モジュール化・見える化・研究のオープン化は大きな罠。逆を張って、アンチIOTで生き残るのが日本の製造業
装置の神経ネットワーク化・分解解析不能・研究の秘匿。分解したらすぐに原子構造が崩れて内部のネットワークが読み取れなくなる(量子化設計)、その原理の秘匿。マクロ部品の集合性を高度化する(個々の部品単独では機能させるインターフェイスが欠落=接点のない部品)。
日本経済研究所よ、もう一度亀吉に還れ
設立趣旨書
(一) 産業界の復興発展はわが国当面の急務であり又平和民主主義国家再建の根幹である。食糧問題の解決と悪性インフレの克服と、そして窮極においては、日本民族の運命も、根本の打開策は総べてこの一点に集中して来る。然るにわが国産業復興を現在停頓させてる事由は極めて複雑且つ深刻であって、日本産業が再び世界市場を闊歩し得る坦途に出るためには、尚相当期間峻嶮な荊棘の途を歩まねばならぬであろう。祖国を亡国から救うため、我々は今かかる難路を満身創痍の身を以て一日も早く突破せねばならないのである。
今、我が経済は疲労困憊のドン底に喘いでいる。その回復への努力が一日でも手後れとなることは、国家経済の衰弱を愈々激甚にし、その再起を益々困難ならしめる。この際一刻も速かにわが国産業経済の回復を図ることが何よりも必要である。これがためには、仮令拙速主義的弊害は多少あっても速やかに効果を挙げ得る凡ゆる手段を遅滞なく講ぜねばならぬ。しかし同時に又、新日本産業の本格的な発展の大方向について確たる見透しと計画とを一日も早く打樹てねばならぬ、産業はこの見透しと計画がなくては本腰の再出発をなし得るものではないし、又将来における順調な発展をなし得るものでもない。
斯様に当面の急に応ずるためにも、将来の大計をたてるためにも大掛りな調査研究に俟たねばならぬ問題はわれわれの前面に山積している。殊に再建の基礎条件をなす面において然りである。例えば永年の戦争と殊に敗戦とによって産業設備は荒廃し、資材は枯渇し領土は狭められ、賠償の負担は加えられ、事業と貿易とは一定の制限が予定されているなど再建説の基盤そのものは全く一変してしまっているにも拘わらず、その実相を全面的に的確に突きとめる大切な仕事はまだなされていない。云わば産業再発足のスタートラインそのものがまだ明らかにされていないのである。
又新しい経済の指導原理が旧い資本主義の復活や公式的な社会主義の焼直しではなく、それらを超克総合したより高度な秩序としての「民主々義」であるべきことは一般に是認されている所であるが、しかし例えば企業の民主々義形態とは国営乃至公営を意味するのか、その反対なのか、資本と労働とは企業経営上乃至利益分配上どんな立場を認められるべきか、財閥解体後の産業新機構はどうなるのか等の点に立入ると未だ定論がないために建設の指導原理は抽象論に止り具体論を欠く結果、実際的には異論百出して却って混乱が拍車と化し、経済危機の様相を一層深刻なものにしているのが実状である。
更にわが産業経済復興のためには何よりも貿易の再開を急ぐ必要があるが、世界の政治経済は大戦の結果、一大変貌を遂げつつある為に今後の我が貿易と産業は単なる従前状態の再開では到底今後の世界貿易に処し得るものではない。例えばブレトン・ウッズ案と称せられる新国際通貨組織の誕生、米国を主導者とする国際自由通商制再建への強大なる国際的動向、旧来の輸出販路関係のご破算、戦災を避け得た国々や更新の国々の新興国家としての抬頭、わが輸出産業競争国の新たな勃興、戦争中に発達した新商品の出現などその他指摘し挙げれば限りはないが、かうした対外関係の面に現われつつある新事実に対し、正鵠な判断なくしては産業再建の血路も見出し得ない。
その他数々挙げれば限りはないが、ともかく敗戦の焦土に芽生えんとするわが産業が今後確固たる足取りで、それの伸びて行き得る大道を見定め今後における内外諸事情に克く対応して健全な発達を遂げるためには、綜合的な科学的な調査研究機関の活動に俟つべき課題は極めて多大である。実に経済問題の真剣な研究を熱求すること今日の如き時代はないであらう。今、本研究所を設立する第一の目的は即ちこの現下喫緊の重大要請に応じた調査研究を進め、以て新日本産業経済建設の頭脳たらんことにある。
(二) 高度化した社会経済の統制運営に達識有能な調査研究員の養成と組織化とが如何に重要であるかは、嘗て戦時統制に際して識者の等しく痛感したところであった。いま敗戦の焦土に横たわる各種の経済的障碍を克服して新しき日本を建設し、高度な理想を盛った民主々義経済の実現を図るためには、新時代を背負うて立つべき調査研究員の養成と組織化とが戦時にも増して益々緊要である。
而かもそうした使命を持つ機関は、現在の日本においては甚だ欠けるところがあるといわざるを得ない。蓋し達識有能なる研究員の養成は長期にわたる研究活動の訓練と経験とを経て始めて可能なのであり、従ってその根拠となる研究所が絶対に必要である。本研究所はこうした要請に応ずることをも深く期しているのである。
昭和二十一年五月三十日
東京都赤坂区青山南町
著述業 高橋 亀吉
装置の神経ネットワーク化・分解解析不能・研究の秘匿。分解したらすぐに原子構造が崩れて内部のネットワークが読み取れなくなる(量子化設計)、その原理の秘匿。マクロ部品の集合性を高度化する(個々の部品単独では機能させるインターフェイスが欠落=接点のない部品)。
日本経済研究所よ、もう一度亀吉に還れ
設立趣旨書
(一) 産業界の復興発展はわが国当面の急務であり又平和民主主義国家再建の根幹である。食糧問題の解決と悪性インフレの克服と、そして窮極においては、日本民族の運命も、根本の打開策は総べてこの一点に集中して来る。然るにわが国産業復興を現在停頓させてる事由は極めて複雑且つ深刻であって、日本産業が再び世界市場を闊歩し得る坦途に出るためには、尚相当期間峻嶮な荊棘の途を歩まねばならぬであろう。祖国を亡国から救うため、我々は今かかる難路を満身創痍の身を以て一日も早く突破せねばならないのである。
今、我が経済は疲労困憊のドン底に喘いでいる。その回復への努力が一日でも手後れとなることは、国家経済の衰弱を愈々激甚にし、その再起を益々困難ならしめる。この際一刻も速かにわが国産業経済の回復を図ることが何よりも必要である。これがためには、仮令拙速主義的弊害は多少あっても速やかに効果を挙げ得る凡ゆる手段を遅滞なく講ぜねばならぬ。しかし同時に又、新日本産業の本格的な発展の大方向について確たる見透しと計画とを一日も早く打樹てねばならぬ、産業はこの見透しと計画がなくては本腰の再出発をなし得るものではないし、又将来における順調な発展をなし得るものでもない。
斯様に当面の急に応ずるためにも、将来の大計をたてるためにも大掛りな調査研究に俟たねばならぬ問題はわれわれの前面に山積している。殊に再建の基礎条件をなす面において然りである。例えば永年の戦争と殊に敗戦とによって産業設備は荒廃し、資材は枯渇し領土は狭められ、賠償の負担は加えられ、事業と貿易とは一定の制限が予定されているなど再建説の基盤そのものは全く一変してしまっているにも拘わらず、その実相を全面的に的確に突きとめる大切な仕事はまだなされていない。云わば産業再発足のスタートラインそのものがまだ明らかにされていないのである。
又新しい経済の指導原理が旧い資本主義の復活や公式的な社会主義の焼直しではなく、それらを超克総合したより高度な秩序としての「民主々義」であるべきことは一般に是認されている所であるが、しかし例えば企業の民主々義形態とは国営乃至公営を意味するのか、その反対なのか、資本と労働とは企業経営上乃至利益分配上どんな立場を認められるべきか、財閥解体後の産業新機構はどうなるのか等の点に立入ると未だ定論がないために建設の指導原理は抽象論に止り具体論を欠く結果、実際的には異論百出して却って混乱が拍車と化し、経済危機の様相を一層深刻なものにしているのが実状である。
更にわが産業経済復興のためには何よりも貿易の再開を急ぐ必要があるが、世界の政治経済は大戦の結果、一大変貌を遂げつつある為に今後の我が貿易と産業は単なる従前状態の再開では到底今後の世界貿易に処し得るものではない。例えばブレトン・ウッズ案と称せられる新国際通貨組織の誕生、米国を主導者とする国際自由通商制再建への強大なる国際的動向、旧来の輸出販路関係のご破算、戦災を避け得た国々や更新の国々の新興国家としての抬頭、わが輸出産業競争国の新たな勃興、戦争中に発達した新商品の出現などその他指摘し挙げれば限りはないが、かうした対外関係の面に現われつつある新事実に対し、正鵠な判断なくしては産業再建の血路も見出し得ない。
その他数々挙げれば限りはないが、ともかく敗戦の焦土に芽生えんとするわが産業が今後確固たる足取りで、それの伸びて行き得る大道を見定め今後における内外諸事情に克く対応して健全な発達を遂げるためには、綜合的な科学的な調査研究機関の活動に俟つべき課題は極めて多大である。実に経済問題の真剣な研究を熱求すること今日の如き時代はないであらう。今、本研究所を設立する第一の目的は即ちこの現下喫緊の重大要請に応じた調査研究を進め、以て新日本産業経済建設の頭脳たらんことにある。
(二) 高度化した社会経済の統制運営に達識有能な調査研究員の養成と組織化とが如何に重要であるかは、嘗て戦時統制に際して識者の等しく痛感したところであった。いま敗戦の焦土に横たわる各種の経済的障碍を克服して新しき日本を建設し、高度な理想を盛った民主々義経済の実現を図るためには、新時代を背負うて立つべき調査研究員の養成と組織化とが戦時にも増して益々緊要である。
而かもそうした使命を持つ機関は、現在の日本においては甚だ欠けるところがあるといわざるを得ない。蓋し達識有能なる研究員の養成は長期にわたる研究活動の訓練と経験とを経て始めて可能なのであり、従ってその根拠となる研究所が絶対に必要である。本研究所はこうした要請に応ずることをも深く期しているのである。
昭和二十一年五月三十日
東京都赤坂区青山南町
著述業 高橋 亀吉