公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

出光とイギリスの戦い

2013-02-23 22:23:00 | 今読んでる本
「通産大臣が抜き打ち的に二十数万坪のなかの六万坪を昭和石油会社に払い下げた。これは昭和石油会社はイギリスのシェル石油の子会社であって、株の過半数をシェル石油会社が持っておるために、経営はシェル石油会社がやっておる。」 人間尊重五十年 出光佐三
p282 昭和三十二年4月 訓辞

このようにイランの石油国営化事件で日章丸とイギリスの戦いがあり、さらに徳山製油所の用地利用についても国が民間企業である出光を狙って干渉してきた。自由党内閣がどんな政権であったか理解できる。

いまとなっては歴史上の一時的出来事であるが、昭和二十九年に始まる出光とイギリスの戦いは、日本政府との戦いであったことを忘れてはならない。占領時代にすっかりゴマすりと化した政府を佐三は痛烈に批判している。

逆風ばかりだった出光の歴史に比べれば、自分たちの苦労など羽毛のように軽く小さなものである。書物を通じてこういう先人の戦いを見ていると心が晴れてくる。

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