公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

不作為のリスク

2010-06-13 08:35:12 | 日記
「意思決定をするということは、リスクを冒すということである。」

     ドラッカー『非営利組織の経営』 1990年 ダイヤモンド社
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 何かを行う決定のリスクに比べれば、何かを行わないというリスクというものは外部圧力がかからないと意識できない。取締役会には本来その役目がある。どんなに経営者が優秀でも、未だ起こっていない事(機会)に対するリスクに関して広い検知視野を執行者に求めるには限界がある。
 環境が大きく変わる事で事業が成長することもあると考える視点はいくつもある。うまくゆかないことを克服するために、内部からやり方を変えてみるという意思決定は外圧以上に難しいが、少なくとも執行者は日常的にそれを考える。
 しかし執行者が敢えて行わないことは考える事が無い。
 このリスクを監視するには別の価値観(すなわち価値創造の方向性)を注入する仕組みが必要だ。この國では、しかし、不作為の監視はほとんど機能していない。

 価値創造の方向性、つまり何をどうやって、いつまでに創造するか、今は流通しないものを如何に流通させるか、市場はどこにあり、どの程度の価値を持つかといった側面から新たな提言をし続ける機能は本来より視野の広い取締役会の役割だろう。
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