世界が売りポジションだった2016年買い手は日銀だけだった

『東京証券取引所のまとめによりますと、海外の投資家が去年、国内の主な株式市場で株式を売った額は、買った額を３兆６８８７億円上回る、大幅な「売り越し」となりました。これは世界的な金融危機「リーマンショック」の影響で、海外投資家の売り越し額が３兆７０８５億円に膨らんだ平成２０年に匹敵する規模です。』NHK　20170111

未曽有の危機だったリーマンショックも霞むぐらいの債務不履行が待ち受けているドイツ銀の来たる危機に比べれば昨年はほんの余震。ドイツ銀行は、全世界のGDPを超える総額8,000兆円のデリバティブの規模を運用している。罰金が5000億円ほど減額されて多少株価が戻って一安心しているのはバカ者だ。身の丈の10000倍以上の波の中の小舟がドイツ銀行だと証明した意味合いを見ようとしていない。リスクが大きいだけで損失を出していないから安心しているに過ぎない。バブルと同じ理屈。

エコノミストはむしろブラックスワンと呼ばれる予測の外の事象を恐れている。その一つがトランプ大統領の就任。brexit、今年注目度を上げる一つが中国の政争。最後にサウジとイランの戦争。イランと米国の小競り合いに、頭を突っ込んで中国がアデン湾で火をつけるかもしれない。

ブラックスワンは大きいイベントである必要はない。北朝鮮の南進はもう少しで考えなくてよくなる。あと9日だ。

エコノミストの多くはドイツ銀行は巨大すぎて潰せないとのコンセンサスを形成し、メルケル首相は否定はしている公的支援、いずれは踏み切るのだろうと踏んでいる。英国がEUから逃げる主な経済的理由がEUがどこまでも建前の自由主義と足元の社会主義の利益を得ているのは輸出に強いドイツだけという不合理に付き合いきれるほど同一経済圏の理想が実現する見込みがないということだった。

今起きているのはロシアと米国にEUが包囲されるとEUの発言力が低下することを心配している勢力の巻き返しだ。地勢的に将来がなくなったEUに資金が集まらないリスク。韓国は、「韓国銀行（韓銀）によると、昨年末基準で外貨準備高は３７１１億ドル。１９９７年の通貨危機（３００億ドル）、２００８年のグローバル金融危機（２０００億ドル）当時に比べてはるかに多い。」と胸を張っているが、経済規模の拡大を考慮すると過去に比べ安全ではない。『預金は２１５億ドルで３９億１０００万ドル減少した。金保有は２０１３年２月から変動がなく、４７億９０００万ドルとなっている。』500億ドルは中国頼み。実質3000億ドルを切っているのが実体だろう。

さらには欧州寒波のリスク、移民の再移動も考えておく必要がある。預金はなるべく流動的にしておいたほうがいいだろう。