公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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「過酸化水素は幹細胞に有益である」という刺激的タイトルの論文が発表された

2011-01-06 12:15:42 | 白金ナノコロイド
「過酸化水素は幹細胞に有益である」という刺激的タイトルの論文が発表された。


Nature Chemical Biology, 2010年12月27日

活性酸素種(ROS)は一般に、発作や脳卒中、神経変性などの病態と関係している。Nature Chemical Biologyで発表される研究では、成体の脳の海馬の幹細胞でROS産生の利点が発見された。

C Changたちは、新しい蛍光指示物質を利用して、過酸化水素(H2O2)というROSがNox2という酵素の作用によって脳の幹細胞で生成することを明らかにした。このH2O2は、正常な細胞の増殖の促進に関与するAktというシグナル伝達タンパク質を調節する。

ROSを生成するこのNox酵素をもたない人は、ROSが有害であると仮定した場合に考えられるような認知障害を示す。この研究成果は、大量の脳中ROSが例外なく有害であるという見方に異を唱えている。


この論文の原文はまだ読んでいないが、Nox2が細胞内でROSを発生させていることから、総てのROSが有害であるという考えは誤りであることは、すでに知られているが、適量の範囲のROS濃度と細胞死の領域の過剰なROS濃度とは区別して論じなければならない。またメディアがこれをゆがめて記事を書くんだろうな。少なくとも培養細胞の研究(北大歯学部細胞分子薬理 野村らのポスター発表)ではNOX2の活性は白金濃度依存的に上昇している。これは細胞の側のホメオスタシスで補償的に反応しているのかもしれない。


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