Non-coding transcription instructs chromatin folding and compartmentalization to dictate enhancer-promoter communication and T cell fate.
Takeshi Isoda, Amanda J. Moore, Zhaoren He, Vivek Chandra, Masatoshi Aida, Matthew Denholtz, Jan Piet van Hamburg, Kathleen M. Fisch, Aaron N. Chang, Shawn P. Fahl, David L. Wiest, Cornelis Murre
Cell, 171, 103-119.e18 (2017)
日本人研究者による輝かしい成果が出てきた。
引用 ライフサイエンス新着論文レビュー
『長鎖非コードRNAあるいはエンハンサーRNAの具体的な機能についての報告はかぎられているが,それらは転写されることにより機能を発揮すると考えられていた.筆者らは,T細胞への分化の決定にかかわる転写因子BCL11bをコードする遺伝子において,そのエンハンサー領域にコードされるThymoDと名づけた長鎖非コードRNAの転写が,エンハンサー領域の抑制区分からの解放に必須であることを見い出した.ThymoDの転写を阻害したマウスにおいてはT細胞への分化が障害され,T細胞系のリンパ腫あるいは白血病を発症した.ThymoDの転写は,その領域のDNA脱メチル化,クロマチンの修飾,転写因子CTCFの結合,コヒーシンのリクルートを促進し,エンハンサー領域とプロモーター領域との新たな相互作用を促進した.これらの結果より,先行する非コードRNAの転写により細胞の分化の決定にかかわる遺伝子の発現が制御される可能性が示唆された.また,長鎖非コードRNAあるいはエンハンサーRNAの転写の破綻が,各種の発がんにおけるクローンの形成においてもさまざまな段階において関与する可能性があり,その探索が必要であると考えられた.』
ゲノムの転位や相互作用でエンハンサーがターゲット遺伝子を動かすということは知られていたが、その相互作用にnon-codingRNAが関わっているという発見は腫瘍のゲノムDNA脱アセチル化酵素の抑制からのブレが生み出す不安定性をよく説明している。
羽生善治「分かっていることに対する答えや予測は、どう考えてもAIの方が得意です。残されている『分からないもの』に対して何をするのか、が問われる。それは若い人たちだけにかぎらないと思います」(月刊「正論」11月号)の言っていることはほとんどの官僚機構に所属する官吏型エリートには理解できないだろう。官吏型エリートの仕事はなくなると言っているのですよ。分からないものを発見する力を持っているから飛躍ができる。人間が知恵を動員するのは誰かが作った道の繰り返しではない。
Takeshi Isoda, Amanda J. Moore, Zhaoren He, Vivek Chandra, Masatoshi Aida, Matthew Denholtz, Jan Piet van Hamburg, Kathleen M. Fisch, Aaron N. Chang, Shawn P. Fahl, David L. Wiest, Cornelis Murre
Cell, 171, 103-119.e18 (2017)
日本人研究者による輝かしい成果が出てきた。
引用 ライフサイエンス新着論文レビュー
『長鎖非コードRNAあるいはエンハンサーRNAの具体的な機能についての報告はかぎられているが,それらは転写されることにより機能を発揮すると考えられていた.筆者らは,T細胞への分化の決定にかかわる転写因子BCL11bをコードする遺伝子において,そのエンハンサー領域にコードされるThymoDと名づけた長鎖非コードRNAの転写が,エンハンサー領域の抑制区分からの解放に必須であることを見い出した.ThymoDの転写を阻害したマウスにおいてはT細胞への分化が障害され,T細胞系のリンパ腫あるいは白血病を発症した.ThymoDの転写は,その領域のDNA脱メチル化,クロマチンの修飾,転写因子CTCFの結合,コヒーシンのリクルートを促進し,エンハンサー領域とプロモーター領域との新たな相互作用を促進した.これらの結果より,先行する非コードRNAの転写により細胞の分化の決定にかかわる遺伝子の発現が制御される可能性が示唆された.また,長鎖非コードRNAあるいはエンハンサーRNAの転写の破綻が,各種の発がんにおけるクローンの形成においてもさまざまな段階において関与する可能性があり,その探索が必要であると考えられた.』
ゲノムの転位や相互作用でエンハンサーがターゲット遺伝子を動かすということは知られていたが、その相互作用にnon-codingRNAが関わっているという発見は腫瘍のゲノムDNA脱アセチル化酵素の抑制からのブレが生み出す不安定性をよく説明している。
羽生善治「分かっていることに対する答えや予測は、どう考えてもAIの方が得意です。残されている『分からないもの』に対して何をするのか、が問われる。それは若い人たちだけにかぎらないと思います」(月刊「正論」11月号)の言っていることはほとんどの官僚機構に所属する官吏型エリートには理解できないだろう。官吏型エリートの仕事はなくなると言っているのですよ。分からないものを発見する力を持っているから飛躍ができる。人間が知恵を動員するのは誰かが作った道の繰り返しではない。