公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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書評 「日本人のためのピケティ入門」 池田信夫(著)

2014-12-16 21:51:14 | 今読んでる本
日本人のためのピケティ入門: 60分でわかる『21世紀の資本』のポイント
池田 信夫 著

12月12日発売 Amazonで予約した。そもそもこの本自体がピケティの「21世紀の資本」という700ページに渡る統計ばかりの本の書評なんだから、書評の書評なんてくだらない話。

うーん、見事に薄い本で、池田信夫に騙された感が増大します。


資本(以下はピケティにならって所得以外のモノすべてを資本としましょ)資本主義の第二根本法則、β(資本/所得比率)、つまり資本(ストック的色彩が強い)の所得に対する比率がs/g 貯蓄率sの成長率gに対する比率に等しくなるという長期傾向が見出されたとするピケティは、10年かけて徹底的に調べあげた結果この結論に至る。

β=s/g

ある種の均衡式として得られたことを前提に初期条件をいじって思考実験してみると、世界の資本主義国の平均的な値よりも貯蓄率が高いにもかかわらず平均的な低成長の中にある現在の日本社会は当然所得に対し資本の比率が高いままにとどまる。
g =s/β
だから資本/所得比率を大きくするために、社会の所得は小さくなることで安易に高いβ値に均衡しようとする、所得が他の平均的資本主義国よりも鋭敏に小さくなる国は、消費が減少して国内事業の収益も落ちるから、長期的には資本ストックも小さくなるように追従しやすいということになる。故に、日本のような国は、収益不足を交易により補填しなければ、縮小再生産の循環に入ってやがて社会の終わりを迎える。

貯蓄率は国民性であり政策では変えられないから、交易条件を良くする(資源があればそれを最大限利用し、なければ原材料などの輸入価格の交渉力を上げ、より安い円レートで販売する)しか、現在の日本の資本主義に生き残る道は無いという、極めて常識的な結論に至る。

交易相手の利益が望みにかなうように大きな単位で合理的配慮で購入し、資源を無駄なく使う知恵を働かす始末、未だ価値の知られていないものに目をつけて、価値のある商品を世界に知らしめるイノベーターの立脚点に高める才覚、目に見えないものを畏れ信じる神信心、これら商人の基本に戻れば、交易条件は変更可能です。

何事も現実をコントロールするために変更可能なことには、全力をあげて努力すべきです。大きいことも小さいこともともに全力で悔いを残さずに取り組むべきです。

まだまだ日本にはチャンスが転がっているということです。

ピケティの原著は翻訳本も含めちょっと購入は遠慮しておこう。今は勉強よりも努力が大切だから。
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