公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

eros geld gewalt

2011-01-05 22:10:52 | マキャヴェッリ
どんな世界にもエロと金と暴力が三角関係で均衡し繋がりながら波状している。ただそれだけでは禽獣の世界と変わらないが、人間はまず禽獣である。その上で名誉や足跡を子孫に残したいと願う。
どんな時代にもエロ(生命力:チョキ)は重要で、今草食系男子が流行している流れはちょっとおかしい。人間は暴力(法と権威と力:グー)を行使することなくエロを支配するためには、金(資金、収入、地位:パー)の力を通じてエロに支配されながらエロを暴力示唆で支配しようと倒錯する。禽獣とは違う人間社会の特長がその輪を観念の上で逆流させている。

観念優位である人間ほど社会の下半身とも言うべきエロと金と暴力の三角関係を否定するが、この三角が充実して波状している社会は成長型社会と言っていい。この成長がゼロサムゲームに変容すると、失わないことを最大化するので、力の永続と身内の現在価値に走る。エロの永続、暴力の永続、金の永続。閉ざされたエロ、閉ざされた暴力、閉ざされた金。
いずれもバブル崩壊後の社会のキーワードとなっている。

ゼロサムゲームから縮小均衡ゲームに至る転換期の現在は、三角関係ゲームの外に追い出す側が主導する禽獣社会が極まる。従って今はマキャベリの時代が大いに参考になる。

鬱積を無差別殺傷で解消しようというのは、無理やりでも人間社会の下半身三角形に飛び込んで存在確認を果たそうとする禽獣の証明の様な行為だ。

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中国高官は酒池肉林を楽しむ (Okayama)
2011-01-06 13:59:18
【石平のChina Watch】中国高官は酒池肉林を楽しむ
2011.1.6 09:44
『水滸伝』を実演する民衆
 中国のネットでは最近、「中国四大古典小説」にちなんだ面白い小話が流されている。中国の国内状況を実によく描き出したものなので、それを取り上げて今年最初の本欄を飾る。
 「中国四大古典小説」とは『紅楼夢』『三国演義』『水滸伝』『西遊記』の4つだが、例の小話はこうである。
 「われら中国人民は今、四大古典小説を実演している。エリートと金持ちは『西遊記』をやり、高級幹部は『紅楼夢』を楽しみ、地方政府は『三国演義』を繰り広げる。庶民たちはやることが何もないから、皆で『水滸伝』を演じてみせる」
 小話に出た「古典小説」ごとに解説すると、こういう内容となるのである。
 まずは『西遊記』。それは孫悟空が唐三蔵の供をして西域へ仏典を求めに行く物語だが、小話がその書名をもじって「エリートと金持ちは『西遊記』をやる」と言うのは実は、中国のエリートや富裕層が群をなして西側の先進諸国へ移住する現象を指している。本欄もかつて記したように、「第三の移民ブーム」と呼ばれる「中国からの大逃亡」はすでに始まっている。
 次は『紅楼夢』である。この小説は「中国の『源氏物語』」とも呼ばれて、清王朝時代の高官一族にまつわる「恋とエロスの世界」を描いたものだが、「高級幹部は『紅楼夢』を楽しむ」とはすなわち、共産党の高官たちは愛人を囲って酒池肉林の生活を送っている実態への風刺である。
 中国では今、高官は愛人の1人や2人囲うのが「当たり前」のこととなっているが、愛人を囲うのに当然カネが必要だから、高官たちは結局汚職に手を染めてしまう。一昨年摘発された大物汚職幹部の広東省政治協商会議の陳紹基主席や深セン市の許宗衡市長はその典型例だが、愛人に収賄を告発されて捕まったり、愛人の恫喝(どうかつ)に業を煮やしてそれをあやめたりして身を滅ぼした汚職幹部のケースも続出している。とにかく、高官という高官が禁断の愛欲に溺れて汚職に走るというのは、まさに「世紀末中国」の救い難い現状である。
 次に『三国演義』が出たのは何ごとかといえば、実は今の中国の地方政府と地方の幹部たちは、各自の利権増大のために中央政府の方針や政策に面従腹背して乱開発に走ったり勝手に政令を発したりし、まるで三国時代の地方政権乱立のような状況となっているから、「地方政府は『三国演義』を繰り広げる」と揶揄(やゆ)されるのである。
 このような時勢下で、愛人囲いのぜいたくざんまいや経済的利権とは無縁な一般民衆はどうしているのかというと、小話の出す答えはすなわち、「皆で『水滸伝』を演じてみせる」という。そう、『水滸伝』の中の英雄豪傑が朝廷の暴政に反抗して立ち上がったかのように、中国人民は今、あちこちで騒乱や暴動を起こして反乱を始めている。最近の例を挙げると、昨年11月15日に湖南省●州市で二輪車の再登録を認められなかった民衆ら約2万人が警察と衝突、100人以上が負傷、警察車両7台が破壊された事件や、12月5日に吉林省長春市で、車を運転する警官の男性が女性をはねた上、抗議する女性の娘を殴打したことをきっかけに付近の市民数千人が抗議した事件などがあるが、同12月9日付の香港紙『明報』も、現在の中国は「暴動頻発期」に入ったと伝えている。
 民衆の不満はすでに限界に達していることがそれでよく分かるのだが、そのまま行けば、エリートが海外へ逃げ出して共産党の幹部が『紅楼夢』を楽しんでいる中で、天下はやがて『三国演義』の描く「大乱世」に陥っていくだろうか。

【プロフィル】石平
 せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
●=都の者を林に
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