2019年4月25日に刊行した単行本『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』(加藤文元著)が、「第2回八重洲本大賞」を受賞いたしました。
と八重洲ブックセンターをぶらぶらして手にとる。これは絶対読むべき本だ。わかりにくいけどわかった気になって他人に話したくなる本だ。
対称性による正則構造の再構成。使うことができそうだ。
加藤文元が言うには
「たし算とかけ算、分離して考えないといけない」とあります。本の中でも説明しましたが、たし算とかけ算が一蓮托生になっている状態を一度解消して、外科手術のような激しいことをして、そしていろいろ操作を行い、ワンサイクルして、また元に戻すということを無限回繰り返して、極限をとって、。。。
ABC予想の証明、それだけじゃなく、数学の基盤を創造するという革命でもある。この諦めない挑戦がおもしろい。
自然数 n に対して、n の互いに異なる素因数の積を n の根基 (radical) と呼び、rad n と書く。以下に例を挙げる。
- p が素数ならば、rad(p) = p.
- rad(8) = rad(23) = 2.
- rad(45) = rad(32 ⋅ 5) = 3 ⋅ 5 = 15.
自然数の組 (a, b, c) で、a + b = c, a < b で、a と b は互いに素であるものを abc-triple と呼ぶ。大抵の場合は c < rad(abc) が成り立つが、ABC予想が主張するのはこれが成り立たない例(例えば、a = 1, b = 8 のとき c = 9 であり、rad(abc) = 6 である)の方である。ただし、c > rad(abc)が成り立つ例も無限に存在するため、rad(abc) を少しだけ大きくすることで例を有限個にできないかどうかを考える。すなわち、ABC予想は任意の ε > 0 に対して、次を満たすような自然数の組 (a, b, c) は高々有限個しか存在しないであろうと述べている:c>rad(abc)1-ε
SHINICHI MOCHIZUKI; IVAN FESENKO, YUICHIRO HOSHI,ARATA MINAMIDE, AND WOJCIECH POROWSKI (2020-11-30). Explicit Estimates in Inter-universal Teichm¨uller Theory (Report).