アイデアが尽きないところに事業が継続する 神吉晴夫
好奇心と粘着、掘り下げと二匹目のドジョウ、便乗と披露
ビジネスはこの繰り返しの中でジャンプするからおもしろい。
創業者 神吉晴夫(かんき はるお)
ベストセラーの神様と呼ばれた神吉晴夫
かんき出版は、1977年4月に元光文社社長の神吉晴夫が、新書判の出版社として設立しました。残念ながら、設立直後に神吉は急死し、かんき出版から神吉が担当した書籍が出版されることはありませんでした。
神吉は昭和2年に講談社に入社。20年光文社創立に参加し、出版局長として活躍。29年新書判の「カッパ・ブックス」シリーズを発刊し、『文学入門』などの多くのベストセラーを刊行。33年「女性自身」を創刊。36年社長となるが、労働争議により45年退陣。昭和52年1月死去(享年75歳)。
著者の原稿を一字一句そのまま出版することが当たり前だった時代において、著者と出版社との共同作業による本作りを実行し、戦後最大の出版プロデューサーと呼ばれました。
神吉晴夫のベストセラー作法十か条
この「ベストセラー作法十か条」は、1976年に出版した著書『カッパ軍団をひきいて』に掲載されたものです。著書には“昭和三十年四月、日本経済新聞社の「日経広告手帳」という雑誌から依頼を受けて、私は「ベストセラー作法十か条」なるものを執筆した。”とあります。現在も十分参考になる十か条を信条に、かんき出版では1冊でも多くの良書を読者の皆様へお届けしたいと考えております。
- 1. 読者の核を20歳前後に置く
- 2. 読者の心理や感情のどういう面を刺激するか
- 3. テーマが時宜を得ている
- 4. 作品とテーマがはっきりしている
- 5. 作品が新鮮であること。テーマはもちろん、
文体や造本に至るまで今までお目にかかった
ことがないという新鮮な驚きや感動を読者に与える - 6. 文章が読者の言葉遣いであること
- 7. 芸術よりモラルが大事
- 8. 読者は正義が好き
- 9. 著者は読者より一段高い人間ではない
- 10. 編集者は常にプロデューサー・企画制作者の立場に
立たねばならない。先生の原稿を押し頂くだけではダメ
神吉晴夫に関する書籍
- 1962年
- 『カッパ大将―神吉晴夫奮戦記』
(片柳忠男/オリオン社)絶版 - 1963年
- 『現場に不満の火を燃やせ―ビジネスマン入門』
(神吉晴夫/オリオン社)絶版 - 1964年
- 『俺は現役だ―カッパ大将発言集』
(神吉晴夫/オリオン社)絶版 - 1966年
- 『カッパ兵法―人間は一回しか生きない』
(神吉晴夫/華書房)絶版 - 1960年
- 『台風の子―伊勢湾周辺の記録』
(神吉晴夫 編集/光文社)絶版 - 1976年
- 『カッパ軍団をひきいて―魅力を売りつづけた男たちのドラマ』
(神吉晴夫/学陽書房)絶版 - 2013年
- 『カッパ・ブックスの時代』
(新海均/河出書房新社)
※現在、神吉晴夫の著書、関連書籍のほとんどは絶版となっております。