公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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笑う時代

2010-10-09 18:19:29 | マキャヴェッリ
「継続的に成功したい者は、時代とともに自分の行動を変えなければならない。」
   マキャヴェッリ
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 中島みゆきの歌に「世情」という曲があるが、かつては日本の経済的繁栄が、常に最下層を犠牲にしているという分析が流行していた。いまは中間層が犠牲になり、むしろ最下層は救済されているという分析が流行している。私にはただ単に自己主張する世代が年を取っただけの様に見える。この國の乱れはある世代によって次々と起こされて来た。それも戦争に負けた遺産だ。生き残った世代はただただ必死に生き抜いた。その子の世代が引退する年齢になり、年金生活を謳歌できるようになったばかりの世代が一貫した事によって勝ち取った成功と感じているのは全く間違った行動原理だ。

 マキャヴェッリの時代は戦って生き残る事が成功の条件であった。現代は成功に生存は関係しないが、その戦いが尊敬されている成功者にはフォロワーがいる。金銭的成功が条件ではないが金銭のことを心配する必要がないくらいの成功なら可だろう。継続的成功があるに越した事はないがより重要な問題は自尊心が満たされているかどうかである。現代日本では人はあまりに容易に他人の自尊心を傷つけようとする。<安全と思われる柵の中>から外に飛び出して転ぶ人間をあざ笑い、傷つける人間の賢さに溢れている。

 失敗の無い挑戦はない。挑戦しなければ失敗の機会を少なくできるだろう。日本はあいかわらず<安全と思われる柵の中>から外に飛び出して転ぶ人間を傷つける人間に溢れている。<安全と思われる柵の中>を中心に社会を分析すると自分たちに都合の悪い事象だけが深く理解できるようになる。飛ばない鳥がいつしか飛べない鳥へと進化するように何世代も挑戦をしないうちに人間の質も変わってゆく。本能的に柵を与えると安住するようになる。

 いまの日本の大人の会話を聞いていると<安全と思われる柵の中>のオタクと同じ会話ばかりだ。柵の外では何の役にも立たない。著名人名の語尾をのばしただけの、自尊心いらずの、つまらないフォロワーに充満した世界に自尊心を求める挑戦者を置くと、その非力さがさぞ滑稽に見えるのだろう。


2010年10月9日23時28分

 政府の公務員改革が不十分だと雑誌などで批判を続ける経済産業省のキャリア官僚が、今月末までに退職を求められていたことが、関係者の話で分かった。この官僚は7月に民間企業への出向打診を断った際、拒否しても省内に残せないと当時の事務次官から告げられていた。この官僚に対する処遇の影響で、同省幹部は「省内が自由にものを言えないムードになっている」と話している。

 この官僚は、経産省大臣官房付の古賀茂明氏(55)。同省や企業の関係者らによると、古賀氏は今年7月、当時の望月晴文・経済産業事務次官から大手企業に出向するよう打診された。古賀氏がこの打診を断ったところ、次の人事異動で新たなポストが用意されていないと告げられた。古賀氏の退職期限は10月末とされ、独自に再就職活動をしているという。

 古賀氏は「改革派官僚」として知られ、雑誌で政府の公務員改革が不十分だと批判してきた。先月27日発売の経済誌でも、「国民の期待を裏切る天下り規制の骨抜き」と題した実名の論文を掲載。論文は、「民主党が強く主張してきた政治主導と脱官僚は、まったくの看板倒れとなるおそれが出てきた」「民主党がマニフェストで主張した天下り根絶の原点に戻って出直してほしい」など、政府を厳しく批判し、注文をつける内容となっていた。
また、経産省中堅幹部は、古賀氏の処遇について、「『文句を言うなら辞めてから言え』というのが大臣官房の考えなのだろう。ちょっとやり過ぎではないか」と批判。経産省OBも「実名で政府を批判するという身内の勇気ある行動を、経産省は真摯(しんし)に受け止めていない」と述べた。

 経産省大臣官房秘書課は朝日新聞の取材に対し、「(古賀氏が)地方に調査に出ていることは事実だが、論文の掲載とは関係ない」とし、古賀氏に退職を求めたかどうかについては「個別の人事についてお答えできない」としている。古賀氏は、再就職活動をしていることだけは認めた。(野口陽)


 この経済誌の発売直後、古賀氏が、大臣官房から約2週間の予定で北海道や九州への国内出張を命じられたことで、経産省内で「論文掲載の影響があるのではないか」との見方が出ている。出張理由は「地方の経済状況についての調査」とされるが、ある経産省関係者は「東京から離してメディアからの取材を受けにくくしようとする狙いを感じる」と話す。
 
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