公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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信用情報の相互確証化が進み、やがて銀行を不要にする

2015-12-29 11:58:00 | 日記


全ての資産は何らかの運用をしていなければ、富の私的蓄積は社会の病になる。マルクスの原始的な剰余価値略取仮説が古臭いのは、現在は全ての金融が再投資されているという現実に合わないからだ。奪う側と奪われる側は固定していない上に相互依存しているからだ。どの様な立場の預金も金融機関の負債であり、再投資の対象である。しかしこの預金もただの情報であって、円であるか、ドルであるか平均的にどのくらいの決済要求があるかという情報の塊に過ぎない。つまり預金残高とは金ではなく、信用を情報で記述する方法の一つに過ぎない。仮に現金以外の資産があれば、それを同じ情報で記述できれば、銀行に預金せずとも、世界中の誰からも余剰資産としてのお金を引き出すことができる。敢えて簡単に言えば、イスラム金融のICT化である。
現在の銀行の融資実態は無形の信用を流動化するイスラム金融金融ほどの信用保証さえ創造していない。

現時点でそれができていないのは、信用を情報で記述する任意の行為が第三者によって正確なものであると確定できないからだ。しかしこれはもうすでに技術的には簡単な時代になっていて、部分的にビットコインなどではじまっている。現在のビットコインはクレジットカード初期のハウスカードのようなもので、全ての信用情報で資産を計上する普遍的なものではない。個人の情報を可能な限り公開し、信用情報化するほど大きな資金を運用できる時代が直ぐそこにある。

2008年11月、サトシはビットコインのアイデアを発表した。それ以前は、サトシが1年半をかけてプログラミングしたビットコインは、ごく少数の人だけに個人的に紹介されていた。

2008年8月22日、サトシは電子通貨システム「b-money」の考案者、ウェイ・ダイ(Wei Dai)氏にメールを送っている。またそれ時点のどこかで、ハッシュキャッシュ(Hashcash:そのプルーフ・オブ・ワーク機能はビットコインに使われている)の生みの親、アダム・バック(Adam Back)氏にもメールを送っている。

最初の評判は決して熱狂的なものではなかったと、フィニー氏はのちに振り返っている。

「サトシが暗号関係のメーリングリストでビットコインを発表した時、反応は良くても懐疑的なものだった。フォーラムのメンバーは、無知な初心者による壮大な計画をあまりにも多く目にしてきた。だから、多くの反応はお決まりのものだった」とフィニー氏は2013年、ビットコイントーク(Bitcointalk)フォーラムに投稿した。

2008年11月16日頃、サトシはビットコインコードのプレリリース版をジェームズ・A・ドナルド(James A. Donald)氏、レイ・ディリンガー(Ray Dillinger)氏、フィニー氏を含む、暗号メーリングリストの複数のメンバーに提供した。私がポッパー氏から入手したサトシのメールのうち、最初の1通はその数日後に送られたものだ。


経済活動に関わる世界は、個人情報を公開することが有利な階層と不利な階層に分かれ、ますます現金の意味が二分する。その時は今のような銀行の預金口座は不要になる。銀行さえ、極端なローカル銀行以外は信用情報で単一APSに統合される。GoogleかFacebookが与信決済するのはもう始まって当たり前であるが、金融はもう一度個人情報の履歴によって作り変えられるだろう。個人情報を集められない金融機関は超ローカルで生きるしかない。



最近ますます幸せそうな顔になっている由里さん。そろそろ近いのかしら。

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