価値創造や価値喪失に関わる今日の中の非今日の断面は会社や集団の内部ではなく、外に埋もれている。
だから国家事業の機会は外部環境の変化に探すことが重要。
国内で大きく変わった外部環境は
第一に電力、第二に水産資源、第三に活動期に入った日本列島 第四に就業人口の減少 第五に日本海油田の再発見
国外で大きく変わった外部環境は
第一にユーロ崩壊(ドル/ポンドの逆襲)、第二に中東独裁政権破壊(イスラエルの日の出)、第三にTPP(収奪の土俵と罠、憲法違反:憲法76条1項は「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。」と司法の統一的帰属を定める。とあるが、ISDS「投資家と政府間の係争訴訟」はこれを否定している。)第四に人口70億、2020年には85億 第五にシェールガス開発
この先50年の世界を象徴する事件が2011年から12年にかけて起きている。これを米国の側から見て整理すると、大きくは民主主義が独裁に敗北した対中戦略の立て直しがみてとれる。
中国のキャッシュカウEUの弱点を突いて成長を衰退させる第一段階(いまはココ)、経済成長が減速した中国の金融システムの弱点(貸し出し過剰、過度の現金決済、与信は党委員会)に爆弾(取りつけ暴動)を仕掛ける第二段階、国内問題(労働、環境、司法、人権、宗教)に干渉し政治的に共産党から独立した勢力を育成する第三段階、一挙に内戦化する第四段階。これらの独裁との戦いの予行演習がリビア、エジプトの内乱、シリアの代理内戦、日本から富を収奪するための土俵となるTPP詐策作戦は練習問題。米国の本当の狙いはイランムスリム政権崩壊後の世界分割にある。計画は動き始めている。
米国にとって中国が厄介なのは、太平洋上の第七艦隊を西太平洋に封じ込める海軍力を持つ事と米国債を大量保有する事なのだが、後者について米国は既に別の通貨体系を準備して世界的に棒引きにする計画を準備しているので問題はない。後者に関しては戦力分析中ということだが、中国海軍が空母艦隊をもつと予想される数年後が米国の軍事上の勝負所。
如何に米中が直接戦わずに事を済ますか、そこに米国外交のディテールがある。しかし相手方
には直接攻撃の意思がある。
オバマ就任直後からEU金融危機までは米中が同盟する可能性もあったが、その可能性は完全に消えた。明確に上海機構が機能しているシリア制裁を巡る呉越同舟=中ロの同盟は米国(イスラエル)の野心を見透かした対応だ。世界は国民を養うための民主主義とおなじく養うための独裁との、実体は同じ姿の超帝国主義の鏡合わせ対立によって二つ以上に分断される。
なぜなら成長する最下層供給のない世界には資源収奪、独占的地位による収奪しか伸びてゆく方法が無い。ドイツがEUで一時期享受したように、大きな経済圏を持てばインフレの心配はいらない。しかしエル・ペペがリオで演説したように全世界がドイツの生活水準を享受できないことは明確な状況が到来している。
日本国は、日本海油田やメタンハイドレートなどを活用し、エネルギー自足を何とかしない限り、エネルギー輸入に依存した日本の経済の政治交渉力は無になり、外交地位は低下し、選択はどちらかの属国となるか、最悪には分割統治される。
中露もすぐに崩壊はしない。ユーロに代わる通貨決済圏を模索している。
世界分割の全貌はユーロ崩壊後に現れるだろう。米国(イスラエル)の策謀によってヨーロッパが南北に分離した後、ドイツを経済圏からはじき出すかもしれない。ドイツはロシアを奇貨として中華市場にシフトするかもしれない。上海機構は世界的な経済ブロックを指向するようになる。この段階が米国対中戦略の第三段階に相当する。米中あるいは米露の直接戦争は起きない。日本をつかった代理戦争はあるかもしれないが、西太平洋の限定的なもの。
このような環境変化が50年内に到来するとしたならば、日本の選択は良い悪いではなく、近づく危険を回避して国民を養えるか否かという選択になる。だから2012年の段階でどの政権を選択するかなどという贅沢な飾りの如き議論は全く意味がない。まず誰に何を売って国民を養うのか?そのためにどちらに与するのか?そういう未来が、日本の幾つかの可能性の中にある。
追補2017.5.21
この投稿から5年経ち、一帯一路の経済圏が出船した。
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