『われわれは戦後の日本が、経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失い、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。政治は矛盾の糊塗、自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながら見ていなければならなかった。』三島由紀夫檄文より
国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されず。極東軍事裁判(東京裁判)こそ敗戦の汚辱である。三島は拡声器をもって語るべきだった。バルコニーからは何も聞こえなかった。この聞こえなかった演説がその後50年の日本人を物語っている。三島由紀夫の声を日本人は何も聞こえないふりをしてきた。野党ばかりではない現在の自民党も代々同じである。國は本体(國體)があり政体がある。政体が國であるかのようにふるまう政治家や官僚しかいない。今の与党は憲法を改正する議席実力を持ちながら、国民投票法の決定どころか審議すら行えない。
安達誠治氏が《円の足枷》2007年で以下のようにイントロで述べている。「
問題の本質は 、このようなアメリカ通貨政策の圧力の結果としての円高というよりも 、それをきっかけに 、いつの間にか 、日本の通貨当局にとって円高トレンドが 「与件 」 (当たり前の前提 )となってしまい 、これが常に収縮的な通貨 ・金融政策をとらせる制約条件となった点にある 。
」
やる前から逃げているケンカでは勝てない。朝日新聞は日の丸さえ侵略戦争の記憶だと言う。お前んとこの社旗の方がよほど侵略者の象徴だろう。
asahi
「日の丸」に対しても、複雑な感情を抱く人々がいる。
戦後75年が過ぎても、そうした人々から見れば、日の丸を掲げる行為そのものが、侵略戦争の暗い記憶を呼び起こすものにほかならない。
東京五輪で旭日(きょくじつ)旗を振るのを禁止すべきだ――。最近、韓国の人々からは、そんな声も伝えられる。旭日旗は旧日本陸海軍の旗であり、いまも海上自衛隊の自衛艦旗である。
asahi
端的に言うならば、三島由紀夫が死んでから日本の統治は徴税権だけが機能して、その反対側に素直に税金を払うシステム、すなわち国家ならざる国家=既得権益・保護システムしか残っていない。努力する日本人国民は報われず、ノーベル賞級の知恵に投資せずに放置。既得権益層であるマスコミや官僚・豊かな背景の人間にだけ次の機会が政策的にやってくる。
私は以下のように思うが、実行を阻む者たちが既得権益のスクラムをガッチリ組んでいる。
間違った設問 ❶財政再建 これはすでに再建済み❷社会保障の財源 これは必要がない制度設計❸取りやすいところから徴税するのが公平 低所得者逆進性が明らか
正しい答えは 消費税減税と消費行動バリアの逓減および撤去 消費支援政策の実施
① まず税率5%に戻す 推計30兆円の税収増加を確認しつつ段階的に3% 2%とする
②輸出企業の消費税還付を行政代行徴税官吏の公務扱いにする(補助金として確定する)、後に廃止
③消費行動の障害となっている消費貸借契約書保証人指名義務条項を禁止(外国人の不動産取得禁止と対)する。60万円未満の個人向け少額貸し付け業を金融庁規制外業務にする(小額本人訴訟簡易化対応)
④法人格のある任意の給与所得者の集まり、事業者「社中」を政府及び地方自治体が承認し、融資対象として制度融資を保障する。この活動経費所得控除申請の一般的解放(個人の申告に経費として按分)
⑤財務省を徴税庁と主計庁に分離。財務省は解体。それぞれに別の国選監査法人が執行監査する1月/12月期内管理にする。国選監査法人の指名する調査要員は内閣府の公務員扱い。
⑥紙幣デザインを四年周期とし、六年後以降死蔵現金の使用禁止紙くず化廃止期限付き現金の発行
以下も私の私見だ。2020年は昭和95年、
国家運営の五大要素 ❶租税徴収力 ❷国家ファイナンスによる財政力 ❸国軍の軍事力 ❹交易条件自主決定力 ❺自主独立した司法権 のうちまず昭和94年の前半戦で❺と❹と❸における主体性を失った。小泉構造改革路線で❷の主体性を失い、その結果版籍、すなわち国土と国民国家喪失の危機が始まっている。
(倉山は来月号のWiLL対談で国家の基を国民の知力、財力、武力と言っているが、国家はそれだけでは維持できない。官僚個人の主体性をはぎ取ることくらい簡単なことはない。それゆえに❺、❹、❸があっという間に失われたのだ。座してキレイを語ることに甘えてはいられない、倒れても後進が前に進む日本人の背中の復活が大切だ。なによりも教育のいずまいである。)
日本国の今は徴税能力だけ元気な国家である。何と国民にとって不幸であり国家として無様なことか。
❸は憲法9条で
❹はプラザ合意 通商協議で、成長には円高というペナルティ
❺はロッキード事件の前哨戦福島県知事贈収賄で
❷は失われて久しく、通貨は江戸時代の田沼意次財政以前に戻った。
日本丸の五本のマストの内四本が折れている。
このまま台湾が香港のように一国二制度に飲まれれば、沖縄防衛さえ怪しくなる。中国人の土地取得でまさに版籍を失ってしまう危機に瀕しながら、国家の運営力を失ったので、既得権益保護システムは国家に関心を持たなくなっている。これが50年後のざまですと三島由紀夫の墓前にはとても報告できないだろう。
追補2020.1.12
蔡英文が圧倒勝利
降伏文書調印式に出席する岡崎にミズーリ号艦上での式典が終わって数時間後の午後4時過ぎ、終戦連絡委員会の鈴木九萬公使はGHQのマーシャル参謀次長より、翌9月3日に告示する予定の「三布告」について告げられた。その内容は完全な直接軍政である。
(おかざき かつお、1897年7月10日 - 1965年10月10日)は、日本の政治家、外交官。元内閣官房長官・外務大臣。第二次世界大戦後、吉田茂によって推進された対米協調外交において重要な役割を担った人物。
が阻んだが公職追放となり7年も続いた。その恐怖支配の間に日本人は精神的に大きなトラウマをその後も長い期間残した。経済的にはシャープ税制が決定的に影響した。
昭和95年日本の中枢にある機能は、ただの徴税と分配の社会システムであって、それも既得権益者優先、本来の意味で五つの運営機能国家ではないという事がよくわかりました。マッカーサー軍政は生きている。担い手が日本人に代わっただけ。
明治のご一新の後の江戸の有様
江戸瓦解後の東京府内の情況は、貴賤貧困を極むること譬ふるにものなし、旧幕臣悉く各所に流離顚沛し、其居宅皆変じて草木の藪となり、諸侯大中小の邸宅も荒廃を極め八重葎軒を蔽ふ、昔は壮麗を誇りたる大名小路も悉く廃墟に変じ、市街の商賈工匠も過半退転して、小民饑餓に陥れり、中にも番町深川本所下谷の地は、満目空屋にして腐朽累々たり、又城内とても、本丸は焼燼後の儘に荒れ果て、狐狸の巣窟となりて草木徒に生ひ繁り、目も当てられぬ有様なり、西丸は殿閣のみ依然たりと雖、無主無人なれば廃頽する所多し、但し内外三十六見付の門楼のみ残りて旧観を保ちたり、二年の御東幸以来、漸く人心安堵し民業稍開けたれども、昔に比すれば十分の一なり、従て人心洶々、堵に安んぜず、各藩の兵隊充満して横暴に流れ、人民愁苦を訴ふるにあり、されば気慨あるものは各所に潜匿観望し、時を窺ひ薩長二藩を伐ち、之に代らんと企つる者あり、此形況にて押し行かば、一両年ならずして再度大乱たらん情勢なりき
この荒廃に比べたら今はまだマシ
『江藤はこの荒廃した江戸を救うべきことについて、長い意見書を出した。いま、いちいちその箇条を挙げては言わぬが、よく江戸の状態をきわめて、それぞれ意見を附して、救済の方法を策してあったくらいだ。それほどに差し迫った江戸の窮状が、遷都の一事によって救済し得られたのは、国民の深く記念すべきことであると思う。』江藤とは江藤新平のこと、《以上
隠れたる事実 明治裏面史 (講談社文芸文庫)
伊藤痴遊》
臣某謹白、先般本省定額一年四十五万両に被二相定一候旨御達有レ之、右者御請難レ仕旨申上置、将又去る廿日諸省布達有レ之、科料共本省に取立、第十月大蔵省へ可二相納一旨御達有レ之、右者当然之御体裁と存じ、御受可レ仕心得に付、去る廿日より以後の分は、帳面金子共判然分断致し、立替等一切無レ之様、贓贖掛人へ被二申付置一候。然者、四十五万金之外は、一切無レ之、是を以て事務可二相纏一見留相調候処、更に目的不二相立一訳は、是迄相運び候三府十二県裁判所に於て、去年十一月一箇月の費用を以て、一箇年の積りを立候処、五十二万六百二十両と六千元に相成、御達の定額にては、七万六百二十両と六千元不足相立、且又、先般本省より申立候、本省並に三府七十三県定額金数の内、本省並に三府十二県裁判所に係る費用は、金九十六万五千七百四十四両と六千元に相当り、御達しの定額にては五十一万五千七百四十四両と六千元の不足相立申候。扨又右去年十一月一箇月の費用を以て積立候一年の費用、五十二万両余の金額は、右本省より申立候定額より、四十四万五千百二十四両の不足相立申候、是は未だ各区裁判所の取設け、検事検部の出張、檻倉並探索、捕亡等の手続に不二相到一故にて有レ之、一体是者司法の職務、初て相挙り候入費に付、本省の目的の処にて御座候、其故は委細申上候。 元来、各国と並立の叡慮を奉戴し、臣不肖司法の長官を拝命し、部事の不凞を以て其責に可レ任云々の御委任を蒙り候に付、即ち夙夜考慮仕候処、並立の元は国の富強に在り、富強の元は、国民の安堵に在り、安堵の元は、国民の位置を正すに在り、夫尚国民の位置不正なれば安堵せず、安堵せざれば其業を勤めず、其恥を知らず、業を勤めず恥を知らず、何以富強ならんや。 所謂、国民の位置を正すとは何ぞや、婚姻、出産、死去の法厳にして、相続贈遺の法定り、動産、不動産、貸借、売買、共同の法厳にして、私有、仮有、共有の法定り、而して聴訟初て敏正、加之、国法精詳、治罪法公正にして、断獄初て明白、是を国民の位置を正すと云ふなり、於レ是、民心安堵、財用流通、民初て政府を信ずる深く、民初て其権利を保全し、各永遠の目的を立、高大の事業を企つるに至る、当二是時一、収税の法其中を得ば、民各業を励まし、各業を励みて民初て富む、税法、中を得て、税初て豊なり、民富み税豊にして、然後、海陸軍備も盛に興る可き也、工部の業も、盛に可レ興なり、文部の業も盛に可レ興也。 今や、各民の位置不レ正に付、相続贈遺の出入、貸借、売買、私有、仮有の争ひ、紛々擾々、何以民富まんや、何以民安堵せんや、何以田野開けんや、何以学問、其他百工の業興らんや、其上婚姻の法未だ立ざるに因つて、朝に婚して夕に離るゝの情勢に付、長久の夫婦も互に不二相信一、同心協力業に勤め、其私有物を理に従て増加し、家道を繁昌せしむる、念に乏し、且、今日は夫妻たり、明日は別れて他人となる、婚するも易く、離るゝも易く、焉んぞ同心協力、保家の情あらんや。且夫婦の財産、共通各有の法も不レ立、故に姦する妻は、其夫の財産を掠めて、去て他に嫁す、又猾なる夫は、其妻の産を奪て逐ふ。或は夫妻離別の為め、其子は終に可二養育一人なく、病で死するあり、又は夫死し、妻寡に、子幼なり、族人集て其産を奪ひ、母子狼狽する者あり、如レ此情勢に付、終に勤めて益なく怠て楽ありと、云ふに至る、然るに各国に於ては、婚姻の法厳なり、故に離縁の事寔に難し、苟も其理ありて離縁するも、夫婦承知し、戸長承知し、親族或は其他の証人承諾し、検部監視し、而して之を其帳に記し、各調印するにあらざれば不レ許レ之なり、又其婚する時も、亦同様の手数なり。故に各国にては、大体凡民の情、一度夫婦となれば、協力業を勤め、其家を富昌にし、学問の費用を豊にして、其子孫を人才と為し益々其家を繁昌させんことを思ふ念の外は、他事なしと云ふ。又不レ得レ已離婚する時は、其夫婦の財産、共通各有等の法確定しあれば、之を処するに難からず、而して、其子の財産保護は、監財人、公証人等を設け、検部監視の法厳なれば行届なり。