル出身者(ユダヤ人とは限らない)だけという闇の王国の存在を誰も否定出来ないという程に、米国の統治権の事実上の簒奪が完成しているということだろう。これは米国に関する解説書だ。
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