公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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今読んでる『涙香迷宮』 竹本健治

2017-06-08 12:05:23 | 今読んでる本

ミステリー小説など読むことは全くないが、黒岩 涙香など知らなかった。これは教養ミステリーだ。




黒岩 涙香(くろいわ るいこう、1862年11月20日(文久2年9月29日) - 1920年(大正9年)10月6日)は、日本の小説家、思想家、作家、翻訳家、ジャーナリスト。兄は黒岩四方之進。本名は黒岩周六。黒岩涙香のほか、香骨居士、涙香小史、冷眼士等などの筆名を用いた。号は古概、民鉄、正調庵、黒岩大。あだ名はマムシの周六。戒名は黒岩院周六涙香忠天居士。
翻訳家、作家、記者として活動し、『萬朝報(よろずちょうほう)』を創刊した。

黒岩涙香 経歴
土佐国安芸郡川北村大字前島(現在の高知県安芸市川北)に土佐藩郷士・黒岩市郎の子として生まれる。藩校文武館で漢籍を学び、16歳で大阪に出て中之島専門学校(後の大阪英語学校)に学び英語力を身につける。翌年、上京して成立学舎や慶應義塾に進学するも、いずれも卒業せず。大阪時代から新聞への投書を始め、自由民権運動に携わり1882年(明治15年)には官吏侮辱罪により有罪の判決を受けた。
『同盟改進新聞』や『日本たいむす』に新聞記者として入社後、1882年(明治15年)に創刊された『絵入自由新聞』に入社。2年後に主筆となり、語学力を生かして記者として活躍していくも、後に翻案小説に取り組むようになる。『今日新聞』(後の『都新聞』)に連載した翻案小説『法廷の美人』がヒットして、たちまち翻案小説スターとなり、次々に新作を発表した。逐語訳はせず、原書を読んで筋を理解したうえで一から文章を創作していた。1889年(明治22年)、『都新聞』に破格の待遇で主筆として迎えられたが、社長が経営に失敗。新たに社長に就任した楠本正隆と衝突して退社。

1892年(明治25年)に朝報社を設立し、『萬朝報(よろずちょうほう)』を創刊した。紙名には「よろず重宝」の意味がかけられていた。タブロイド判の日刊新聞で、涙香の『鉄仮面』『白髪鬼』『幽霊塔』『巌窟王』『噫無情(あゝ無情)』などの代表作を次々に掲載したり、『相馬家毒殺騒動』(相馬事件)や『淫祠蓮門教会』といったスキャンダラスな出来事を他紙よりも長期にわたり、ドラマチックに報道することで部数を伸ばしていく。一時は東京一の発行部数を誇り、最大発行部数は30万部となった。また有名人無名人の愛人関係を本人はもちろん愛人も実名住所職業入りで暴露した人気連載「弊風一斑蓄妾の実例」も涙香の執筆によるものであった。こうしたスキャンダル報道だけでは、やがて大衆に飽きられて売れなくなると、涙香は幸徳秋水、内村鑑三、堺利彦らといったインテリに参画を求めた。1901年(明治34年)には「理想団」を設立、人心の改善、社会の改良を目指し、青年の人気を得た。
1911年(明治44年)に朝報社より婦人雑誌『淑女かゞみ』創刊。婦人問題について執筆し、『小野子町論』『予が婦人観』などを刊行する。シーメンス事件では政府を攻撃したが、続く大隈内閣を擁護して不評をまねいた。1915年(大正4年)の御大典に際して、新聞事業の功労により勲三等に叙せられる。同年に長男のために米問屋兼小売商の増屋商店を開業。1920年(大正9年)、肺癌のため死去。前後して山本実彦が同じようなコンセプトで改造社を不連続に引き継ぐ。黒岩涙香との比較では文化人ではない出版事業家だが。

涙香迷宮
著者名
著:竹本健治

竹本健治(タケモトケンジ)
1954年兵庫県生まれ。大学在学中にデビュー作『匣の中の失楽』を伝説の探偵小説専門誌「幻影城」に連載し、1978年に幻影城より刊行。日本のミステリ界に衝撃を与えた。ミステリ、SF、ホラーと幅広く活躍し、ファンからの熱狂的支持を受けている。天才囲碁棋士・牧場智久を探偵役としたミステリは1980年~1981年のゲーム三部作(『囲碁殺人事件』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』)から現在まで書き続けられ、著者の代表的なシリーズとなっている。
竹本の処女作に当たる。

『幻影城』(げんえいじょう)とは、1975年(昭和50年)から1979年(昭和54年)まで発行されていた日本の小説雑誌である。


探偵小説でありながら探偵小説を否定する、いわゆる反推理小説、アンチ・ミステリーという体裁をとっている。
小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』、夢野久作の『ドグラ・マグラ』、中井英夫の『虚無への供物』といった、いわゆる三大奇書に強い影響を受けており、これら三つの作品に『匣の中の失楽』を加えて四大奇書と呼ぶという見方もある。

■小説部門「涙香迷宮」
 第17回本格ミステリ大賞(本格ミステリ作家クラブ主催)の小説部門で、竹本健治さん(62)=武雄市山内町=の「涙香(るいこう)迷宮」(講談社)が選ばれた。竹本さんは「同じミステリー作家の互選で決まる賞で、ありがたい限りです」と喜びを語った。
 受賞作は、IQ208の天才囲碁棋士の牧場智久が推理に挑む「ゲームシリーズ」の最新作。明治の作家で、日本のミステリーの先駆者でもある黒岩涙香が残した「最高難度の暗号」を解き明かす物語。
 同賞は本格ミステリ作家クラブ(会員数177=2016年7月現在)の会員が候補作を読んだ上で選評とともに投票し、公開開票形式で大賞を決める。評論・研究部門は喜国雅彦さん、国樹由香さんの「本格力」(講談社)に決まった。本格ミステリ大賞は過去に東野圭吾さんや有栖川有栖さんらも受賞している。
 贈呈式は6月24日、東京都新宿区の日本出版クラブ会館で開かれる。
 竹本さんは兵庫県相生市出身。東洋大在学中の22歳で小説家デビュー、作家活動40年になる。3年ほど前、妻の母親の介護を手伝うため武雄市に執筆の場を移し、今作を書き上げた。「涙香迷宮」は「このミステリーがすごい2017年版」(宝島社)の国内編第1位にも選ばれている。
 竹本さんは7月から佐賀新聞の囲碁欄に「橘中天」の名前で棋譜を解説する。


夢野久作のドグラ・マグラの影響を受けているのなら処女作も読んでみようか。

「ドグラ・マグラの世界」(一九六二年)で、鶴見は、杉山茂丸の息子として、福岡の玄洋社の流れに位置づけられる作家・夢野久作(一八八九─一九三六)の小説に、国粋主義・国権主義への転向以前の民族主義──つまり、自由民権の拡大とアジア解放を求めるインターナショナルな視野を持つ民族主義者としての「世界小説」のありようを認める。

黒川創. 鶴見俊輔伝 (Japanese Edition) (p.326). Kindle 版. 


発売日
2016年03月09日
価格
定価 : 本体2,200円(税別)
ISBN
978-4-06-219954-4
判型
四六
ページ数
368ページ

蘇峰の謎解きはまだ終わってない。

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