現代社会は速い状況変化に即応するから安全と考えるが、実は人間の注意能力は昔から長期間にわたる計画に弱い。遠い昔に置かれた石が効いてくることを忘れている。最近のニュースでは英国の高官移動追跡SIMがあったというはなし。
『別の情報筋は英国の出版社に、追跡SIMは数カ月から数年にわたり政府を調査し、絶えず動きをファイリングする能力を与える、と語った。「非常に長い時間をかけて、ゆっくりと計画的に行うことができる。それが脆弱性だ」とその情報筋は語った。』
高度に秘匿すべき情報を防御するため、昔からの手法は①記録しないこととと②外形的情報からの思い込みを利用することが効果をあげる。追跡SIMはこれを破壊する。
数百年にわたる長期の計画が存在したとしても資金をどうするのかという問題がある。企業ではせいぜい60年、三代続けても二百年持たない。やはり同族の企業グループが計画を継承する。あとは教会ネットワークだが、秘密が守れる保証がない。
簿外に無記録の活動を数百年続ける意味合いは、最終的な成果が膨大な資産に変わるか権力の集中に関与できるかいずれか、あるいは同時に達成できる場合にのみ合理的である。
背景には強烈な選民思想が必要である。この男達はそれを成し遂げようとした。