公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

「センスは知識からはじまる」 水野学

2016-09-24 08:08:44 | 今読んでる本
くまモンで著名な水野学
「「センスのよさ 」とは 、数値化できない事象のよし悪しを判断し 、最適化する能力である 。これが僕のセンスについての定義です 。」

良し悪し(良しを足し、悪しを外す行為)と最適化は同じことのようでそうではない。商品がその良さを内包する外観やネーミングの設計が数値化できないことの積み上げによってできている。センスとは判別だけでなく、綜合する力である。しかも謎のプロセスではない。

工業デザインはそれがより分かりやすい。無駄の無い図面を引いても良いデザインにはならない。スペックはしばしば矛盾するからだ。しかしそれは、より大きな世界で考えてみれば、矛盾ではない。そういう上位概念を操る知識がセンス。本来のデザイン力だ。

ことの積み上げとは平均を知るということでもある
「坂本さんはおそらく 、古今東西のあらゆるミュ ージシャンを知悉した上で 、 「ビ ートルズはすごい 」と定義するでしょう 。しかし 、ビ ートルズだけが熱狂的に好きな人にとっては 、ビ ートルズがすべてです 。ロ ーリングスト ーンズと比べることも 、 B ' zと比べることもできません 。 「ビ ートルズ以外は 、関係ない 」と凝り固まってしまいます 。これは別に悪いことではありませんし 、 「ものごとを深く見ている 」とも言えます 。しかし 、とても狭く偏ったものの見方であることは間違いなく 、その人が言う 「すごいんだよ 」には 、説得力がありません 。」

職業としてセンスを議論しているから、水野学にとってセンスとは「正解」という狭い意味になる。取引して売買するからには、クライアントの納得が必要だからこれは当然なことです。普通の人にとってはこの正解に確信がない。そこに水野学のビジネスチャンスがある。

『みんなが 「へぇ ー 」と思うものは 、ある程度知っているものの延長線上にありながら 、画期的に異なっているもの 。 「ありそうでなかったもの 」です 。』


そうは言っても、アイディアで記録的に売れるものは少数派で、ほとんど努力して売れた商品。世の中そんなに甘くはない。ポカリスウェットがその例に出てくる。30億本から100億本までに6年、100億本から200億本に5年、200億本から300億本に10年かかっている。21年かけて10倍の事業になる。しかし最初の30億本達成は発売1980年から7年かかっている。ここが最も苦しい時期だったろう。商品ポカリスウェット認知営業の三倍の期間をかけてやっと10倍になる。努力型商品でも、良いから売れるわけではない。デザインと企画はもちろん必要で、ヒット商品が長く光り続けるには、毎年内包するセンスの商品表出の最適化が必要だ。

今の弊社課題は、商品の発するメッセージ。食物繊維は大切とは知っていたが、ありそうなのになかった食物繊維の発酵を利用した大腸ケア、嫌気性菌を活かすシンビオティクス。どのように健康商品認知のできる外観パッケージにするか。企業の美意識とセンスが商品の外観を決定し、後年の企業価値を決める。

『 経営再建中のシャープが、戴正呉社長の役員報酬をゼロにすると決めたことが24日、分かった。役員賞与も支給しておらず戴社長は無給で働くことになる。経営トップ自ら業績不振の責任を明確にし、早期黒字化への決意を示す考えだ。
 12日に開いた報酬委員会で決めた。戴社長以外の6人の社内取締役も無報酬となるが、担当業務に関連する手当などは受け取る。シャープは業績悪化を受け、2012年度以降、役員報酬を最大7割、賞与を全額カットしてきた。
 戴社長はシャープを傘下に収めた台湾の鴻海グループの副総裁を兼務しており、鴻海からの報酬は得ている。《共同》』
これで公平と言えるのか?
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