6月も麦秋。早くも令和五年2023年卒の就職活動が始まる。
経団連が定める就活ルール(採用選考に関する指針)はなくなりましたが、政府主導に移ってからも従来と同様のルールが存続しており、大手有名企業は、自分たちからそれを公に破ることはしません。
企業は6月1日の選考解禁以降に学生に「内定」とはっきり言葉にして伝えたり、文書やメールに残る形で内定を伝えたりすることになります。企業にとっては、この日から内定式が行われる10月1日までの約4カ月間、内定を出した学生の入社の意志が覆らないよう、彼らをフォローしなければなりません。
実際には、6月下旬には大手企業の22年卒採用がほぼ終了し、早くも23年卒向けの広報活動が始まります。22年卒の就職活動はコロナで状況が読めない中、焦る企業が例年より早く動いているという傾向が見て取れます。
企業が焦っているのか学生が焦っているのかは内定率推移を見ればわかる。厚労省のデータなので速報性はないが
明らかに内定率の低下がわかる。これは企業が前向きな行動を選択せず現状逃げ切りの経営に舵を切ったところを反映している。今年はソフトウエアや設備投資のサイクルであり少なくとも短期的に単純な事業拡大は見込んでいない。
それにしても今の時点で内定をもらえたら天国だろうが、そのほかの大学生にとっては心理的地獄の半年間が続く。餌場の当てが外れた野良犬は次のように発想する。
❶餌は所詮餌、飼い主に稼ぎがあってこそ今の餌
❷今日を保証されれば、明日がくる。この繰り返しが自動であるかないかは餌もらいにとって意味のない情報だ。
❸自分が何者でもない今の状態は人生で最も価値のある時期。セイフティーネットは100%使い倒せ
❹自分で稼ぐことができない者つまり負け犬だけが就職活動をしている。
❺野良犬は今日だけを考える。
その上で餌の主人を見極めたいならROICツリーの活用を考えよ。。営業利益率や投下資本回転率のようなROICの構成要素をさらに細かく分解し、ツリー状にしたもの。を使い独自に分析してみることだ。
この分析は気の利いた企業なら必ずやっている。ただし分析によってROIドライバーは探せても制御できない状態にあることが多いのが大企業の特徴であることを忘れるな。