公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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平時の心得 大企業の自己否定

2016-09-13 12:35:06 | ドラッカー
『「やることはたくさんあるんですよ。例えば、今トヨタに入ってくる人たちは優秀な人たちです。先のことまで考えて、新型車に搭載できる技術の一部を、マイナーチェンジに備えて取っておく。出し惜しみです。マイナーチェンジの時にそれを投入すれば、やった仕事としてアピールしやすいし、クルマも具体的に変わった部分が訴求できますからね。でもそれはダメだと。出せる物は全部出し切って、マイナーチェンジに向けてはまた一から意欲的なチャレンジをすべきなんです。

優秀な人たちと言えばもうひとつあります。クレバーな議論はダメです。社内の議論は、社会の縮図であるべきなんです。(社内の人材は粒が揃っているが)現実の世界にはいろいろな人たちがいて、それぞれに考えることは違う。だから互いの立場を察した予定調和のような議論は止めようと。徹底的に文句を言い続けることが変革の力だし、チャレンジにつながります。TNGAの第一弾として重要な今回の(4代目)プリウスについても、私はずっと言ってますよ、『カッコ悪い』って。主査の豊島には最後までそう言い続けました。でもそれが健全な議論だと思います。言いたいことが言える。多様性を認める。トヨタと言う組織を変えていくには、そういう活発なコミュニケーションが一番重要なのです」(


平時、人を自己否定させるというのは本当に難しい。言いたいことを言って満足しているだけではだめ。首にならないから一生懸命できる環境Aと、首になるから一生懸命頑張る環境Bと2つあったととしたら、どっちの扉を開けるだろう。当然前者だろう。弱い立場は環境Aから始めるというのが100%と言ってよい。だから新卒採用は安定した(トヨタ自動車のように)大きな会社を選び苛烈に競争する。

たぶん優秀でない性質(むら気 集中できない 自由すぎる)をもつ人物は入社できないから、豊田社長の言うように間違いなく優秀なんだろう。実際それで社長は困っているわけだ。どうしたら自己否定できるか。大企業は外を見に行かせることだ。プリウスがどんなにかっこ悪いか、会議で言ってもわからなければ世間の風で感じ取るのがいい。その人が力をもって少し強い立場になったら、環境Bではないが、限りなく馘首に近い環境に飛ばして鍛えるのが、大企業の場合、平時の自己否定方法を涵養するいい方法だろうと思う。
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